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最後の坂道

作者: 鉄鉱石

西暦5000000020年

我ら人類の生まれた天然の惑星である地球は死の星になろうとしていた。

数年以内に太陽が燃え尽き、地球は生物が生存不能になるという発表がされた。

もちろん発表以前よりも遥かな昔より言われ続けてきた事である。

金や権力のある人々は太陽系以外の銀河系が発見され。

その銀河系に太陽に似た惑星や地球に似た惑星が発見されたため。

巨大宇宙船で旅立ってしまった。


それでも残った有志がせめて誰でも地球を脱出来るようにと。

その足掛かりを作ろうと起動エレベータの開発に着手していた。

完成直前に崩落が起こりそこは瓦礫の山となってしまったが。


そして俺のじいさんも研究者だった。

あくまで地球を見放すのでは無く、地球を守る方向で研究を進めていた。

だが先日死んだ。

だが死顔は安らかだった。

やりきったという事と、孫に託したという事か。


じいさんが残した物、それは太陽だった。


説明書きを読むと理解出来た。

じいさんらしいな。

遺書も孫への手紙も無いがこの発明品は俺やここに残る全ての人には。

最大級の遺品だからな。


人口太陽の作動方法。

打ち上げ装置はあるもののそれを打ち上げるのには。

この地上の建造物や自然物(山の頂上)では高度が足りない。


足りているのは崩落して瓦礫の山となった今でも地上一の高さを誇る

起動エレベーターの頂上だった。

これが地球に残された人類最後の希望。

瓦礫で出来た途方もない急な坂道。


坂というよりロッククライミングに近いな。

そう思いつつも俺はその坂道を登った。

準備などロクにしていない。

いつ大崩落が起こってもおかしくなかったし、成功する見込みも眉唾ものだったからだ。

だが駄目もとだ。

やらなくてもこの地球を脱出する術を持たない俺たちはいずれ死ぬ。

勝手に満足して死んでいった爺さんだが。

尊敬している。

あの世で言い訳なんて出来るはずもない。


そう言い聞かせ少しずつ少しずつ登って行った。

そして、とうとう頂上にたどり着いた。


俺はすぐさま装置を置き、人口太陽を打ち上げた。

すると足元から崩落が起こった。

ついに崩れたか、でも確かに打ち上げには成功した。

その証拠に天然の太陽が燃え尽きかかってから久しく感じたことのない。

ぽかぽかした暖かかさを今感じているからだ。


結果は見れなかったけど打ち上げには成功した。

後で話を聞かせろよな、じいさん。





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