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第一話 【出会い】

諸注意・・・。


作者は小説の経験がすごく浅いです。

未熟者ですので、ストーリーの出来や文章力など至らない点は多々あると思います。


更新も遅いと思いますがどうか長い目で見守っていただけたらと思います。


誹謗中傷はどうか御遠慮ください。


感想はとても大きな力になります!


こんな未熟な話でも感想をくださるのなら泣いて喜ぶ勢いです。


読んでくださる方に楽しんで頂けるお話を執筆できるよう頑張りたいと思います。


どうかよろしくお願いいたします。





この世界は、多くの職人が工房を連ねる世界。

数百といった職人が世界中に生き

芸術、食品、機械や、医薬の職人など数知れず。職人の作るあらゆる物が

この世界の人々の生活を支えているといっても過言ではないだろう。


そしてこの職人は、2つに分けることが出来る。

魔法士である職人と、そうでない職人。


かつてこの世界には魔法が存在していた。

しかし強大な魔力に魅了された人間により、魔力を利用しようと

人間が魔法士を欺こうとしたことで戦争が起こり

多くの犠牲者が出たことで、世界は魔法士の大半を失ってしまった。


終戦した後、魔法士である職人は、希少価値のある存在となりその中には


魔法士であることを隠し、魔法の使えない職人として、己を偽り生きているもの。


国の王の下に就くことで地位と名誉を手に入れた魔法士職人など。


様々な方法で今も生き続けている。



この話は、そんな世界で生きている


少し変わった職で、小さな工房をもつ物静かな1人の青年と

そのパートナーとなった、落ちこぼれな少女の物語。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



ここはとある世界最大規模の学園。

世界の職人の片腕を育てる学園。


数百の講師が様々な分野の職のアシスタントを育て上げるのがこの

職人アシスタント育成学園。

人間が魔法士の魔力を真似て生み出した【レプリカ魔法】を学び

魔法士職人という希少な職人の片腕になろうと学ぶ生徒もいれば


魔法の使えない職人を支えていけるように、己の目指す職人の業を学ぶ生徒もいる。


3年に一度、世界中の職人から学園に職人の片腕の求人募集が来る。

名のある職人に片腕志望が集中した場合は、学園にてオーディションが開催される。


しかし、学園の卒業試験に受かることが出来なければ、求人に応募することが出来ない。

しかし卒業試験はどの学年でも受ける権利があり

才能のあるものはたった1年で卒業試験に合格出来る優秀な者もいる。


求人募集が全て埋まるまでに卒業試験に受かれなければ再び求人のくる3年間、生徒は待たなければいけなくなるのだ。



この話のヒロインとなる少女は、この学園で5度の卒業再試験を受けてようやく卒業できた劣等生。


名前は【シーナ】。16歳。



今日はようやく手に入れた卒業試験合格証明書を手に入れて


急いで進路室にシーナは向かっていた。




「テイラー先生!やりました、ようやく受かりました!合格できました」


乱暴に進路室のドアを開け、息を切らせてシーナは進路室へ飛び込んだ。


進路室には1つの大きなデスクがあり、テイラーという進路指導の先生が求人書類の管理を行っている。


「待ってたよ、お前にいい知らせがある」


そう言うとテイラーはある1枚の書類を取り出した。


「まさか、求人まだ残ってるんですか!?」


「あぁ、この1つだけな。誰も求人に行こうとしなかったんだよ」


「そんな、なんて勿体ないことを。見せてくださいよ!」


シーナはその書類をテイラーから受け取る。


するとテイラーは大きなため息をつく。


「お前なぁ、何が勿体ないだ。この学園にくる生徒たちは皆目指す職人の片腕っていう目標があるんだよ。

 どこでもいいなんて言う奴はお前くらいなんだからな」


「先生、人聞きの悪いことおっしゃらないで下さいな。私はオールラウンダーなんですよ」


「よく言うよ卒験5度も落ちたやつが。何でもかんでも向いてない向いてないと言い続けて、ようやくアシスタントの基礎力を身につけられたんだろう?」


「先生?物をくっ付けたり、磨いたり、レプリカ魔法陣覚えたりするのだって立派な才能でしょう?」


書類の内容に目を通しながら、しっかり言葉を返すシーナに再び大きなため息をつくテイラー。


「普通はみんなそれ以上を目指して卒業していくんだよ。お前には目指したり身につけたい独特の個性がないじゃないか。

 テストだけ合格して。どんな職人のアシスタントになりたいのか全く分からん。そんな状態でよく進路志望室に来れたものだ。」



ぶつぶつとテイラーが呟いている間に、シーナはようやく書類を読み終えた。


「カームタウンの・・よろづ修理工房。修理って・・・職人なんですか?」


「この世界における職人は生み出してなんぼ。なのにこの工房はなぜか修理人なのに職人を名乗っている変な工房だ。

 誰も興味を持たなかった。しかし・・。お前のような何の個性もない者にはぴったりな工房だ。

 お前の基礎しかない力でも役に立つかもしれないぞ?どうする」



シーナは目を輝かせて首を縦に振った。


「行きます!務めます!私この工房で働きます!!」


「よし、決まりだな!」


テイラーは書類に大きなハンコを押した。


シーナの就職先の決まった瞬間だった。



そして、条件も学園卒業のみと書かれてあり、志望者もシーナ1人な為、学園からすぐに手続きが行われ、三日後には出発日も決まった。


「よろず修理工房なんて、聞いたことないわよ?」


学園寮の同室のクラスメイトにシーナは就職先が決まった事を話していた。


「私もない!でも、私が人気のある職人の片腕のオーディション受けたって永久に受かる気しないんだもん…。だから行くの!」


「不純な動機ねぇ。明日には出発なのよ?大丈夫なの?」


「大丈夫よ!きっと楽しいわ」


「心配だなぁ…何かあったら手紙書いてね。なくても書くのよ?」


シーナのクラスメイト、マカは、有名な菓子職人の片腕のオーディションに見事合格し就職先が決まっていた。


「うん!絶対手紙書くから!マカも頑張ってね…うぅっ」


「やだ泣かないでよ、我慢してたのにぃ」


どちらともなく2人とも寮で過ごす最後の夜に大号泣してしまった。


「頑張るんだよ、シーナ」


「ありがとうマカー!」


こうしてワンワン泣き喚く声が部屋中響く騒がしい夜が過ぎていった。



夜が明け、出発当日。


就職先の決まった卒業生は大きな列車に乗り、各々の就職先に向かう。


大都会や小さな田舎など就職先は様々である。



「カームタウンってどんな街だろう」


「ん~?あぁ、ものすごい田舎じゃない。行ったことないわよこんな遠くで小さな街。」


シーナとモカは列車に隣同士で乗車していた。

シーナは地図から目を離せずにいる。


「私もこんな遠くに行くの初めてだよ。でも治安いいみたいだし」


「いいじゃない、平和が一番よ。私の行く街も平和で賑やかみたいだし。まぁ、シーナの行く街よりは都会だけどね」


「そうなんだ、いいなぁ。」


そしてマカの目的地の駅に、列車が先に到着した。


「それじゃあね、シーナ。頑張ってね」


「うん、またねマカ!」


次々に生徒が列車を降りていき、ついに列車にはシーナ1人になっていた。


だんだん外の景色にも緑が増えてきて、ビルなどの建物が少なくなってきていた。


「随分田舎なんだなぁ。」


列車は鉄橋で海へ出た。

それから数十分後、小さな島の駅に到着した。



駅には「ようこそカームタウンへ」と横段幕が張られていた。


列車を降りたシーナは大きく深呼吸をして、駆け足で駅を出た。



すると、赤煉瓦の屋根の可愛らしい民家が密集して並んでいた。


世間話などで笑いあう町民達に目配せをしながら、シーナは住宅区を抜けていく。


住宅区を抜け、大通りに出ると、今度はパン屋や花屋、鍛冶屋などがズラリと並ぶ商業区に出た。


小さな街だが町民があちらこちらを行き交い、賑やかな雰囲気の街である事が分かってきてシーナは密かに心踊っていた。



その先にの広場を抜けると、また住宅区が見え、その先は緑豊かな丘があった。


「地図だと…この先なのよね。」


広場の椅子に座り、地図を確認する。


すると眺めていた地図が影で覆われた。


シーナが顔を上げると、1人の女性が立っていた。


「もしかして、あなた職人の片腕に来てくれた人?」


女性はにこりと微笑んで訊ねた。


「は…はい!シーナと申します」


シーナは慌てて地図をしまい立ち上がった。


「ようこそ、カームタウンへ。工房はあの丘のうえよ。ついてきて」


そう言って、歩いていく女性にシーナは黙ってついていった。


丘を登ること数分。


白い柵に囲まれた工房と思われる建物と、赤煉瓦の小さな家の前に着いた。


木製の看板には『よろず修理工房』と確かに書かれていた。


「待ってて、今呼んでくるから」


シーナを、柵の外に待たせ、女性は家に向かう。


「トッド、出てきて。アシスタントさんがいらっしゃったわよ!」


ドアをノックして大きな声で呼ぶと、ゆっくり扉が開き、1人の青年が出てきた。


シーナは、はっと息を呑む。


ゆったりとしたパーカーとズボンに身を包み、肩に届くか届かないほどの焦げ茶色のボサボサした髪。


少し垂れ気味の目からは穏やかそうな性格が伺える。


「こんにちはリリィさん」


「こんにちは。来てくれたわよ、アシスタントさん」


「あぁ、そっか。来てくれたんだ」


シーナは青年と目が合った。緊張から、思わず直視できず俯いてしまった。


青年はゆっくり柵の外にいるシーナに近づき、目の前まで近づいた。


「初めまして。君の名前は?」


シーナはゆっくり顔を上げる。


「シ…シーナです。16歳です」


「そう、シーナ。僕はトッド、18歳。この工房で町民の日用品や耕具の修理をしています。よろしく」


トッドから握手を求める手が差し出された。


「よろしくお願いします!」

シーナはその手を両手でしっかりと握った。



「じゃあ、私はこの辺で」


「ありがとうリリィさん」


「案内してくれて、ありがとうございました!」


先ほど案内してくれた女性、リリィがトッドへの挨拶を終えると、丘を下っていった。


「さぁ、中へどうぞ。長旅で疲れたでしょう。お茶でも飲んで話しましょうか」


トッドに導かれてシーナは部屋へと入った。


木製のテーブル、椅子に衣裳棚。

必要最低限の家具が揃えてある家だった。


トッドはお茶の準備をしながら、リビングの椅子に座ったシーナに優しく話し掛ける。



「先日、そちらの学校の学長が挨拶に来てくださいました。卒業試験に合格されて、喜びも一入だったでしょう?なのに、僕の所なんかで本当によかったの?」

お茶の用意が出来て、シーナと向かい合うようにトッドも席に着いた。



「いえ、ここがよかったんです!」



「ここが?どうして」


トッドはきょとんと首をかしげる。


「だってここしか求人が残って…あ…」


失言と思いシーナは口をつぐみ俯く。

怒られると思った。


するとトッドから笑い声が聞こえる。


「ハハハ、やっぱり。もっと職人らしい職人がいる工房に行きたかったんだよね。」


「………」


「本当はね、求人も出すつもり無かったんだよ。僕は職人って名乗れるような仕事してないから。それでも、リリィさんが修理職人と僕に名乗らせて求人を募集してくれたんだ。」


確かにテイラー先生も言っていた。

生み出してなんぼの職人なのに変だと。


リリィとは、先ほど案内してくれた女性の事だろうか。



「リリィさんって?」


「あぁ、さっき君をここまで案内してた人だよ。この工房もリリィさんが提供してくれて。僕がこの街に来た時からとてもよくしてくれてる人なんだ。」


「いい人ですよね!リリィさん!」


シーナはまるで子どものようにはしゃいだ。


この街で初めて優しく声をかけてくれ親切にしてくれた人の事だったからだ。



「うん、とってもいい人だよ。それで、シーナ。君はどうしたい?無理にとは僕は言わないし、別に行きたい工房があるなら僕も探すの協力するよ?」


「いいえ?その必要はありません。私みたいな落ちこぼれ…どこも雇ってなんかくれません。それに、私は今まさに運命を感じているんです!」


シーナは即答だった。

もう迷いはなかったのだから。

運命も感じていた。


「運命?」


「ここで会ったも何かの縁!私シーナ、全身全霊でアシスタントします!」


シーナのテンションの高さに驚きながらもトッドは優しく微笑んだ。


「そう。君がいいなら僕は大歓迎だよ。これからよろしくね」


「よろしくお願いします!」


2人の生活が始まったのであった。






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