閑話
「あ、あの…、ニア様」
オルカを助けに行く道中、不意にリーファが話しかけてきた。
「どうしましたか?」
「い、いえ、何故、リンクロッド様やダレン様などではなく、私を連れて行くのか気になりまして。
私って特にこれと言った特技もありませんし、ニア様の役に立つことは出来ませんよ」
「別に構わないわ。
私一人だけでも良かったのですが、それでは道中の暇つぶしが出来ませんもの。
それに女性だけで話すのも中々、無いことですし。
それだけの理由では嫌でしたか?」
「い、いえ、そんなことは。
私はニア様のお供を出来るだけで幸せですから」
「こんな死なない体になっても?」
「え、まぁ、それは別問題と言いますか…
幸せかどうかと聞かれると、どちらとも言えないです…」
「ふふっ、あなたの正直なところは私は好きですよ。
リンクロッドと違って忖度がないから」
「リンクロッド様はあれはあれで本心だと思いますが」
「そうかもしれないけど、私の言うことを、ホイホイ鵜呑みにして機嫌を損ねないように取り繕い、振る舞い続けるのもどうかと思いますが。
貴女もたまには上の人間に物を言うようになりませんといけないわ」
「いえ、私はそう言うのは…
ニア様を始め、エルドルト家の皆様には感謝してもしきれない程の恩を頂きましたから、私はこの家に入れるだけで充分なのです」
「…そう。
それにしても、ドレスは動きにくい上に目立ちますね。
どこかで着替えましょうか」
ニアはそう言うとニコリと笑った。
二人の無駄話です。本編に関係あるか、と聞かれたら関係あるかもしれませんし、無いかもしれません。
ふと、思いついたので書きたいな、と。