突然巻き込まれたっていうお話
とうとう事の全てを語るといった雷華。
でも、運動するかのような服に着替え始めて…………
サイズはパッツンパッツン。
ーーー。。。
「またいなくなってしまうの?」
私の問いかけに雷華はまだ答えない…
何を言おうか悩んでいるのだろうか。
「帰ってから、話すよ。私が何をしていたか、何故いなくなったのか、全部……とまではいかないけど………」
やっぱり雷華には、のっぴきならない事情があるらしい。
「いなくなったりしないよ!!!」と言ってはくれなくて、
少し胸が痛い。
ーーーーー帰宅。
雷華は夕食を作り始めたので、することがない私は
部屋着に着替え、紅茶を飲みながらグルグルと思考を巡らせた。。。。
①いなくなった理由。私に言えない理由。
それは多分私にはきっと想像もつかないことなのだと思う。
今だって全くもって浮かばないし、、、、
うーん…駄目ね!次!
②何をしていたか
さっき雷華が言ったことから推測するに何か目的があって、どこかへ行った。その目的については言えるけれど、どこへ行ったかは言えない。
「していたか」って言い方も気になる。。
強制されて何かをしていたいたのだろうか。。。
………ちんぷんかんぷんとはこの事ね!!!
「…………はあ」カラン
空になったコップを回しながら雷華の様子を伺うと、
丁度出来上がった料理をテーブルに運んでいるところだった。
………そんなに考え込んでいたかしら…グゥ
「お腹…へったわ…」グゥ
「はいおまたせー」
いい匂いがする。
味の心配など一切の必要もない。
目を目と合わせて合掌。
「「いただきます」」
ーーーーー雷華の作った料理はとても美味しくて、
いくらでも食べれる気がする。
今すごくおかわりが欲しい。。。。
どうしようか悩んでいる私の様子を見て、既に片付けを始めていた雷華が言う。
「このあと体動かすから、あんまり食べると苦しくなっちゃうよ?」
………動かす?体を?
………プロレスでもするのだろうか。。。。。
食器を二人で洗って片付けを終えると、
雷華は庭に私を連れ出した。
私の家の庭は自宅を囲むように広がっていて、手入れをしないとちょっとしたジャングルになってしまう。
最近は少しサボっていたので、靴が隠れる程には雑草が伸びていた。。。。
「………よしこの辺でいいかなー、言葉、少し離れて立ってて」
私は雷華から1、2m程距離を取った。
何をするのだろう………
「えっと……これから起こることをすぐには飲み込めないと思う、けどちゃんと説明するから。まずは見てて?ビビビって来たらすぐ言ってね」
「………うん…わかったわ」
………正直全然解ってないのだけれど。
説明してくれるというので、これから起こる未知を少し怖いなと思いつつもわくわくして待った。
「ーーーーーふっ」バッ
雷華は気合を入れる武道家さながらに腕を体の後方へ引く。
ーーーーー瞬間。
ーーーーーバリィィィィィィィ
轟音と共に雷華の周りは光り輝いた。
雑草たちは雷華を中心にして外へ外へと飛ぼうとしていた。
ーーーパチッ………ピピリッ
「ーーーーー!!!!!?????」
開いた口が塞がらないとはこの事。
さっきまで外へ飛ぼうとしていた雑草たちは元気なくへたれ込んでいて、空気中ではラップ音が続いている。
「えっと…あの…雷華さん?これは…」
「私の力だよ」キリッ
「答えになってないんだけど!?」
「ごめんごめん……雷の魔力。それが私の力なの!」
「いや、雷華さんちょっと待って落ち着いて?」………
……………………
……………………
ーーーーーこれは2人の「戻ってきた日常」などではなくて
とんでもないファンタジーに私が巻き込まれたっていうそんな話だ。
「魔力」というパワーワード。
ジャンル変わってしまったではありませんか………