第4話 【ギルド】
第4話
【ギルド】
雲ひとつない青空と、小鳥のさえずり。
「ふぁー。ん、もう朝か。」
そう言って起きると、彩葉は階下にあるギルドホールへと向かった。
「あ、エマさん!おはようございます!」
「彩葉ちゃん、おはよう!」
そうエマと挨拶を交わす。
辺りを見回すと知らない顔ばかりであった。
「みんな!昨日入った新しいメンバーを紹介するわ!」
「初めまして!彩葉です。よろしくお願いします!」
「よろしく!」「よろしくねー!」
「「よろしくなのです!」」
(歓迎されてるみたい…良かった。)
その後、彩葉はエマにメンバーの紹介をして貰った。
「あたしは日向。よろしく。」
日向さんは面白くてかっこいい人。
「ラズよ。よろしく!可愛いね♡」
ちょっと変わったこの人がラズさん。
「蘭なの。」「凛ですー!」
大人しく蘭ちゃんと元気に凛ちゃんの双子。
蘭ちゃんがお姉ちゃんだそう。
「あの、えっと、ルナです。サブマスターです。」
サブマスターのルナさん。…人見知りなのかな?
「皆さん!こちらこそよろしくお願いします!!」
フロンティアのみんなを紹介してもらった後、彩葉はエマの勧めで武器を見に行くことになった。
ついて行く!と言って聞かなかったのは双子とラズ。
結局4人で出掛けることになった。
ラズの馴染みだという武器商人の元へ行って、いくらかの武器を見繕ってもらった。
武器の代金はツケにしておいてくれるそう。
とりあえず武器の調整を頼んで、3人に街の案内をしてもらうことになった。
「んー、でもとりあえずお金稼がなきゃなー…」
「じゃあ、フローで働くといいの。」
「そうなのですー!エマさんに言っておくのですー!」
私が前に行ったカフェ【フロー】はフロンティアの経営してる店だったらしい。
しばらくはそこでバイトとして雇ってもらえることになった。
「じゃあ、改めて街の案内と行きましょうか!」
「「「おー!」」」
たくさんの露店。おすすめの飲食店。娯楽施設。
街の様々な場所を案内してもらった。
最後に訪れたのは、どうやら何かの会場のよう。
「ねえ、ここは何?」
「ここは、よく腕試しの大会が行われてる場所よ。」
「ここで優勝するとスタフラに勧誘されるらしいのですー!」
「まあ、あくまで噂だけどね。スタフラ自体も本当にあるかわからないし。」
「スタフラって?」
「スターリング・フラン。最強と呼ばれる人たちが集まってるギルドなの。でもその存在は謎に包まれてるの。」
スタフラか…かっこいい!もしかして”あの人”も入ってるのかな…?
その後は他愛もない会話をしながら武器商人の元へ戻った。
「無事に武器もゲットできたね!可愛い彩葉ちゃんにはピッタリね☆」
語尾に☆が見える…
「「「「ただいまー!」」」」
「おかえり!そして…」
「「「「「「彩葉ちゃん!フロンティアへようこそ!!」」」」」」
どうやら、皆は今日1日、私の歓迎会の準備をしてくれてたらしい。
(めっちゃ嬉しい!!!)
「じゃあ、彩葉ちゃんのフロンティア加入を祝して!かんぱーい!」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
エマの音頭で歓迎会が始まった。
「あちゃー、みんな寝ちゃったね…」
「あはははは…」
「あ、そうそう。これフローの制服ね。明日からよろしく、彩葉ちゃん。」
「エマさん、ありがとうございます!こちらこそよろしくお願いします。」
この街での生活も始まったばかり。
(明日からバイト頑張ろ。)
そう心に決めると、彩葉は眠りについた。
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ルナ -Luna- 女
フロンティアのサブマスター。
人見知りだが、優しい。
ジョブはクレリック。
ラズ -Razu- 女
フロンティアのメンバー。
無類の女の子好き。
ジョブはナイト。
蘭 -Ran- 女
フロンティアのメンバー。
見た目のそっくりな双子の妹(凛)がいる。
大人しい。
ジョブはファイター。
凛 -Rin- 女
フロンティアのメンバー。
見た目のそっくりな双子の姉(蘭)がいる。
元気っ子。
ジョブはアーチャー。