月の面影
これは“ヒマワリ”と対になっている独白的詩です
今後彼らの話を書くつもりなのでプロローグ(エンィング的ですが)と思って読んで頂けたら嬉しいです。
隣で眠る大好きな 一番大切なヒト
そっと思い返す貴方との思い出と貴方への想い
月の面影
出会ったばかりの頃は本当にケンカばかりで
なのにいつの間にか好きになってた
恋人同士になったら急に貴方は優しくなって
それが妙におかしくて くすぐったくて
嬉しかった
とても大切にしてくれたね
守られてばかりは嫌だとよく怒ったけど
でもホントはちょっとだけ嬉しかったんだ
これは最期まで秘密だけどね?
小さな小瓶の中には透明な液体
ゆらゆらゆらして窓の向こうのつきにかざしてみる
ポンッと小さな音を立てて蓋を開けて飲み干した
そうして傍らの愛しいヒトに視線を移しそっと唇に指先で触れる
“ごめんね”
唇に触れていた指を離してそっと唇を重ねた
最期のキス
大好きだったよ
ありがとう
微笑んで 眠る貴方の手に自分のを重ねて
眠ろう…
ホントはもっとずっと一緒にいたかった
生まれ変わりってホントにあるのかな?あったらいいな
そしたら また 見つけてね?
バイバイ
深く沈んでいく意識の途中
また… 涙が零れた
貴方には凄く悪いとは思うけど、最期まで側にいたいんだ
これが最期のわがままだから許してね?
やっぱ怒るかな?それとも呆れる?
でもね、みんなの為だし
貴方だったら自分のことを考えろとか、俺をひとりにする気か
とか言いそう
…自惚れてるかな?
大好きだったよ
あ…
もう過去形になってる
クスリと笑って
そしたら涙が一粒零れた
…貴方も泣くかな?
そういえば貴方が泣いたところって見た事ないな
最期にもう一度笑顔が見たかったな
時々見せる微笑みが凄く好きだった
月みたい
いつだったかそう思った
ちょっと心残り
―――思い出す、キミの笑顔
思い出すのはただ
笑顔ばかり
あの恋は最初で最後の恋だった―――




