第六話死神艦雪風
雪風
太平洋戦争(大東亜戦争)当時の主力駆逐艦(睦月型駆逐艦、吹雪型駆逐艦、初春型駆逐艦、白露型駆逐艦、朝潮型駆逐艦、陽炎型駆逐艦、夕雲型駆逐艦、丙型島風)約60隻の中で、雪風は唯一終戦まで生き残った駆逐艦である。日本海軍の駆逐艦は激戦区に投入され非常に損耗率が高かったが、雪風は第16駆逐隊や第17駆逐隊の姉妹艦(初風、天津風、時津風、浦風、磯風、浜風、谷風)、第27駆逐隊の時雨等と共にスラバヤ沖海戦から坊ノ岬沖海戦(戦艦大和特攻)まで16回以上の主要な作戦に参加した。その中でも雪風は戦果を上げつつ一度も大きな損傷を受ける事なく終戦を迎え奇跡の駆逐艦と呼ばれた。戦中より雪風のその幸運ぶりは広く知られ、呉の雪風、佐世保の時雨と謳われた。
終戦後、雪風は日本海軍解体に伴い除籍後中華民国に賠償艦として引き渡され丹陽と改名、同国海軍の主力艦として活躍した。1971年(昭和46年) 12月、台湾にて解体された。
ドォン!ドォン!
比叡「グァァ!」大破
提督『撤退!撤退!』
~母港~
提督「・・・雪風以外全員大破・・・か」
雪風「グスッ・・・すみません・・・しれぇ・・・」
提督「良いんだ。雪風が悪いんじゃない・・・」
比叡「提督。少しお話があるのでこちらへ」
提督「・・・あぁ。雪風ここで少し待っててくれ」
雪風「はい・・・しれぇ・・・」
~廊下~
比叡「何時まであの事を迷信だと思っているのですか?」
提督「・・・」
比叡「先週は金剛お姉様が沈んで」
提督「・・・」
比叡「昨日は阿武隈が沈んで・・・」
提督「・・・」
比叡「いい加減認めたらどうですか!」
提督「分かっている!」
比叡「・・・」
提督「分かっているが!じゃぁどうするんだ!?解体か!?あの娘は何も悪くないのに!ただ幸運なだけと言うだけで解体か!?」
比叡「・・・」
提督「・・・すまん・・・熱くなりすぎた」
比叡「いえ、良いんです・・・」
提督「・・・俺もあいつのことについてはどうするか考えておく・・・」
比叡「・・・分かりました」
~軍基地~
提督「・・・」コンコンコン
総大将「入れ」
提督「失礼します」
総大将「何事だ?」
提督「雪風の件について相談が」
総大将「・・・雪風か・・・」
提督「・・・転属を」
総大将「・・・ふむ」
そう言い書類を閉じる
総大将「そうだね。これほど他の艦が大破してると他艦への士気に関わる。転属を許可しよう」
提督「・・・はい」
総大将「だが」
提督「!」
総大将「雪風がどの鎮守府に着任するかは、君の決めることではない。私や元帥達の決めることだ」
提督「・・・」
総大将「だがあの娘について理解出来そうな者が居る。そいつの良く顔を出す鎮守府に着任出来るよう努力はしよう」
提督「!ありがとうございます!」
総大将「話は以上か?」
提督「はい」
総大将「なら下がれ。雪風にその事について説明するように」
提督「・・・はい・・・失礼しました」パタン
総大将「・・・死神・・・ね。諒ならなんだかんだ手懐けそうだけどね・・・」
~兵舎~
諒「うぇっくしょい!」
ベネット「風邪?」
諒「どうだろうな・・・」
ティーガー「貴方の風邪は何処から?」
ジャガー「ベネットは頭から!」
ベネット「頭握り潰したろか」
携帯「コノハゲー!チガウダローー!」
諒「あ、電話」ピッ
グロム「地味に古いネタね・・・」
総大将「やっほー!諒!」
諒「」ピッ
総大将「切ることないでしょ!?」バタァン!
飛竜「先手必勝!艦載機!飛べ!」
総大将「危ない危ない!」
諒「んで、何のようですか?」
総大将「太刀風の所なんだけど」
諒「それは太刀風に言ってください。お仕置き憲兵隊、連れてって」
総大将「雪風が着任することになった」
飛竜「ッ!?」
諒「・・・いや、やはり良い。こいつ今ここで殺す」ガチャ
総大将「・・・まぁ落ち着きなさい」ガチャ!
ベネット「ちょ、ちょっと!?雪風て誰?」
明石「・・・聞いたことあります」
ベネット「明石」
明石「どんなに危険な作戦に参加しても損傷せず帰ってきた駆逐艦です」
ベネット「じゃ、じゃぁどうしてあんなに殺気だってるの?」
明石「・・・・」
飛竜「あの娘は幸運艦と呼ばれた半面・・・死神とも呼ばれたのよ・・・」




