第一章 銭湯での事件3
みるみるまに、ランプはその輝きを増してゆき、光り始めた。
眩しいほどになったかと思うと乙宮の手から離れて、
浮き上がった、ぐらぐらと何度か傾いたかと思うと、ランプの口から
煙のような物がぽぁとでてきた。するとあまりの驚きで固まった、
乙宮の手にコロンとランプが落ちてきた。
そのランプは、元の姿に戻り、そのかわり
その煙のような物は光りをおび、だんだん人のような形を作っていった。
十夜は、あまりのことに、ぽか~と口をあけてあほずらでその様子を見ていた。
煙は最終的には、女の形になった。
ランプから出てきた女は、一言でいうと、人間離れした美女だった。
火のように赤く美しい髪は、見事にウエーブして肩に流れている。
ひとみは、炭のようにまっくろで、強さを感じさせ印象的で、
顔の造形は、もう芸術品といっていいほどに整っている。
(びっ美人さんだ・・。)
あ。うんそうなんだけどさぁ、もっと突っ込むとこない?十夜クン
十夜の視線が、顔から下がってきた、まあ男のサガ、スタイルの方も目に付く。
素晴らしいスタイルなのだが・・。
「なっなんで、タオル一枚なんだぁ!!!!」
あのはらりと来てはマジでヤバイ胸の上から
バスタオルを巻くとゆうアレだ。
「とゆうか、急に女のひとが出てきたとか、まっまずくないか!?」
乙宮は、ばしゃっとお湯から立つと、赤毛の美女を
隠すようにたち、周りを見渡した。
(あっあれ?だれもいない?遅くなったといえ、さっきまでざわざわしてたのに、
ここは銭湯だよな、そうだよここは銭湯。湯あたりしたんだ、のぼせて幻覚まで見えてるよ、あははうふふ)
乙宮が現実逃避をしていると、それを無情に壊すように、女が
話し掛けてきた。
「我が名は、「ファイラ」おぬしが我の封印をといたのか?」
後ろから聞えてきた声は美しく可憐なのに、
喋ってる言葉が似合わない。
(現実っ現実ぅですかぁ???)
心の中で誰かに問い掛けてから、
決死の覚悟で振り向くと、そのナイスバディーぐふっとなった。
乙宮は、彼女いない歴歳と一緒な、純情なヤツなのである。
「ファっファイラさんお願いですから普通のかっこに着がえて下さいぃ」