教会での洗礼の儀
テンザに従魔にしてくれと頼まれてから数年が経った。今日は俺が5歳になる日だ…すなわち洗礼を受ける日と言うわけだ。洗礼を受けるために俺は今日教会に行く。今はそのための準備をしているところだ。準備をしているとドアが
コンコン
となってシンデが入ってきた。
『ボッちゃま、準備ができましたか? 当主様がお待ちですよう。』
俺は準備ができてたこともあり、
「今終わったところだよ…父様達をあんまり待たせるのも失礼だからそろそろ行こうか。」
俺はそう言ってシンデを連れて父様達が待つ大広間の方へ向かった。大広間に行くとそこにはすでに貴族の礼装に着替えて待っている父様と母様の姿があった。
俺は二人に向かって、
『お待ちしました。』
俺はそう言って父様達と教会の方に向かうために家を出て馬車に乗った。馬車に揺られながら父様たちに話しかける。
『今日洗礼の儀で僕は魔法を使えるようになりますか?』
俺がそう聞くと父様は、
「それはわからないな。アマスはスキルと加護についてどれぐらい知っているんだい?」
『一通りのことは学びました。加護は神々が私たちに授けるもので、そのランクは一から十まであり、もらった加護にそった行動をすることでスキルが発芽します。例えば魔法神の加護を授かった場合には魔法を使うイメージをして魔力を感じ、魔力操作スキルを獲得できます。スキルのレベルも一から十まであります。』
俺がスキルと加護について簡単に説明すると父様は、
「そうだな、よく勉強してるようだ。それに加え、王族には特別なスキルが洗礼の儀の時に神々より与えられる。サイゼみたいに結婚して王族に席をおく人間には、王族に席を置く日に与えられるスキルがある。これは王族の証とも呼ばれる。そのスキルが絶対王令と服従の覇気だ。この二つのスキルが王族が絶対持っているスキルだ。」
初めて聞いた。王族に特殊なスキルがあるってことは本に書かれていたけど、絶対王令と服従の覇気だとは。
『では、僕にもその二つのスキルは絶対に出るってことですか?』
「そうだね。サンセン公爵家は準王族みたいなものだから、貰えると思うよ。」
そう言えばそうだ。この帝国において王族以上に力を持ち、独立すれば大陸のほぼ半分の領土を保有する大国が出来上がる。それが私たちのサンセン公爵家だ。
そのように話をしていると教会が見えてきた。真っ白く神々しさを感じる建物だ。
『着いたようだな、では降りよか』
俺たちは馬車から降り、教会の中に入った。するとそこには真っ白い布衣を着た60代のぐらいの女性が立っていたその女性は私たちに向かって
『ようこそ、サンセン公爵家の皆様。本日の洗礼の儀を執り行う宗神教の大司教の一人、ライラでございます。本日は何卒よろしくお願いします。』
自己紹介をしてライラさんは私たちを洗礼の間へ案内した。ここで洗礼の儀を行うようだ。
『では、本日洗礼の儀を受けるアマス様、洗礼の間の中央で神々に祈りをしてください。』
俺は言われるがままに洗礼の間の中心へといき、祈るように膝をついた。すると、いきなり神々しい光が洗礼の間を照らした。何事かと目を開くと…