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アブソリュート・イモータル  作者: ぞのすけ
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033

「ふぅ、すみません。お待たせいたしました」

 部屋を出て十分、リーファとシャルルが戻って来た。

「うふふ、その体でもお手洗いが必要なのですね」

 ニアはにこやかに笑いながらそう言った。シャルルの顔は軽く引きつっている。

「おや、バレていましたか。何時からでしょう?」

「初めからですよ。あなたがこの屋敷に侵入していた時から。その体はあなたが操っているだけのものでしょう?」

「流石です。まぁ、ちょっとした魔力補充と言いますかね」

シャルルは一つ咳ばらいをすると、元居た席に着いた。

「それでは、お話の続きをしましょう。ヴィクトリアまでお話ししましたよね? では次は、ストラトス・トルクレイトという人物です。

 この人物はとても幼い見た目をしています。しかし、とても強力な力を持っています。彼女の力は捻じる力がとても強いのです。一度腕を掴まれたのならば、その腕は綿を捻じ切るも簡単に捻じ切られるでしょう。なので、もし戦闘になった際は近付くのは自殺行為かと。まぁ、これは現段階での資料なので、次会った時にどうなっているかは分かりませんがね」

 シャルルはそう言って高らかに笑った。

「すみません、話を続けますね。次はニヒル・エンドハイド・ダミーです。彼女の特徴はなんと言っても左右非対称の目の色でしょう。オッドアイというやつですね。すみませんが、彼女の分かっている情報はここまでなのです。彼女の情報にアクセスしようとすると何度やってもエラーになる上に、やっとアクセス出来たと思ったらビックリ箱からピエロが出てくる映像しか映らないのです。これが彼女の能力なのか、そういう仕様なのか分かりませんが」

 シャルルはそう言って皆を見た。そして、一つ咳ばらいをした。

「ゴホン、それでは次を紹介しますね。次はエキラドネ・ホールドです。

 彼女は空気中にある熱を自分の体に集めることができます。そして、その集めた熱を放出することができます。

 どんな極寒な地でも関係なく集められるみたいで、軽く熱学を無視していますよね」

 シャルルは笑いながらそう言った。

「あら、魔法使いだと言うのに科学にも知識がおありなのですね」

「学校で習う程度のものまでですよ。

 話を続けますね。私が得られた情報の中で最後の人物です。その人物の名前はエバンドロ・アブソーバー。彼の能力はあらゆる衝撃を自分自身の体に蓄積することが出来ます。その最大値は約十三万トンと言われています。その蓄積していた衝撃を自分の拳なんかに乗せて放てるようですね」

「あ、あの、横やりを入れるようで申し訳ないのですが…」

 シャルルが説明をしているとリーファが手を挙げて発言をした。

「はい、どうしたのでしょう?」

「その、アブソーバーさんもホールドさんも自分の力によって怪我をしないのでしょうか?

 例えば、十三万トンのパンチを打てば普通の人間ならば骨は耐え切れないのではないでしょうか…」

「いい質問ですね。

 確かにリーファさんの言う通り、普通の人間ならば熱を放出したり、電気を放出したり、十三万トンの衝撃には耐えられません。まぁ、普通の人間はそんなことできませんがね。

 彼らには首輪がついています。この首輪は彼らの治癒能力を人間以上のものにしています。腕が取れても生えてきますし、火傷しても一秒かからずに治ります。それだけなら可愛いのですが、彼らは生命の維持が不能になっても約一秒程で復活します」

「もはや、化物だな。で、そいつらを殺す方法はあるのか?」

「厳密に言えばありますが、その方法は特殊過ぎて、無いに等しいです」

 シャルルはそう言うと腕につけている時計を気にした。

「おっと、すみません。残念ながら時間が来てしまいました。まぁ、話せるところまで話せましたので、丁度キリがいいと思ってください。今度、お伺いするときは美味しい茶菓子でも持って参ります。それでは」

 シャルルはそう言うと文字通り消えた。静かになった部屋でニアが紅茶を啜る音だけが響いた。

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