牢屋
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ゴス。
「へぶっ」
地面に頭がぶつかり、土下座のような体勢になった。
「いってぇ・・・エンティスのやろう、いきなり何をしてくれやがんだ。」
エンティスに対して悪態を付きながら頭を持ち上げると、
ぐぉぉぉぉ!!!
「・・・へっ??」
目の前で火の柱が上がる。
「うわ!なんだなんだ!」
周りを見渡すと、古代のコロッセオのような円形闘技場の中心に落ちたようだ。
よく見ると目の前には押さえつけられた巨大な赤い狼らしき獣がいる。それと対峙していた剣をもった2人組の片方が話しかけてきた。
「なんだおめぇ!どうやって現れた!?」
「えっ・・いや・・」
返答に困っていると遠くの方から、
「ひっとらえろ!」
声がした方を向くと、兵士達がぞろぞろと走ってくる。
うわっ・・・やばいな。逃げられないよな。
「貴様、何者だ!」
周りを取り囲んでいる兵士の中の一人が詰め寄ってきた。
「えーっと・・・」
頭をかきながら答えられずに愛想笑いをする。
「つれていけ。」
兵士たちに腕を押さえつけられ、引っ張られていく。
「ちょ!はなせよ!」
「だまれ!」
ボクッ!
首に一撃手刀が決まる。
「ん・・・」
目を開けると、身体に痛みが走った。
「いっつつ・・・どこだここ?」
辺りを見回すと、石造りの壁と地面があり目の前には鉄でできた何本もの棒が行く手を阻んでいた。どうやら牢屋のようだ。壁には松明が揺らめいている。
「なんなんだよ、いきなり。エンティスのやつがこんなとこに落とすから。」
怒りまじりにつぶやいた。
「エンティス?誰だそれ?」
「うわっ!人いたのか。」
「驚かせてすまない。俺はバジルという。君は?」
「俺は勇気だ。」
「ふむ。勇気、君はなぜ、あの場に現れたのだ?」
あの場・・・・。よく見ると、つばぜり合いをしている時に話しかけてきた男だった。
「そうだ!俺はなぜあんなとこにいたんだ?あんた達は何をしていたんだ?」
「あれは・・・貴族達の余興だよ。」
「貴族?余興?」
「あぁ。貴族達は、俺たち奴隷たちに獣と戦わせて賭けをしているんだ。」
「なるほど・・・じゃぁバジルもあの赤い狼を殺したのか?」
「あぁ。フレイムウルフの事か。いや、君が現れたから、あの試合は無効になったよ。ありがたい。勇気、感謝する。」
ニコッ笑うと手を差し伸べてきた。
「俺は元々戦うのは好きではないんだ。昔は僧侶をしていたのだが・・・一つの誤解でこんなことにね・・・」
「あぁ。気にするなよ・・・と言っても俺まで牢屋に入れられちまったけどな・・・バジルも何やら誤解で入ったようだな。ここからは出れないのか?」
「あの余興で勝てば出られるという話だ。」
「なるほどね・・・」
足音が聞こえてきた。
「メシだ、お前ら。」
兵士の一人がご飯を運んできた。
ご飯と言っても堅そうなパンが一切れと、スープ、サラダらしきものが少々といった感じだった。
日本で育ってきた勇気にとっては軽く衝撃的だったようだ。
「マジか・・・」
「まぁいちよう奴隷と囚人だからな俺ら。」
自嘲気味に笑ったバジル。何も食べなければそれこそ倒れてしまう。あきらめて夕食を食べるしかない。
「モグモグ・・・まぁとりあえず、次の試合は2日後にあるらしい。同じ牢屋になったという事は、俺たちは一緒に敵を倒す可能性が高いな。」
「そうか。まぁ今考えたってしょうがないよな。」
「そうだな。取りあえず、夕食を食べたら今日は休むか。」
布団も毛布も何もないので、仕方なくそのまま横になる。
はぁ。ここを生きて出れるのだろうか。
エンティスは能力を上げると言っていたが、上がっているのだろうか。
結局ブレイブストーンとやらもなにももらってないし、説明もない。
まぁ考えてもしかたないな・・・
寝よう。
なにかコメント頂けると嬉しいです^^