第5話 【琉夏】
第5話
【琉夏】
翌朝。
「おはようございまーす!」
「あ、えっと、おはよう…」
彩葉がギルドホールに行くと、ルナだけが来ていた。
「えっと、彩葉ちゃんは今日からフローで働くんだよね…?」
「はい!」
そう答えると、ルナは彩葉に紙袋を渡した。
「それ…制服だから…」
「ありがとうございます!」
「準備できたら…一緒に行こう…」
どうやら、彩葉の教育係にはルナがつくようだ。
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「えっと、これで全部だと思う…分からないとこあった?」
「大丈夫です!ありがとうございます。」
「じゃあ、開店だから…」
「はい!準備してきます!」
彩葉がルナに店のことを教わり終わると、丁度開店の時間になった。
-カランコロン-
「いらっしゃいませー!」
「げっ。こないだのやつ…」
「こら!琉夏!店員さん、すいません。」
仕事にも何となく慣れた頃、この間の狼と優しそうな人がやってきた。
(はぁ。まあでも一緒にいる人はまともそうだし…)
「注文してもいい?」
「あ、はい!何になさいますか?」
「アイスコーヒーと…琉夏は?」
「アイスティー、ミルクで。」
「アイスコーヒーとミルクのアイスティーですね。承りました。」
あの狼、ルカって言うんだ…へぇ。
「お待たせしました!アイスコーヒーとミルクのアイスティーです。」
「ありがとうね。」
「どうも……あ!この間のやつ!おい!俺にコーヒーぶちまけたことまさか忘れてないよな?」
「ご注文は以上でお揃いでしょうか。では。」
「あははははははははははは!!さっきの子の華麗なスルーっはははははははは!!」
「鏡也さん、笑い事じゃないです!」
「いやだってさ…あははははははははははは!!」
…どうやら彩葉の華麗なスルーは鏡也のツボにハマったようだ。
「あー、笑った笑った。じゃあ帰ろっか。」
「…はい。」
2人が帰ったあと、しばらくして、バイトの終了時間になった。
「彩葉ちゃん…お疲れ様…」
「お疲れ様です!ルナさんはまだ帰らないんですか?」
「うん。ここはこのあとバーになるから…」
そう言うとルナは仕事に戻った。
「じゃあお先に失礼します!」
そう告げると彩葉は店を出て、ギルドへ帰宅した。
(今日来た人、めっちゃ笑ってたなー…あはははは!)
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琉夏 -Ruka- 男
スタフラのメンバー。
獣人(狼)
かっこつけてるけど本当はいじられキャラ。
鏡也 -Kyoya- 男
スタフラのサブマスター。
割と紳士。