第3話 【認定試験】
第3話
【認定試験】
「ここが会場か…」
目の前には巨大な建物。
彩葉はこれから冒険者になるための試験を受ける。
あの時に助けてもらった”あの人”に近づくために。
「アサシンになるには…まずはマジシャンにならなきゃダメだね。」
アサシンは最上位職であるため、マジシャンとファイターを極めねばならなかった。
「試験受かるかな…」
「こんなことじゃダメだね。頑張んなきゃ!」
そう呟くと、彩葉はマジシャンの認定試験会場へと向かったのだった。
「これより認定試験を開始します!参加者の方はお集まりください!」
「47番の方!試験を開始してください!」
「はい!」
頑張らなきゃ!
そう気合いを入れると、彩葉は目の前のモンスターに飛びかかった。
ふぅ。
ん?…なんか試験官の人変な反応してない…?
え?なんかやらかした…?
「47番の方、少々お待ちください!」
「え!?あ、はい!」
-その頃-
「エマ様、失礼致します!アサシン認定試験にて47番の方が…」
「知ってるわ。満点なんて凄いわね。」
「いえ…実はまだ他の認定試験を受けられていない様なんです。」
「あら……ねぇ、お姉ちゃん。」
姉と呼ばれた人物は少し考えた後、
「そうね。合格でいいと思う。」
とだけ答えた。
「ですって。試験官の方、彼女は合格とします。後でここに来るように伝えてくださる?」
「は、はい!了解致しました!」
―――――――――――――――――――――――――――――――
「47番の方!」
「あ、はい!」
「合格となります。このままこの紙に書いてある場所まで行ってください。」
おおお!受かった!やった!!
えーっと、紙の場所ってここでいいのかな?
なんかヤバそうな場所だけど…
-コンコン-
「し、失礼します!」
「来たわね。そこに座って頂戴。」
「はい!」
「実はね、あなたが受けた試験はアサシンのものなの。」
「え!?マジシャンのを受けたはずなんですが…」
「きっと会場を間違えたのね。それでね、本来なら不合格にするのだけど、あなたは試験で満点を取ったのよ。」
「え?」
「ふふふっ。で、姉と話し合ったのだけど、今回は特例としてあなたをアサシンとして合格とします。その代わり、私のギルドに入って貰うことになるのだけど、いいかしら?」
「はい!大丈夫です!!」
「じゃあ、よろしくね。私は【フロンティア】のギルドマスター、エマよ。」
「彩葉です!よろしくお願いします!」
その後、少し今後についてエマさんと話していたら夕暮れになっていたが、今日のうちにギルドに案内して貰うことになった。
「ここが私たちのギルド、フロンティアよ。」
大手ギルドといわれるだけあって、かなり広いギルドハウスだ。
「まあ、案内は後日として。今日は遅いから解散にしましょ。彩葉ちゃんは、家はどこなの?」
「あ、家は無くなっちゃったので今日は宿にでも泊まります!」
「そうなの?うちのギルドは寮あるけど、そこに入る?」
「いいんですか!お願いします!」
「じゃあ、手続きしておくわね。とりあえず今日はそこの部屋で寝て構わないわ。」
「はい!ありがとうございます!」
「どういたしまして。じゃあおやすみ。」
「おやすみなさい!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【フロンティア】
大手の女子限定ギルド。
エマがギルドマスターを務める。