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我が社には、女王様も居るのよ(^_-)-☆

作者: 楓

 「ねェ、私これ教えたよね?」教育係りの先輩が不機嫌そうに今年入った新入社員の二人に言った。

 「教えてそのうえ解らない所が有れば質問してって言ったよね?」更に念をおす様に言うと二人は、ますます縮こまった。

 「別に解らないなら解らないでいいのよ!そう言ってくれれば!解るまで教えてあげるんだから!」ソコでハー、と、溜め息を吐くと「一番困るのが解らないまま新人研修を終えて仕舞う事!仕事に入ったらココで習った事は、知ってるモノとして仕事を振られるのよ?その時解らないと言って恥をかくならまだしも解らないまま仕事をして失敗した日には、目も当てられないわ!」バン!っと机を叩き「今!解りませんと、言えないあなた達がその時大人しく恥をかくとは、思えない!つまりあなた達は、解らない事があった時、人に聞かず勝手にいじくり回した挙げ句自分では、どう仕様もなくなって人様に尻拭いをサセルンダワ!」最後は、最早金切り声だった。

ソコに、

 「そ~んなに怒らなくても良いじゃないですかせんぱーい、ほらー新人クンたち~怖がってる~」ナンというか、ゆる~い感じの女の人が入って来た。

服装は、およそ会社に着てくるとは思えないふわっとしたワンピースでキレイな取り巻きを引き連れている。

「ナニあれ?」「さぁ、怪しい人?」「まぁマトモな人にゃ見えん」部屋の隅で言われた事を黙々とこなしていた残りの新人達がコソコソ騒ぐ「新人研修で怒られるのは、当たり前だし」「解らないまま仕事をしたら他の人が困るのも本当の事」「見た目のみならず言動もおかしい!」仕事の出来る三人の評価は、地を這っていた。


 「私は、研修の大切さを教えているの!邪魔しないで!」教育係りの先輩は、視線で退出をうながした。

「アラ~せんぱいがこのまま教えてモ~この子たち怖がって~お仕事覚えられないと~思う~ねェあなた達~」っとそこでズイッといきなり怒られてた二人に近づきグイッと顔を覗き込む様にして「ネ!この先輩怖いでしょ!」強い口調でニコッ「は、はい」先ほどまでのゆる~い感じの会話からいきなりの断言に思わず返事をしてしまった。

ピクリとっと教育係りのコメカミが動いた「あら!それじゃあアナタに指導を変わってもらおうかしら?」目元をピクピクさせながら言うと「もっちろん大歓迎ですよ!ネ!」そのタイミングでまたグイッと顔を近づけ「ネ!」ニコッ「ハ、ハイ」焦った二人がまた、返事をしてしまい「じゃお願いするワ!」ブチ切れた。


 「あ、あの先輩」残った新人の一人が教育係りに声をかける。「ん~なぁに」さっきまでとはうって変わって柔らかい声で返事が返って来た。

 そもそも色々教えて貰っている時は、こんな感じで優しく教えてくれていたのだ。

「あの二人が悪いのは、分かってます!でももう少し長い目で視ていただけないでしょうか?」

 「「……」」無言、残りの二人も不安げに見ている。


 「じゃあ解説をしましょう( ̄∇ ̄)」おもむろに口を開いたと思ったらそんな言葉が飛び出した。…「ハ?」

「毎年いるの!解らないのにどうしても質問出来ない子が」困ったものね、と教育係りが話し出した。


 つまり、質問出来ない→解らないまま新人研修を終える→仕事が出来ない→周りに迷惑がかかる!

 それを回避する為にやった事が理解出来たか念入りにチェックする→頭ごなしに叱り飛ばす→しょげてる所に別の人が来て意見する→教育係り交代!


 「っと言う訳であの二人は、これから隔離して徹底的に基礎を学んで貰います!」三人を見返し教育係りが説明した。

「隔離?」少し不穏なモノを感じる言葉に引っかかりを感じる。

「ソウ!何というか多分高校、大学っといった場所の教育の仕方に問題があると思うんだけど、他の人が解ることを解らないと言い辛い場所に成ってると言うか?解らないイコール落ちこぼれみたいに思ってみたいな?」三人は、顔を見合わせた。

「つまり、私達といるから?」教育係りは、「うーんと言うか一緒に入った貴方達との差が付くのが嫌だったんだと思うけど?多分だけど解らない所は、後でこっそり調べ様と思ってたんだと思うわ、学校の時と同じ様に」習っている時に聞かないで解っているフリをして家でこっそり調べてテストで満点取って優等生ぶってたんだろう。


 「で、わざとトラウマが残りそうな怒り方して他の人に…って構図は、分かりましたけど、あの集団は、ナンですか?」あの場違いな服装と言動で教育・・?


「アハハ アレは、まぁ最初は、きつい感じの人から人当たりの良い人に…って感じだったんだけど、優しい顔で教えるのが上手い人っていうのが理想的だけど偶に優しげな人は、胡散臭いっていうのがいるのよ後、ずっと付きっきりって訳には、って具合に話し合ってたら誰が言った。顔なんてメイクでどうにでも出来るって!」教育係りは、コットンを取り出し少し濡らして目元軽く拭いた。「あ!」それだけで顔の雰囲気が柔らかくなった。

「こんな感じで、きつめの顔と優しげな叉は整った顔…まあさっき見たみいな美人さんで顔を作って役割分担したんだけど、やっぱりメイクの得意不得意が有ってどこから話しを付けたのか見習いメイクさんをタダで借りれる事になってた!(化粧品の代金は、払う)そしたらメイクさん達大喜びで」そこで息を吐き「私こっち側で良かった。」つぶやき「人の顔でやりたい放題まぁ全部美形になってたからされた方もなんとなく楽しんでたけど!」あの美形集団は、メイクさんの作品だったのか三人は、何だかホッとした。

 「て、感じで、化粧のせいでテンション上がって言動が少し…後メイクさんが時々服も持ち出して来て……前パーティードレス持って来た時は流石に厳重注意受けてたけど偶にどうなのそれって服持って来て……化粧のせいでテンション上がったせいで…」着てしまう・・。

「最近では、イかれた美形集団で〔ヒロインとその取り巻き〕とか、男がリーダーの時は〔くたばれハーレム勇者〕とか言われてます。」100%ラノベの作品の影響を受けている。

 「分かるような分からない様な」「結局連れて行かれた二人は?」謎の集団の説明はもう良いです。

 

 「美形に囲まれて徹底的に基礎!一通り終わったら『まだ覚えてないでしょ!大丈夫、解るまで教えて上げるから!』って言ってまた最初から教えて来るからもう大丈夫です!って断言出来る様になるまでひたすら基礎!優しく教えてくれるのに『まだ覚えてないでしょう!』って聞くときだけ妙に迫力が有ってなかなか終わらない!」苦笑しながらだからいつ頃研修を終えるか分からないっと説明された。


 その後新人研修を終えて仕事に入って3カ月あの二人と合流した。…みょうに疲れた顔をしていて何となく笑った。


 「あら!久しぶり」「あ、お久しぶりです。先輩」新人研修でお世話なった先輩に通路で久しぶり会った。

っとその時「ちょっと!わたくしの言うことが聞けないって言うの?!」直ぐ横の部署から頭に響く怒鳴り声か響いて来た。「いえ!そんな事は、決してありません!」間髪入れず返事をする声に「なら余計な事は、言わずにサッサとおやりなさい!」またさっきの声が響く。

「……」無言です。先輩を見つめると先輩は、フッっと笑って「我が社には、女王様も居るのよ!(^_-)-☆」

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