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それからレグノがこの場を収めるのに一分もかからなかった。野良犬達は為す術もなく、レグノに倒された。
レグノは足元に転がっている野良犬達の死体を無造作に持ち上げるとカオスの元へと戻った。流石に一回では運びきれなかったようで三往復した。その歩数はたったの五歩。現場からカオスの元まで直線距離で約250kmもある。だが、レグノはその距離をたったの五歩で移動した。それは漫画や小説でページをめくるとシーンが切り替わっているような感覚に似ていた。
「すみません、つい熱くなってしまい遅くなりました」
「いや、いいさ。久々に面白いものが見れたよ。
それで、ニヒルはどうだったかね?」
「やはり、カオス様が仰っていた通り、能力のバラつきは無く、安定していました。私が攻撃を支持した孤児院は何の被害も無く無事だったようです。
お望みならば消しに行きますが」
「そこまでしなくてよい。機会があれば、いずれそこから実験台を補給することになるかもしれないだろ?」
「そうですか。
本題ですが、今回の騒動はどういった内容でケジメをつけましょうか?」
レグノがそう尋ねるとカオスの顔はニヤけた。
「そうだな。彼らと取引をしようか。今回の件の首謀者を差し出せば残りの奴らは不問とする取引だよ」
「お言葉を返すようですが、こちらに一体何のメリットがあるのでしょうか?」
「取引をするのだから、多少のデメリットはある。だが、それを全て帳消しに出来るぐらいのお釣りが来るよ。そろそろ新しい犬が欲しいと思っていた頃合いなんだ。古い奴から捨てていかなければな」
カオスはそう言ってニヤリと笑った。