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第二十七章 本気の恋③

【前回までのあらすじ】

さらわれたアンジェを助けに向かった黒狼ルゥ(ルーク王子)でしたが、異母兄ギルバートが自分と同じように黒狼として生きていたことを知り、喜んだのもつかのま。黒狼ギルバートはアンジェの放つ甘い香りが"呪いを解くカギ"と確信し、黒狼ルゥよりも先にアンジェを手に入れようと攻撃をしかけてきます。そんな決闘中、二匹の前に狩人の男が現れ、黒狼ギルバートではなく、銃弾は黒狼ルゥへ。逃げ惑う黒狼ルゥは滝つぼへと落ちてしまい……


一方のアンジェ(川野)は、男らによって見知らぬ土地の物置小屋へと連れていかれ、鉄格子の檻の中へと囚われてしまいます。アンジェ(川野)は必死に助けを待ち、ようやく現れたのはラント国第二王子のフェルゼンでした。破滅ルートの攻略対象者であるフェルゼンは、アンジェ(川野)へ、いきなりのプロポーズ!?……

「もしかして、母上が言った『女殺し』が気になったわけ? まあ女性に恋心を持たなかったと言うのは嘘じゃないけどね。それで変な綽名(あだな)が付けられたけど。俺には側室なんて一人もいないよ、もちろん正室もね。


29歳で、未婚の王子なんて、世間から見たら、なにか問題があるかもと思われるだろうけど、結婚するとなると何かと面倒なんだよね……それに心の底から好きな女性はいなかったし……でもね、俺にとっての結婚相手は、ただ一人好きな人がいればいいんだ。それは本音だよ。


うちの父上のように側室は置かない主義だからね。まあ、父上は女性に縁がないせいか、俺の母で三度目の結婚をしちゃってる……だからさ、はっきり言うけれど、さっき母上に話したことは全部真実だよ。君を見て、俺は一目惚れをした……」



そう言うなり、フェルゼンはアンジェ(川野)の両手を引っ張るように掴み、自身の両手で、ぎゅっと包み込んだ。



「あの……ええっと……」

アンジェ(川野)は言葉を失った。彼の言葉に嘘は感じられないが、(ちょ、また勝手に人の手を掴んで……この大魔王……)と思う気持ちで眉毛と唇が一気に”への字”になる。



「今すぐに返事が欲しいなんて言わないよ……でも正室になることは、君にも覚悟をもって考えてほしい……それと、君にならわかると思うけど、皇室妃教育はハードらしいんだ。


侯爵家から嫁いできた母上でさえ、教育が厳しかったと言っていたくらいだから……それも含めて考えてくれないかな……俺は妻になる人と一生を添い遂げたいんだ、だから君が苦労する分、俺が君の苦労を共に背負う覚悟も決めている……


だから、この星の空よりも美しい君の瞳に誓って言うよ、俺は君を一生愛し守り抜く……この星のすべてが俺の敵になっても俺は永遠に君を愛する……どうか俺と一緒に生きてくれ……君を守りたいんだ……俺は……麗しいアンジェ・クレイモン伯爵令嬢に俺の人生を捧げたい……」



アンジェ(川野)は赤面したまま顔を上げることが出来なかった。

(……いま敬介さまのナマ声で愛を告白されてる!? ……ヤバイ、イベントのシナリオにも、こんな熱烈なセリフは無かったのに……ああ心臓飛び出すぅ……理性がガンガン打ち砕かれる……セクハラされまくりなのに尊い……ええええ、どうゆうこと!? ……)



フェルゼンが左目でウィンクし、「おやすみ、俺の花嫁」と、投げキッスをして扉を閉め去っていく。アンジェ(川野)は魂の抜け殻状態で立ち尽くしていた。



次から次へと新しい展開に翻弄されている。

乙女ゲームのシナリオでは、自分は売春宿に売られていて、女遊びをしにきたフェルゼンに見受けされて城へやってきた「身分の低い側室」だった。それが原因で正室や側室たちからイジメに遭い、その中の一人の手で毒殺される。



それが、今、目の前の王子は「未婚のセクハラ大魔王」で、まさかの熱烈プロポーズ……。



(違ぁーう……何もかもが、私の知っているシナリオと全然違い過ぎるぅ……ああ推しでもないのに尊死しそうって……私、この先、どうしたらいいの! )



アンジェ(川野)は、くううっと言いながら、しゃがみ込んだ。

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