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たったひとつのシンプルな攻略法  作者: 千代田ちとせ
第三章 妹(陽)編
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第20話 ボス来襲

 俺たちは正門を捨て、校舎入り口付近でボスを迎え撃つことにした。

 今や裏門の封鎖は完全に解除されており、そこから突撃される可能性があるためだ。

 その時になって慌てずに済むよう、正門と裏門のどちらからボスが来ても対処できる位置を選んだのである。


 時間になると岩陰から人影が現れた。

 裏門の向こう側。数百メートル先。

 そいつは ゆっくりとこっちに向かってきた。


 やれやれ、と俺は思った。

 正門を捨てたのは正解だったらしい。

 まあ、仮にこれが全くの想定外だとしても、俺と他3人の場所を入れ替えれば良いだけなんだけど。

 事前に対策を施せるのなら それに越したことはないだろう。


――――


「えっ?」


 顔を識別できるくらいの距離になると女子3人が驚きの声を上げた。

 そして俺を見て、その後ボスに向き直る。

 3人とも同じ動きだった。


 委員長はボスを見たまま言った。

「翔太くんそっくり」

「俺?」


 舞は呟くように言う。

「190センチ越えのマッチョマンになった翔太が歩いてくる……」

「は?」


 つばさも続く。

「私には小学生の頃の翔太くんに見える。半袖半ズボンの」

「…………」


 なに言ってんだ、こいつら。

 頭をやられてしまったのか?

 俺はボスの姿を確認した。

 どこをどう見ても、ブルマ姿の金髪ツインテール幼女じゃないか。


 完璧に整った顔立ちだ。

 生意気そうなツリ目が特に素晴らしい。

 あれこそ絶世の美少女と呼ぶに相応しいと思う。


 ブルマ幼女の進行速度は遅かった。

 ってか普通に歩いてる。

 あんなのと本当に戦わなければならないのだろうか。


 戸惑っているとスマホが振動した。

 全員にメールが届いているようだ。


『ボスの姿は、プレイヤーそれぞれが抱く理想の異性に見えるよ!』


 女子3人は俺をチラッと見た後、気まずそうに目を逸らした。

 つばさですら、何とも言えない微妙な表情になっている。


 俺は追求しなかった。

 委員長はともかく、つばさと舞の理想像には言いたいことがあったけど、そこはグッと我慢する。


 突っ込んだりしたら、舞あたりに「なら あんたにはどう見えてんのよ!」と言われてしまうからな。

 そうなったらもう、何と返せば良いのか分からない。

 金髪ブルマ幼女に見えてます なんて言えないし……。

 やはりここは黙っているのが正解だな。

 こっちが何も言わなければ女子3人だって何も言ってこないだろう。


 ブルマ幼女は裏門近くまで来ると、いきなり走り出した。

 手には日本刀を持っている。


 俺の半径30メートルには、さっきの相談の合間に、白い石灰の粉でラインを引いてある。

 この白い円の中にボスが入ったら『爆裂魔法Ⅰ』が届く、というわけだ。


 ブルマ幼女は『身体強化Ⅲ』のためメチャクチャ速い。超高速で裏門を抜ける。

 「翔太くん!」

 叫ぶような委員長の声。

 『危険感知』を持つ彼女が伝えたいことは つまり……。

 ブルマ幼女が白いラインを越えた。

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