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4 ハロワ

「ここが波呂ワークか。冒険者ギルドと随分雰囲気が違うし、建物も不思議な作りだな。」



 俺達が訪れた波呂ワークは、ごっつい男達が溢れかえって騒がしい冒険者ギルドと違い、とても落ち着いた雰囲気の場所だった。建物も不思議な石の壁で作られており、所々にガラスの窓が設置されている。


 なんというか、近未来的というか……。

 風情はないけど、効率重視って感じかな。



「これは、ビルと呼ばれる建物でござる。石より硬くて頑丈な、コンクリートと呼ばれる物で作られているでござるよ。それと波呂ワークは、一般の人に対する職業斡旋もしていることから、冒険者ギルドとは少し違うでござる。ここは五階建てでござるが、魔石交換は一階の窓口でござる。」


 

 イモコから説明を受け、入口に入ったところで立ち止まっていた俺は、歩き出す。

 入口を入って直ぐのところにカウンターがあり、ビシッとしたスーツを着たおねぇさんが立っていたが、今回はスルーして通り過ぎた。そこはインフォメーションカウンターと呼ばれる案内所らしいが、イモコがいれば案内は必要ないためだ。できることならば、あのおねぇさんに色々と教えてもらいたかった……。


 俺達はそのまま通路を抜けると、大きな広間に着く。

 そこにはイモコと同じ様な服装をした者達が結構集まっており、みんな綺麗にカウンターの前に並んでいた。



「着いたでござる。ここは戦闘関連の仕事斡旋している部屋で、魔石の交換も行っているでござる。早速交換に行くでござるよ。」


 

 イモコはそう説明すると、俺達もカウンター前の列に並び始めた。そして、やっと自分達の番がくると、カウンターにいる女性は綺麗なお辞儀で挨拶をする。


 

「いらっしゃいませ。ようこそお越しくださりました。本日はどのような御用件でしょうか?」



 うむ。アバロンの冒険者ギルドの受付嬢に引けを取らない丁寧さ。

 でも、やっぱこういう機械的なのは好きじゃないなぁ。

 だ、だが……。

 そのスーツパンツから伸びる脚線美は……。



「サクセスさん!」


「は、はい! シロマ様!」



 おっと、油断していたようだ。

 そういえば、シロマもいたんだったな。

 あぶねぇ、あぶねぇ。



「何がシロマ様ですか……。魔石を交換しにきたんですよね?」


「そ、そうだべ。あ、カリー。じゃあそれ渡してちょ。」


「おいおい、こんな所で痴話喧嘩するなよなぁ。恥ずかしいぜ。ほら、ねぇちゃん。これを交換してほしいんだが、いくらになる?」


 

 ドンッ!



 カリーはそう言うと、手に持っていた巨大な魔石をカウンターに置いた。

 すると、さっきまで作られた笑顔をしていた女性の顔が、あわわわわっ……と声が漏れそうな程驚くと、とまどいの表情を纏い始める。



「こ、これは……!? しょ、少々お待ちください! 責任者を呼んできます。」



 どうやら、自分では手に負えないと判断したからか、それだけ言い残して奥の部屋に引っ込んでしまった。まぁ、適当な事を言われたり、嘘をつかれるよりは大分マシだが、呼ばれてくる責任者がクズで無い事を祈ろう。


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