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どうしようもないバカの初恋

作者: FL15

みなさんが「恋」と言うものを認識したのは

いつ頃だろうか?


自分は中学三年生だった。

きっかけは、ごくごくありふれたもので、

探せばそこら中に転がっているようなものだった。


告白したくても勇気が出なくて、

初恋を一年拗らせた。


でも、新学期を迎えて、覚悟を決めた。

彼女を呼び出して告白しようと思った…


けど、出来なかった。


どうやら転校していたらしい。

ただ、そんなことで諦められるなら

一年も拗らせていない。


すぐに、電話した。

転校の理由を無理に聞くつもりはなかったが、

話してくれた。


「いじめ」だったそうだ。


その時の無力感と言ったらなかった。

「どうして相談してくれなかったのか?」

「ただの友達には言えなかったのか?」

そんな言葉ばかり浮かんだが、

口から咄嗟に出たのは、


「生きててくれてありがとう。」


これだけだった。

そこからの会話はよく覚えていない。

ただ、言葉を尽くして励ましたこと。

電話口に嗚咽が聞こえて来て、

それが、なによりも辛くて痛かったこと。

この二つのことしか覚えていられなかった。


気づけば傾いていた夕日が落ちきっていて、

静かな気配があたりに満ちていた。

通話の後、心の中は後悔の念で埋め尽くされていた。

「いつでも気づけた。」「声をかければよかった。」

絶えず浮かぶのは、そんな言葉ばかりだった。


正直、実行犯を社会的にも物理的にも、

抹殺したかったけどれど、本人が望まなかった…

だから、自分は何も言えないし、できない。


切なかった。もどかしかった。腹が立った。

相手にも…自分にも。


告白なんか出来なかった…出来るわけがなかった。


だがしかし、自分も彼女もまだ生きている。

チャンスは待てばまたやってくる。

彼女の心が癒えるのを待って、もう一度、なけなしの勇気を振り絞ろうと思う。


空は、そんな覚悟を知ってか、知らずか

雨を降らしていた。


最後まで閲覧していただきありがとうございます。


全て実話です。

みんなさんは、後悔なんかしないように

早めに突っ込んだ方がいいよ。

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