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ベイビー逃げるんだ タバコにまぎれて!!

健康は戦いだ。

クーデターは、突入で幕を閉じた。この戦いは、負けたのだ。


田中は、ひたすら下界に自動小銃を打ち続け、ただし人に当たらない所を打ち続けた。


催涙弾を投げ込まれた時には、もう終わったと思っていた。

次に、隣にだれがドタッと倒れ、増田だとわかり額に赤い斑点が見えたので観念した。


「ああ、これは射殺されるな」

と思っていたら、誰かに強く引っ張られ、天守閣の壁の裏にある秘密の通路に連れていかれた。

まんまと、煙にまぎれて逃げられたのだ。


「どなたですか・・・もしかして今成さんの・・」


「静かにしろ、そういうことだ」


そして、8時間後、彼は射殺を逃れ、シガレットバーのvipルームで今成とご対面。


「ごくろうさん。いよいよタバコウォーズの開幕だな」


「ほんまあんた凄いわ、戦車出したのはインパクトありましたで~」


部屋にはもう一人の男がいた。

日本を代表する関西芸人だった。


「友成さん、次は師匠、あなたの出番ですよ。」


「まかしとき、情報操作はわての十八番でんがな」


タバコをふかしながら、ガラガラ声で彼は答えた。


その男芸人は、日本のメディアを支配していた。

週4つの冠番組を持ち、毎日、彼はしゃべり続けいた。

そして、平均15%の視聴率をたたきだし続け30年、その売れっ子ぶりは、まさにテレビの寵児である。


「俺に文句があるやつは、いつでもかかってこい。 俺が潰してやる」


テレビの世界で彼はそれだけの力を持っていた。笑いのお化けとまで言われるほど。


実際、彼の番組で火がついたアイドルは、彼の恩を忘れた発言をした途端

あらゆるバラエティから干されて凋落していったし

彼のライバルという司会者の番組に、自分の枠を移動し、コテンパンに視聴率を奪い

番組終了に持ち込んだり、乱暴に潰していった。


ただ、そんな彼が、裏で毎日、睡眠導入剤と抗うつ剤を飲み続けている事は

誰も知らなかったのだ。


そう彼は、重度の鬱病の売れっ子タレントだったのだ。


彼は、寝る間も惜しみしゃべり続ける男といわれていた。

他人が一人でもいると、彼はしゃべり続ける。

だが、彼は、一人になった時、完全な孤独に陥るのだ。

そして、不安だけが膨張し、彼の心理は、崩れていく。そして、鬱になる。


「俺は孤独だ。何のために働き、何を目的に生きていくのだろう」


そんな哲学的な考えが、蛆のように湧きおこり、心を蝕む。


「俺を愛してくれる人はいないのだ」


離婚してから、どの女にも心を開かず、ただ、しゃべり続けた。それは孤独の反動行為なのだ。


鬱のための薬はいろいろ試した。


だが、口は渇き、鼻づまり、動悸、目のかすみ、眠気に全身の倦怠感、およそ薬の副作用といわれる症状はすへて経験した。

2~3週間続ければ効果が出ると、医者は言ったが、よくはならなかった。


その時、5年辞めていたタバコを試してみた。

心がすっきりし、一日3箱吸うと、鬱の症状は消えた。


それ以来、ヘビースモーカーを10年続けている。


彼にとって、タバコはなくてはならないものだ。

だから、番組でタバコを吸うこともしばしばあった。


この禁煙ブームを危険と感じていたからだ。


だが、禁煙の嵐は、ここまで来た。

そろそろ反撃しないとやばい。


次の生放送で、彼は、またタバコを吸うつもりでいた。

そこで、タバコ論議をする。


ヘビースモーカーの女装首相がいる間に、ある程度世の中に喫煙を認めさせないと

俺は、また鬱に戻る。


このシガレットバーで、今成和夫と出会って、世論を作ってくれと言われた時には、

おもいっきり賛同してしまった。


もう100億の資産もある芸人お化けは、いよいよ政治に口を出すのだ。


だが、この芸人も、クーデターの英雄も、今成に騙されているとは、少しも気づいていなかった。


今成は、彼らを使って、禁煙法を確立する事こそが目的なのだ。

だから、彼は禁煙反対派を集め、支援する。

議論が起こるほど、喫煙は悪いことになるはずだと呼んでいた。


このシガレットバーに集まる奴らは、重度のニコチン依存症・・・利用しない手はない。

なんせ、禁煙法が施行されれば、密造タバコの上玉の客になる。

それだけではない・・いわゆるドラッグも、これからは売れるはずだ。


ミュージシャンが麻薬で捕まると世の中も国もなんで気づいかないんだろう。

健康増進法は、平成14年8月に制定されたのだが、大麻取締法違反の検挙人員は,

平成13年以降顕著な増加傾向をしていて、平成12年から20年の間に2.3倍になった。


これに関係がないなんてありえない。

一度吸うことに依存した奴は、何らかのものが吸いたくなるんだよ。


後は、あのヘビースモーカーの女装首相の失脚こそ、彼の願い、理想の未来のスタートなのだ。


・・・・・・・続く

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