魔術師ラークと灰色の混血姫

――これは、心を失った魔術師の青年が、居場所のない少女と出会い、お互いにかけがえのない存在となっていく物語。

黒髪黒目が当たり前の国ノワールで、灰色の髪と目を持って生まれた孤児の少女リタは、幼い頃から容姿を理由に虐げられて生きてきた。

ある日突然、料理店をクビにされた彼女に持ち掛けられたのは、先の戦争で単独投降した隣国ブランの最強の魔術師、ラーク・ミュセルを地下牢で監視するという奇妙な仕事で。

冷酷無慈悲で悪魔の異名を持つラークの、噂とは違い無感動な姿にリタは次第に警戒を解いていく。そしてある事件をきっかけに、ラークはリタを守るように動きだすが、リタは彼から「シエラ」と呼ばれることに疑問を感じていた。

なぜ、自分を守ってくれるのか？　シエラとはいったい誰なのか？

少しずつ距離を縮めていく二人は、知らぬ内に国家を巻き込む大きな陰謀へと足を踏み入れていってしまう。

なぜラークは単独投降をしたのか？　そもそも、どうして心を失っているのか？

その謎を探る過程で、リタは自身の隠された出自を知ることになるのだった。

果たして、リタはラークに隠された真実を解き明かし、諸悪の根源を断つことができるのか？


※カクヨムでも連載始めました。改稿は誤字脱字、細かい描写変更（語尾など）のためにしております。お話の内容に大きな変更はごさいません。