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タバコは放射能よりまし!って 彼は言った

タバコ問題が、首相を巻き込み大問題になっていた時・・・

この四国○○県山本村の海岸にある、船越英一郎が似合いそうな崖。

そこにそびえたつ黒い巨大な建物からは、目に見えないものが流れ続けていた。


それは、放射能だった。


そもそも原発が安全だとは、いまどきだれも思わない。

東北大地震で、地震と原発の関係は指摘されるが、そんなものではない。


1999年9月東海村JCO核燃料加工施設臨界事故、これは臨界事故。

1978年11月 東京電力福島第一原子力発電所3号機事故、これも臨界事故。

1999年6月 北陸電力志賀原子力発電所1号機事故、これも臨界事故。


臨界とは、高濃度の放射性物質が集まり核反応が連鎖的に続くことで、臨界が起こると

を中性子が放射され、数キロに生物の細胞を損傷する。


こんなことが頻繁に起きている。


1974年9月原子力船「むつ」の放射線漏れ、さらに1995年12月もんじゅナトリウム漏洩

まあ列挙にいとまがないほどだ、


原子力発電所は、大抵、美しい自然の中にある。

人口の多い都市部には作れないのと、発電所の近くに住む人も少ない。

この四国○○県山本村原発もコバルト色の海の岬に不気味にそびえたっていた。


そして、人知れず、放射能をまきチラシていた。


タバコクーデターが、起こっているころ、それが露呈した。


反原発運動の一つのグループがガイガーカウンター、中でもと放射性物質の種類の特定ができるスペクトロメータで測定しところ、

5キロ離れたところで0.03ミリシーベルトという高い数値をたたき出した。環境省の基準では、年間1ミリ・シーベルトを公衆被曝の上限としている。

一日0.03なら年間でそれを超えていく。

そして、原発の50㎞の範囲で30万人が暮らしている。


そんな漁村から上京し、コンピュータ関係の企業に就職したのが、井原であった。


☆☆☆☆☆☆☆


井原聡は、サラリーマンをやって18年、40の声を聞いてはじめて健康ドッグなるものに

入った。会社もさすがに功労賞的な意味合いもあったのだろう。

ただ、そこから地獄が始まるとは、思ってもいなかったのだ。


高橋という名前の医者がてで来た。

見た目、35歳という感じのヒョロッとした青年だ。

こいつが生意気千万なやつだったのだ。


さて、ここから俺の戦いは始まる。

まず更衣室に通され、そこでパンツ以外は全部脱ぐ

まあ敵前で裸になるのは心理的に劣勢である。

んが、これも相手の周到な作戦ともいえるわけだ。


ここからは、いうことを聞くしかないのだ。


そして、身長・体重・腹囲を測り、採血・尿検査・便検査・胸部X線に肺活量測定

まずいバリウムを飲まされ、胃X線・腹部超音波、そして視力・眼底・聴力

最後に問診・・・・医者の流れ作業を移動しているだけ。


なんか屈辱的なものを感じながら、数時間でやっと帰ることができた。


問題は、それから1週間、結果が出てからだ。


精密検査は、うちの会社は個人負担だ。

財布との戦い位になる。


胸部に影がある・・・・これでCT撮影・・・・2万円

心臓の波長に問題・・・今度はMRIで3万円


そして、その結果・・・・肺がんが発覚した。

タバコも吸わないのになぜ?????

井原は、人生に絶望した。


そんな時だ。

あの放射能漏れのニュースだ。

山本村原発のそばで育った井原は、怒りが沸き起こっていた。


そして、そのストレスから、40になって初めてタバコを吸い始め、

いまでは、1日60本もすうヘビースモーカーに化していた。


彼は言う


「タバコ吸わなくったって、肺がんにはなるんですよ。」


彼はマルボロをくゆらせながら俺に言った。


「放射能に比べれば、タバコなんて全然ましですよ。

 だから、この禁煙ブームが憎くって憎くって…」


確かにそうだ。

タバコ問題は、この首相まで巻き込んで大騒ぎだが

原発問題は隠れてしまっている

こういうのが他にもいっぱいありそうだな・・・・と思っていると

井原は言った。


「クーデターは、その勇気に賞賛します、でも効果的ではない。

 僕はね山田村原発を乗っ取ろうかと思ってるんですよ」


おいおい、そんなやばい話してくるなよ・・・


そんな時だった。

俺は、ボーイが近づいてきて、店長が呼んでいるからVIPルームに来てくれと言われた。

狐に包まれたまま、向かうとJAILHOUSEと書かれた部屋があり、入ると

その名の通り、監獄のように鉄格子で囲まれ天井も床もジュラルミン製で作られた中に

連れていかれた。


「はじめまして…今成和夫です」


こいつが、禁煙時代のアル・カポネだなんて、俺はその時知らなかったのだ。


・・・・続く



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