第一章 銭湯での事件2
髪と身体を、ササッと洗うと、銭湯独特の、ちょっと熱めのお湯に
ジャボンと一気につかった。熱くて最初はちょっとヒリヒリもするが、
慣れてくるととても、いい感じだ。一日の疲れが吹っ飛ぶ。
マルチャン3号を(プラアヒル)お湯に浮かべた。(浮きます)
(なごむ。。。)マルチャン3号をほや~と見つめつつ
少し浸かって、1心つくと、元さんの事を思い出しを探し始めた。
乙宮が探しているのは、蔵人元太御歳70歳の、銭湯仲間だ。
人生経験が豊富で、いつも、お風呂に入っている時はおしゃべりする
(あぁ今日は、仕事がいつもより遅かったから、
時間かち合わなかったのかな。まあしょうがないか)
元さんも見付からないので、湯船の淵にヒジを載せ一曲歌ってみる。
「いっい湯だなぁ~はっはっはんいい湯っだぁな~るるるぅ」
頭のタオルとこの歌がベストマッチだ。
気持ち良く歌っていたら、肘に置物か何かがあたった。
倒れて無いかと、後ろを振り向くと、一番最初に目に入ったのは、
木で出来た。目が恐ろしく怖い、なんかにらまれているようにも感じる、
どっかの民族の工芸品の人形があった。
(おっおやじ、これはまた奇妙な物を・・。)
でも肘があたったのは、これではなかったようで、
金属にあたった感じだったので、
見回していると、あたったものと思われるものを発見した。
「よかったぁ~壊れてねえ、セーフ。」
それは一つのランプだった。
まさにアラジンの魔法のランプに出てくるような形の、
銅のような物で出来た、ランプだった。細部をよく見ると、
とても細かく、細工が施してあった。読めない暗号のような文字も
所狭しと並んでおり、不思議な魅力がある。
(おやじもたまにはいいものも、探すものだな。)
もっとジックリと見ようと手にもつと、ずしっと重かった。
(なんか汚れてる)
ランプは、すすのようなもので汚れていて、乙宮は少し考えた後、
頭の上に載せてたタオルで拭いてみた。一回拭くと、
拭いた所がきらりと輝いた。銅のような色に見えていたのは、
すすのせいだったのか、どちらかといえば、金色に近く、
(これが金だったら凄いけど。まさかね~。しかしきれいだな。
おやじもちゃんと磨いてやればよかったのに・・。)
と思いつつ、もう一度拭いた。(きゅ)
(それにしても汚れが綺麗に落ちるな、
なんかちょっと前にスチームクリーナーがはやったよな、
湯気で汚れが浮きでてんのかな?)
もう一度拭こうとして、ふと一瞬手を止めた。
(アラジンの魔法のランプって、3度磨いたら
ランプの精が出てきて、三つの願いをかなえてくれるんだったな、
俺なら・・。)
上の空で考えながら、もう一度磨いた(きゅ)
大分綺麗になったかなっとランプに視線を戻した。
「よしよしきれいになったな。なんか輝いてるみたいだ。ん?
いやこれは、なんぼなんでも、輝きすぎじゃないか!?
ひっ光ってる!?」