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たったひとつのシンプルな攻略法  作者: 千代田ちとせ
第三章 妹(陽)編
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第21話 議論の回想

 ボスが来るまでの間、俺たちは議論を続けた。

 一旦は『火炎魔法Ⅲ』の対策で話がまとまったものの、それを提唱したつばさ自身が、更なる議論の必要性を訴えたのだった。


「そんなに簡単ではないはず。30分も時間を与えられているというのが その証拠。時間の限り考えた方が良い」

 反対の声は出なかった。


 俺もスマホを弄りながら必死に頭を使った。

 まず現状の確認。


 俺のスキルは『詠唱省略』と『爆裂魔法Ⅰ』。


詠唱省略  7P(0秒で攻撃魔法を撃てるよ!無詠唱だね!)

爆裂魔法Ⅰ 3P(人間の手足を吹っ飛ばす程度の爆発が起きるよ!)


 つばさは『無限魔力』


無限魔力  9P(MPが減った瞬間に全回復!無尽蔵だよ!)


 舞は『多重詠唱』と『魔力吸収』と『魔力供給』。


多重詠唱  5P(複数同時に魔法が使えるよ!無制限にね!)

魔力供給  2P(自分が空になるまでPTメンバーに秒間100のMPを譲るよ!余りは消滅!詠唱30秒!)

魔力吸収  2P(相手が空になるまでPTメンバーに秒間100のMPを貰うよ!余りは消滅!詠唱30秒!)


 これにより、つばさの『無限魔力』を舞が吸収し、かつ供給できるため、俺はMPを気にせず無詠唱で『爆裂魔法Ⅰ』を撃ちまくれる。


 この機関銃のような圧倒的火力を前にしたら、いかにボスと言えど、何もできず消滅するしかないように思えるが……。

 どうやって俺に脅威を与えると言うんだろう?


 モンスター情報も確認しておこうか。


モンスターランク1(1匹目~999匹目)

・身体能力は人間と同じくらいだよ!

・PT機能は使えないよ!

・全員 素手だよ!

・正面突撃で人間を倒すことしか考えてないよ!

・モンスター同士で連携を取ったりはしないよ!

・苦痛は感じないよ!

・言葉は通じないよ!

・倒されると消滅するよ!

・モンスター同士で連携を取ったりはしないよ!


モンスターランク2(1000匹目~9999匹目)

・レベル1との主な相違点のみ言及するよ!

・剣とか槍とか弓とか武器を持っているよ!

・弓持ちは各自一回だけ遠距離から撃ってくるよ!

・撃った後は他のモンスターと同じく正面突撃するよ!

・人間と同じスキルを取得しているよ!

・スキル選択はモンスター次第だよ!

・スキルポイントは9Pしかないよ!

・スキルの射程範囲をモンスターは正確に把握しているよ!

・アクティブスキルはMPに関係なく一回しか使えないよ!

・使った後は他のモンスターと同じく正面突撃するよ!


モンスターランク3(10000匹目)

・ボスだよ!

・ランク2との主な相違点のみ言及するよ!

・スキル『身体強化Ⅲ』を標準装備しているよ!

・それとは別に10ポイント分のスキルを取得しているよ!

・知能は人間並みだよ!


 ボスが強いのは間違いないだろう。

 しかし、『身体強化Ⅲ』に加えて10ポイント分のスキルがあっても、1匹だけというのがな。

 ランク2の大軍と比べたら しょぼい気がする。


 みんなしてスマホを弄っていると舞が声を上げた。

「あたしたちは大事なことを忘れているわ。弓矢対策にはレベルアップ特典が必須だったでしょ。そしてそれは、1000匹目の出現と900匹でレベルアップという、ちょうどタイミング良く対策を打てるよう調整されていた。これって、今もまさに同じじゃない?」


 そうですね、と委員長。

「このPTは9000匹を倒した時に再びレベルアップして、今も特典を使える状況になっています。そしてボスの来襲……」


 舞が頷く。

「レベルアップ特典抜きでは勝てないよう仕組まれていると見るべきよ。同時に、今のままのスキル編成では勝てないとも言えるわ。無限連射はボスに通用しない。そういうスキル振りをボスはしているってわけ」


 委員長は言った。

「ボスにはまず、標準スキルとして『身体強化Ⅲ』があるんですよね。それにプラスしてスキルポイント10。『身体強化』と組み合わせると無限連射への対抗策になるスキル振りがある、と仮定してみてはどうでしょう?」


「それなら簡単よ。『肉体修復』と『魔法耐性』と『魔法防御』。この3つの耐久系スキルを取得すれば、ある程度は『爆裂魔法Ⅰ』に耐えられるようになるわ。その上で『身体強化Ⅲ』による高速移動で突進したら、翔太に届くかもしれない」


「では、これに対する私たちの対抗策ですが」

 委員長は やや間を空けてから続けた。

「『身体強化』のスキルレベルに差があっても圧倒的な違いは出ません。『身体強化Ⅱ』と『危険感知』を持つ私なら、勝てないまでも一時的にはボスの足を止められるはずです。その間に翔太くんが援護すれば良いのではないでしょうか」


 舞は首を横に振った。

「それだとレベルアップ特典抜きで倒せてしまうわね。ボスのスキル振りは また別ってことなのかも」

「確かにそうですね。もっとボスの視点で考えてみるべき、ということですか。今の私たちを倒す方法があるはずなんですよね」

「委員長による足止めと、翔太による援護射撃。このコンビネーションをどう破るか。焦点はそこよ」


 さらに舞は言う。

「手掛かりは まだあるわ。ランク2のモンスターはスキルポイントが9なのに、なぜ、ボスのスキルポイントだけが9ではなく10なのか。すべてに意味があるのだから、これにも意味がある。わざわざモンスター情報に明記してあるということは、9ポイントでは不可能だけど10ポイントなら可能なことをやってくるということよ。ボスのスキル振りにポイントの余りは無い。そう断言しても良いと思う」


 必ず10ポイントを使うという前提なら、ある程度の絞り込みも可能になってくるな。

 今までの材料を元に俺たちは考え込んだ。

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