表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

1話 死亡

 この作品は大体3年前くらいから構想(妄想)してたもので、何となく書いてみるか!ていう感じで書き始めたものです。ちゃんと完結させる予定です。

 毎日投稿したいと思います……一応、しばらくは。

 それでは『磁石無双』、本編へどうぞ。

 俺の名前は望月葵(モチヅキ・アオイ)、見た目はいい意味でも悪い意味でも、普通の高校生だ。

 普通の中学校を卒業したのち、第一志望であった、県内トップクラスの高校に入学。

 そこは将来有望とされる者達が――言ってしまえば、勝ち組の人間が集まる高校であり、俺の最高の人生はもう約束されたものだ。

 そして隣にいるのは、同じクラスの十河誠治(ソゴウ・セイジ)

 俺と同じく、どこにでも居そうな高校生……訂正。顔だけは俺の倍くらいいいヤツだ。

 くそう……テストの点数も成績も、十河には負けたことがないのに……!

 とはいっても仲は良く、休日になるとこうやってよく一緒に遊んでいる。

 おっと、そろそろ12時だな。


「おい、そろそろ昼だし、腹減ってきたから昼飯に焼き肉食おうぜ。俺が奢ってやるからさ」

「えー?俺、焼き肉よりも寿司食いてぇんだけど」

「寿司は高ぇだろ。誰が金払うと思ってんだよ」

「焼き肉だって高ぇだろ。そもそも普段から10万持ち歩いてるくせになんで値段気にすんだよ」

「それ外で言うなよ!誰かに聞かれてスリにあったらどうする!とりあえず、焼き肉な!」


 と、強引に焼き肉に決めさせ、近くの焼肉屋へと向かう。

 そこまではほぼ一本道なので、歩いてれば着く。その間暇だな……とりあえず、スマホ見るか。

 SNS来てたら返信しないといけないし、そうだ。あいつ、ストリーム更新してないかな。

 それに、あの人も新しく動画アップしてないかな。

 ちょっとだけSNSの確認をするだけのはずだったが、一旦スマホを開いたら気になるものを片っ端から確認してしまう。

 そうして、気付けば俺の意識は完全にスマホの画面に向けられてしまった。

 そうして、しばらく歩き続け……。


「おい、いつになったら着くんだ?」


 という十河の言葉にハッと顔をあげる。どこだ、ここ?

 えーと、マップを確認……やっべぇ、めちゃめちゃ焼肉屋通りすぎてた。


「ごめん、500メートルくらい通り過ぎてた!」

「おいおい、案内役が間違えんなよ……」

「ごめんって、じゃあ戻るぞ!」


 そう言って、進んできたのと反対方向へと走る。


「おい、ちょっと待……」


 という十河の声を無視し、焼肉屋へと全力疾走。風の音がごうごうと耳元で響く。

 すると、半分ほど進んだところで突然風が止んだ。

 それにより、風の音が消え、周囲の音が耳に届く。


「待っ……ない!……」


 遠くから、十河の声が聞こえる。なんだ?よく聞こえない。


「……う……上!」


 上?何だと思いながら、走りながら上を見る。

 うわっまぶしっ。昼のため、真上に近い場所に太陽があり、それを直視してしまった。

 くそ、ふざけんなよ。十河のせいで……!

 そして、眩しさを和らげるために目を細める。

 その細めた目に映る太陽に、小さな黒い影のようなものができた。

 何だ、あれ?その影はだんだんと大きくなっているような……?いや、違う!

 俺へと落ちてきているんだ!

 そう思い至った時にはもう遅く……ソレは、俺の顔面に直撃した。


 ガッチャン!


「葵ぃ!」


 遠くから、十河の声が聞こえるが、そんなことに構っていられない。

 ぐぁぁあ!痛い、痛い!俺は顔を押さえ、地面に踞る。

 何があったんだ!?うっすらと目を開くと、側には大量の土や花と、茶色い何かの破片。

 これらから考えるに、俺は落ちてきた植木鉢に直撃したのだ。

 クソッ、移動中にピンポイントで植木鉢が落ちてくるとか、どんな確率だよ。その確率、こんなことじゃなくて宝くじに使えたらよかったな……。

 なんて考えてる間にも、俺の意識はどんどんと薄れていく。

 視界は血によって真っ赤に染まり、地面にも赤い水溜まりができている。

 手で押さえている頭の感触がおかしいと思ったら、頭蓋骨が砕けていたのか。

 これはもう、助かりそうにねぇな……。


「葵!大丈夫か!」


 何言ってんだ、お前の目は節穴か?これが、大丈夫に見えんのか?

 まずい……手足の感覚がもう無い。

 目も、もう何も見えなくなってしまった。

 俺に残された時間は、あと30秒も無いだろうな……。


「そご、う……最期に、頼みたいことがある……」

「最期とか言うな!まだ助かるかもしんねぇだろ!」


 いや、無理だろう。これで助かるわけが無いだろうが。脳がやられてんだぞ。

 なんなら、まだ生きてることが不思議なくらいだ。

 まずい……意識がもう……もう、俺は死ぬな……。

 せめて、これだけでも……。


「いいから聞け……皆に、『ありがとう』と、伝えてほしい……」

「……分かった」


 ありがとう、頼んだぞ――そう思ったところで、俺の意識は途切れた。


...

..

.



 そうして、俺はそのまま死ぬ――はずだった。

 薄れていく意識が、上にグンッと引っ張られ、もとに戻っていく。

 気付いたら、俺は全く知らない場所で寝転がっていたのだった。

 ブックマークや感想、評価などを頂けると執筆の励みになりますので、少しでも面白いと思った方がいれば宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こちらも読んでみてください!俺の転生先が狼だったのですが

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ