異世界? 何それぇ。超うけぴー。
めっちゃテンションあがった。
なんでって、そりゃアタシの大好きなサッカー部キャプテン、カズくんに放課後屋上来てって言われたんだからあがるに決まってっしょ!
心臓もばっくばくだし、変な汗出てるし、なんか無意味に手震えてるし。
とりま、呼吸呼吸。
「よっしゃ」
ガッコの屋上の扉まで辿り着いて息整えてたアタシはドアノブに手掛けて一言。
この向こうにカズくんが待ってるんしょ? マジパネェ。
期待と興奮で頭わけわからんくなっとる。
落ち着け、アタシ。平常心、平常心。カズくんに変なとこ見せらんない。
期待を胸に、アタシは屋上の扉を開けた――
■
「そなたにとある国を救って頂きたいのじゃ」
誰だコイツ。
アタシの目の前に初老の爺さんがいた。カーネルみてぇ。
なんかお遊戯会か仮装でしか使わないような服着てんし。頭も超キテる。
てかアタシ、なんか真っ白な空間にいんし。
「話せば長くなるが、ここは天界とでも言ったらいいかのう。現実の世界と死後の世界を繋ぐ場所じゃ。おぬしは死んだわけではないが、特例によりここに呼ばせて貰っておる」
「……はぁ?」
なにここ、学校の屋上じゃねーの?
アタシはマジラブのカズくんに屋上来てって言われたからぁ、来たんだけどぉ……
「そなたにはこの世界で強者となれる適正があるのじゃ。そしてこの地にすくう一人の人間を滅して欲しい」
「いや、アタシ忙しいんで。別の人に頼んでくれる?」
「それは無理じゃ。何故ならこの世界で奴を倒せるのはお前さんだけ。他に代わりはおらんのじゃ」
「意味解んね」
さっきからなにいってんだこのジジイ。あっしキレ寸なんだけど。
「とにかく、そなたにはこの世界に出向いてもらうしかない。面倒ごとではあろうが、それなりの力は振るえるはずじゃ。それでは、頼んだぞ」
「え。ちょ」
ジジイが両手を上にあげる。
と同時にアタシの体が足元から消えていく。……消えていく!?
「いや、アタシ、やらんし。帰るし!」
「達者でな。健闘を祈っておるぞ」
何一つ納得してないアタシ。ジジイはガン無視だった。
MK5。だけどアタシはなんか体が動かなくってただジジイを睨み付けることしかできず。 ジジイと白い空間の光景は徐々に揺らいで消えていった。
■
「救世主が降臨なさったぞー!」
『うおおおおおおおお!!』
アタシが次に目を開けると、城っぽい? 建物の中にいた。
なんかすんごい人だかりが出来てて、みんな超喜んでアタシを見つめている。
え、アタシどうなんの?
好評ならば連載します(`・ω・´)
掲載日:4月1日