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33「大陸による魔法の違いなのです」(オーラス大陸の場合)

 自分自身の行った、動かしやすい国のための悪行への罪悪感に若干苛まれていると、そんな私を無視してラストはアリアンローズに話の続きをするよう促した。

 ええい、反省するのは後よ後。今はそんなもの全く重要じゃ無いわ。どうせ今更どうしようもないんだし。


「で、この大陸の魔法は?」

「はい、オーラス大陸の魔法ですね。精霊魔法ともいいます」


 そう言い、アリアンローズはテーブルの何も無い空間を指で撫でる。私から見たら違和感バリバリだけれども、アリーシュとラストは特に何も感じていないようだ。

 というか、アリーシュに至ってはなんか何もない所をつんつんしている。怖い。


「精霊魔法は、精霊と契約することによって使えるようになる魔法です。主に直接ダメージを与える魔法が多いですね」

「……誰でも出来るの?」

「いえ、精霊に気に入られなければ不可能です」


 精霊に気に入られる、条件が謎ね……自由に誰でも活用出来ないってのは、結構なデメリットよ。

 ……でも、直接ダメージ与えるってのは魅力的なのよねぇ。

 罪悪感を薄れさせ、殺意との同一化を図らせる。集団戦闘における遠距離兵器とは強さ弱さ以前に、扱いやすさが重視されるのは誰もが知る道理よね。


「その条件って何なのかな?」

「それが……どうも、まだ判明していないようで。何せ同じ血筋でも真逆の精霊に好かれることもあれば、複数の精霊に好かれる者の息子が異様に嫌われるという事例もありますので」


 ラストの質問に、困ったような笑みを浮かべながら答えるアリアンローズ。ふむなるほど、条件不明……しかも血筋やらではないので、今現在エルフに作らせているクローン技術でも複製不可能……随分とまあ面倒ね、精霊魔法ってやつは。


「ならアリアンローズさん、私も出来るようになりますかね!?」

「勿論、アリーシュなら出来るわ。精霊に好かれているんだもの」


 子供に向けるような笑みでアリアンローズはアリーシュの頭を撫でる。アリーシュはとても嬉しそう……何かしら、この、アリーシュに友達が出来たのは嬉しいけれど、どうも言いしれぬこの、寂しさは……。

 そう、これが、子供が旅立っていくのを見る親の気持ちなのね。

 そんなほのぼのにちょっと悲しい空気を、ラストは打ち壊してくれたわ。


「男を誘惑する精霊魔法を使えるのってあるのかな?」


 最低な発言で。

 ほら、アリアンローズもアリーシュもぽかーんとしてるじゃない。馬鹿なのラスト、ああ馬鹿だったこいつ。性欲馬鹿だった。下半身と脳みそが直結してるんだった。しかも前じゃなくて後ろの方で。


「え、えっと……ちょっと、その辺は分かりかねますね……」


 ハハッ、と乾いた笑いのアリアンローズ。どう見てもドン引きしています本当にありがとうございました。

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