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雷落ちて華も咲き  作者: 李阿里未来
9/21

我慢は身体に毒かもしれない話

涙は拭ったり擦ったりしちゃうと目が腫れちゃいますよね。

泣き虫ことはもお目覚めのようでして……

ーーーーー。。。






「ううぅ……私としたことが…」



両手で顔を覆いながら足をバタバタさせ、昨日の自分を思い出す。


赤子のように泣きじゃくる私は、雷華にあやされ、寝かし付けられたのだ。




朝目が覚めると私は雷華の身体にしがみついていて、目は見開けないぐらいに腫れていたのだった。





……雷華は機嫌良さそうに鼻歌を歌いながら朝食を作っていて、時々私の方を見てニコリと笑顔を返してくれる。



……クッションに顔をうずめながら唸り声をあげているうちに、朝ごはんが出来上がったみたい。



……メニューはピザトーストとサラダ。



「………………いただきます」



「はいどうぞ召し上がれ」



……もぐ。




……………もぐもぐもぐ。


……美味い。






さっきまで恥ずかして死にそうだったのに、昨日の嫌な夢も全部どこかへと形を潜めた。




「とても美味しいわ」





雷華は笑顔だけを返す。

……何だか本当に母娘のように思えて来て、少し可笑しい。


雷華は私以上にそう感じているに違いなくて、私の頭を撫で撫でしてくれる。




「いやあそれにしても、、あんなになっちゃうなんて思わなかったよ~。いいネタにしてくれると思ったんだけど。」





「……私だってネタにするつもりもあったけれど……あれね!想像力が豊かっていうのも考えものだわ。怖い思いとすごく恥ずかしい思いしかしてないもの。」





「あの後ねー、夜通しグスグス~ってしてて私にしがみついて私の名前呼び続けてたんだよ?すごく可愛いくて死ぬかと思ったよ。。。」




クスクスと笑う雷華の言葉は突発性難聴によりよく聞こえなかったのだけれど恥ずか死そうな予感がするので追及はやめておくわ……







…………ぜ、全然記憶に無いんだからね!!







「……………くっ…………忘れてちょうだぃぃいい??…「今日は昼まで家でゆっくりするの?」



懇願の言葉を途中で遮った雷華は、

私の目元をむにむにと弄りながら聞いてきた。



「そうね……ひどい顔してるし、そうすることにしましょ。」




「ふーん。今回こそは書くんじゃなかったの?」




「……今の私に書けると思っているの?」




「思いませーん」




「はい正解よく出来ました」




「ご褒美は?」




「うっ…………」




……この娘わざと小首を傾げながら上目遣いで私を見ているわね。




………………やめてキュン死しちゃうわ。




「あ、それはそうとさーこれ聴く?」




雷華の方から話題を変えてきたので、ありがたく乗っかろうと思う。




「何かしら……」




雷華は私にスマホと接続したヘッドホンを渡す。



「……聴けばわかるって!」



最近の推しの1曲かしら。



「珍しいわね私に勧めてくるなんて。」



大人しく曲がかかるのを待つ私。

ふと雷華の方を見ると、すごくニヤニヤしている。

……聴いてほしいというより反応を見たがっている感じがした。



「ん?」



「……ポチッとなっと。あ、いけないいけない忘れてた……」



がしっ。




「え?ちょっと?何なの??」



私の腕を後ろに回し何かで縛る雷華。

続いて私自身が動かないようにソファに寝かし上から押さえつけてきた。



……まさかのソファドン。

飛び出るハートをハテナがかき消す。未だに曲はかからない。



する……ばさ……



「???」



……もしかして。曲ではなくて録音した音なのだろうか。布が擦れる音が聴こえる。




『………うぅぅ……ひぐっ……』




「!!!」




……まさか。まさかまさかまさか。

昨日の私の痴態をスマホで撮っていた???

いや雷華に限ってそんな事。。。




『…………ぐす…………うぅ……らいか……

らいかぁ………こわいよぉ……』




「っっ!?!?!?ちょっこれっっ!???!、」




はいアウトー。死亡。

自分でも顔が真っ赤なのがわかった。

雷華は数十cm上でケタケタと笑っている。





『…………ゃ…だめ……まだ……』





「雷華ぁぁぁ!!??!!??どういう!!!つもり???お願いやめて止めてうわあぁぁぁ恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい…」





「『………大丈夫だよ。ここにいるから。

ずっとそばにいるよ……』」




「ああわわわっっっっっ……」




……ずるい。反則。雷華はヘッドホン越しに録音と同じ台詞を囁く。

顔だけじゃなくて身体全体が火照る。





『…………うん…………ぐす……ひっくっ……』




「っっっっ……………………もう止めて……お願い……」




「〜〜〜♪」




「こらっ!!覚えてなさいよっっ!!!!

ちょっ……あう……」






ーーーーー。。。





……ヘッドホンが外される。

腕を縛っていたタオルもいつの間にかほどかれていて。




「はあ……はあ……もう……何なの……この変態!ばか雷華!!」



キッと雷華を睨みつけると雷華は笑いながらバッと腕を広げた。




「……何よ……」




「仕返ししないの?」




「……はあ……やり返す気力もないわ。」




ずっと声を出していたことと身体が熱くなりすぎて仕返しなんてできる気がしない。




「確かに最後の方は感じてたもんねっ」



……ウインクしながら言うなこの野郎。



「…………そんなことあるわけないでしょ……」






「じゃあ私からするね?」





「話聞いてたのかしら!?!?!?それにね、今まだ午前8時よ!?わかってるの???」






「……昨日の言葉が可愛すぎて可愛すぎて襲うのを我慢するの辛かったんだからね!?!?!?」





「知ったことか!!!」









ーーーーーこの後結局雷華に圧されるままに気の済むまでひたすら××した。ていうかさせられた。




ーーーーー。。。





ーーー。。


色々とおかしい朝のお話でした。朝でした。

大事なことなので2回言いました。


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