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セフレ・アイドル  作者: 055ジャッシー
第五章「嫉妬」
33/57

二人目のセフレ

 

「うへぇ、飲んだ飲んだ飲みましたっよぉ~♪」


 深夜のファミレスで酒匂梅子の身の上話と桂との関係を聞いてから約一時間、ようやく店を出た彼女はかなり酒に酔っていた。


「あ~、鶴見く~んに話したらな~んかスッキリしちゃったわ~」


 今まで本人同士しか知らないアイドル・相模絵美菜とものまねタレント・相模厚着との関係……ようやく他に話せる人間がいてホッとしたのだろう。酒匂梅子はフライドポテト大盛りを一皿だけつまみにして、生ビールを飲みまくっていた。

 足元がふら付いていたので仕方なく、僕は酒匂梅子を支えながら彼女のアパートに向かって行った……僕の家とは逆方向だが。僕も少し酔っていたので、勢いで彼女に聞いてみた。


「梅子さーん、失礼ですけどおいくつなんですか?」

「ほんっとに失礼だな~! あの子(桂)より一回り年上、二十九よ~」


 いや一回りって十二歳差だから三十二歳になるけど……まぁいいか。


「鶴見く~ん、あの子よろしくね~! あの子、いい子よ~」


 彼女のお陰で今の自分がある……相模絵美菜に対し、そう何度も口にした酒匂梅子。相模絵美菜の事を「女神」とまで呼んでリスペクトしていたのだが……


 ……この後、酒匂梅子はその考えとは真逆の行動をする。



 ※※※※※※※



「着きましたよ」

「あぁ~ありがと~」


 酒匂梅子が住むアパートに着いた。以前桂と一緒に居た事があるので場所は知っている。彼女は鍵を開けると、そのまま床に倒れ込んだ。


「大丈夫ですか!?」

「もうらめぇ~、悪いんだけどぉ、ベッドまで運んでくれる~?」


 酒匂梅子はかなり酔っているらしく、まともに立てない状態だ。だが飲みまくっていたとはいえ、そこまで量は多くなかった……もしかしてお酒弱いのかな?

 入り口近くの台所で寝たら風邪引くだろう。僕は酒匂梅子を抱きかかえると彼女をベッドまで運んだ。


「水か何か要りますか?」

「あぁ、冷蔵庫にミネラルウォーターあるから持って来てぇ~」


 僕は酒匂梅子に言われるまま、五百ミリリットルのミネラルウォーターを彼女の元へ持って行った。


「ねぇ鶴見君、明日は暇?」

「えっ? 午前中は仕事無いですけど……?」

「そっかぁ、よかったぁ~」


 何で今そんな事を聞くんだ?


「他に何か必要ですか?」

「ぁ……」

「えっ、良く聞こえませんが」

「……」


 酒匂梅子は何か訴えている様だが小声でよく聞き取れない。僕は彼女の口元へ耳を近付けた。と、その時!


 ――!?


 突然、酒匂梅子は僕の頭を掴んで身動きが取れない様にすると、自分の唇を僕の唇に押し付けた。僕は状況が理解出来ず怯んでいると、彼女は更に舌を押し込んできたのだ。


「なっ、何するんですか!?」


 僕は咄嗟に酒匂梅子から離れると、彼女はベッドからすっと立ち上がった。


「ねぇ鶴見君……私と、しない?」

「ち、ちょっと待ってください! 冷静に……」


 僕がそう言ってこの場から逃げようとすると、彼女は抱き付いて僕の動きを止めた。そして僕の耳元でこう囁いた。



「ねぇ……私を二人目のセフレにして」



 いやいや、いきなりこんな展開でセフレになれって……もしかしてこの人、酔った勢いで言ってる?


「私は酔っ払って無いわよ! あれは演技」


 マジかよ……騙された!


「桂ちゃんからあなたの事を聞いてね……私も一度してみたくなったの! だから行きずりの……とかそういうんじゃなく、あなたとは合意の上でしたいのよ!」


 そんな事を言われても無理だ。相手は桂の友人、言うなればこれは俗にいうNTR(寝取られ)という奴だ! こんな事が桂に知られたら不味いに決まっている!


「駄目ですよ、さっきあなたは桂さんの事を恩人と言ってたじゃないですか!? それなのに……彼女が困る様な事をしていいんですか?」


 僕の言葉を聞いた梅子は一瞬キョトンとした顔をすると、すぐに大笑いした。


「あっはは! 何言ってんの鶴見君! あなたと桂ちゃんは()()()よ! もう、恋人と勘違いしてんじゃないわよ」


 そうだった! 僕と桂は「体だけの関係」、他の誰と寝たところで不倫にも浮気にもならない。所詮それだけの関係だ……僕は何を勘違いしているのだろう。


「それに……これは桂ちゃんも承諾済みよ」

「えっ?」


 桂もこの事を知っている……そりゃ一体どういう事だ? 僕は狐につままれた様な気分になった。


「それにさぁ鶴見君! 桂ちゃんとはここでやって、私はキミの使用済みコンドームを片付けるだけなの!?」


 うわぁ! それ言われたら反論の余地が無い。


「それにさぁ……桂ちゃん生理中だから今、したくてたまんないでしょ?」


 何でそんな事まで知ってるんだよ!? そう、実はそういう理由で今はおあずけ状態なのだ。


「わっ、わかりましたよ」


 僕は酒匂梅子とセックスすることにした。服を脱いだ彼女は所謂「隠れ巨乳」で成熟した大人の体形だ……桂とも、別れた元恋人とも違う。僕は風呂もシャワーも無い1kの古アパートで、


 二人目のセフレ・酒匂梅子と関係を持った。

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