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第13話 モンスターランク2

 俺はモンスターを倒しまくった。


 立ち止まった状態じゃないと無詠唱でも魔法は使えないようだが、モンスターの方から向かってきてくれるため、俺が移動する必要はなく、無限連射には何の支障もなかった。


 バットマンたちは邪魔なので、引き続き後方で待機してもらう。

 間違えて当ててしまったら死んじゃうからな。

 彼らに遠慮しながら撃っていたら、『火炎魔法Ⅲ』がそうだったように、俺の殲滅力もガタ落ちしてしまう。


 まあ、バットマンたちにも、いざという時のための警戒はしてもらっているが。

 もし正門を突破されたら、また彼らの出番が来るだろう。


――――


 いつの間にか、剣を持ったモンスターが混じっていた。

 武器を持っているということは、ランク2のモンスターということ。そして、ランク2のモンスターは1000匹目から。

 どうやら、もうそんな数を倒したらしい。


 そういえば、戦いに夢中で確認しそびれたが、ついさっきスマホが震えた気がしたんだよな。

 もしかしてそれって……。


「翔太くん」

 後ろに控えていた つばさが俺に近寄り、自分のスマホ画面を見せてくれた。

 俺は正門のモンスターを吹き飛ばしながらチラ見した。


『レベルアップしたよ! 特典を選んでね!』


 やはり、スマホが震えたように感じたのは気のせいじゃなかったようだ。

 俺のスマホにも同じ表示がされているのだろう。


「特典って何だっけ?」

「これ」

 つばさはスマホを俺に向けたまま器用にページを変えた。

 『レベルアップについて』という項目が選択され、前に見た情報が出てくる。


・レベルは個人単位ではなくPT単位で設定されているよ!

・モンスターを900匹 倒すとレベル2になるよ!

・モンスターを9000匹 倒すとレベル3になるよ!

・レベルアップすると、3つの中から特典を選べるよ!

・一、PTメンバーをひとり増やせるよ!

・二、スキルポイントをひとりだけ1増やせるよ!

・三、スキルをひとりだけ再選択できるよ!

・レベルアップ特典は いつでも選べるよ! 後からでもいいよ!


「どうすんだ?」

「…………」

 俺が聞くと つばさは無言で頭をふるふると横に振った。

 まだ決めてないということか。

 いつでも選べるって書いてあるんだし、急いで決めることもないよな。


「分かった。とりあえずここは任せろ」

「うん」

 つばさは素直に従い後ろに下がった。

 これが舞だったら面倒なことを言い出していたかもしれない。『なによ偉そうに!』とかなんとか。

 まあ、あいつも最終的には従うんだけどな。俺にベタ惚れだから。


 それよりモンスターだ。武器持ちに対処しなければならない。

 奴らもスキルを使えるようになってるわけだし、これから先、思わぬピンチを迎える可能性はあるだろう。

 つっても俺が今やることに変わりはないけど。『爆裂魔法Ⅰ』を撃ちまくるだけだ。


 でも確か、モンスターが使う場合に注意すべきスキルがいくつかあったな。

 無限連射のスキル編成に辿り着く前の話だが。

 耐久系スキルだっけ。


魔法耐性  3P(敵の魔法が直撃してもダメージは70%カットされるよ!)

肉体修復  3P(手足が千切れ飛んでも大丈夫!1秒で生えてくるよ!)

魔法防御  3P(火炎魔法Ⅰと爆裂魔法Ⅰを1秒間だけ完全無効化するバリアを出せるよ!詠唱0秒!)


 これらが脅威なのは、攻撃魔法の連発数が限られている時だけで、今はあまり気にすることもない。

 実際に試すことによってそれが次々に証明されていった。


 まず、『魔法耐性』を持つモンスターだが、これに関しては、たとえ『爆裂魔法Ⅰ』の威力が3割に低下しようと、5発以上を ぶち込んでやれば消滅まで追い込める。

 無限連射が可能な俺からすれば5発なんて大した数じゃない。


 『肉体修復』持ちに対しては、手足が復元する1秒の間にこちらが『爆裂魔法Ⅰ』を連発すれば倒せる。

 普通に撃ちまくっていれば そうなるから何の問題もない。


 『魔法防御』持ちについては、防がれても1秒後に連発するだけで倒せる。

 その1秒の間に他のモンスターを撃つこともできるわけで、大局には一切 影響ない。


 舞が言っていた通り、耐久系スキルなんて撃ちまくれば何とでもなりそうだ。


 あと気になるのは『危険感知』だが……。


危険感知  5P(不意打ち対策は万全!PT全員の危険を数秒前に察知できるよ!)


 攻撃を読まれていても無詠唱の速射なら大半が当たるし、たまに初撃を躱されることがあっても、そのまま撃ちまくれば敵は避けられなくなり、何発目かで結局は当たる。


 『身体強化』持ちのモンスターも、『危険感知』持ちと同じような状態だ。

 耐久力も上がっているようで、胴体に直撃させても死なないことは多いが、連発すれば結果は変わらない。


 戦っているうちに『身体強化』スキルの詳細も掴めてきた。

 動きの良いモンスターは3段階の速さに分類できるが、これは、『身体強化』のレベル差が反映されているからだろう。


 『身体強化Ⅰ』でも、有るのと無いのとでは全然動きが違う。

 けど、たとえばの話、『身体強化』持ち同士がもし互いに肉弾戦を始めても、『レベルⅠ対レベルⅡ』とか『レベルⅡ対レベルⅢ』なら、瞬殺にはならないように思える。そこまでの違いは見られない。

 低レベルの方が防戦一方になり数十秒で負ける、くらいの差はあるが、『身体強化』に加えて『危険感知』を取得したら、上位レベルに勝てないまでも、結構 粘ることはできそうだ。

 無限連射の前ではどちらも大差ないけど。


 まあ、なんにしろ、ランク2のモンスターが俺の敵じゃないことは明らかだろう。

 こうなると、耐久系スキルは見せ掛けだけで、実際は連射で倒せるように設定されていることが、改めてよく分かる。


 耐久系スキルの効果が少し違っていたら『爆裂魔法Ⅰ』は無力化されていたはずだ。

 もし、『魔法耐性』が70%ではなく もっとカットできたら。もし、『肉体修復』の発動時間が1秒ではなく もっと短かったら。

 それだけでモンスターは俺に届き得る。


 しかしそうはなっていない。

 なぜなら、無限連射こそが唯一用意された攻略法だから。


 ……だが実のところ、克服すべき課題はまだ残っていた。

 問題に直面してから俺たちは初めて その事実に気付くのである。

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