始動
グレイラがついに軍へと入隊することとなった。
それはもちろん、国中で話題になった。
「グレイラ・・・・。本当に大丈夫なの?」
王妃は不安そうに言う。
「つらくなったらすぐに帰ってきなさい。」
王は優しくそう言った。
「グレイラ、頑張って!私、応援するよ!だから・・・がん・・・ばって・・・ね。」
リリアは私を元気付けようとしてくれた。心配してくれているのだろう。
声は明るいけど、目は笑っていなかった。
「それでは、行ってまいります!私が、必ずこの国を守って見せます!!」
私はハッキリとそう言った。
ちゃんと笑えているだろうか?
堂々としているだろうか。
私が決めたことだから、みんなに心配をかけてはいけない。
手が震えている。
喉が渇いてる。
―――でも大丈夫。大丈夫だから。
自分に何度も言い聞かせて城を出た。
たくさんの人々が私のために見送りに来てくれた。
皆の期待に応えられるように、頑張らなくては。
そう思った。
軍隊は城より少し離れた、山の麓にある。
約3000人程度の兵がそこで日々過ごしているのだ。
家族で視察に行ったことはあるのだが、実際の暮らしは見たことがない。
とてもそわそわしていた。
正直自分でも驚いていた。
まさか、こんな事で浮き足たっている自分がいるなんて。
しばらく馬車にゆられて、5時間で基地へと着いた。
基地は思った以上に広くて、立派だ。
流石、国直属の軍だけあると思った。
さあ、これから、どんな日々が待っているのだろうか。
私は鼓動が速くなっていくのを感じた。
一応グレイラ視点です。
とても淡々とした感じになってしまいましたが・・・。
次回もグレイラのお話になると思います。