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2 冒険者ギルド

 さてやってまいりました冒険者ギルド! 

 

 予想通り、ギルドの中には、人相の悪い屈強なダンディや目つきの悪い魔女っぽい人が沢山います。



 スーハー、スーハー。 



 俺は大きく息を吸い、勇気を振り絞って中に入った。



「す、すいません! 冒険者登録をしたいのですが……。」


 

 俺は窓口に立っている飲み屋のママのような女性に声をかける。 



「なんだい、坊や。冒険者になりたいのかい? だったらその紙に名前と職業と年齢を書いて、一滴血を垂らしな。それで終わりさね。」 


「はっはい! え? 血ですか……?」 



 血を出せと言われビビる俺。 

 いや、普通に嫌っしょ! 

 一滴だって怖いやい! 



「怖いかい? 怖いならやめときな。あたしゃ忙しいさね、さぁ帰った帰った。」 



 そんな風に言われたら、意地でも帰りたくなくなる俺。 



 ビ、ビビったら負けだ! 

 やったんぜ、おら!



「やります! 俺は……俺は冒険者にならないと生きていけないんだ!」 


「そ、そうかい。じゃあさっさとすましな。それと、あたしの名前はルルーよ。」 



 俺の突然の気合に若干引いたのか、後ろずさるルルー。



「俺はサクセスです。よろしくお願いしますルルーさん!」



 サクセス 16歳 戦士



 早速もらった紙に名前等を記載し、勇気を出してどうのつるぎで指先の先端を切ろうとした。 



 シュ……。 



 あれ? 血が出ないぞ? 



 あろうことか、この剣は俺の柔肌すら切れない。

 とんだなまくらだわ、これ。 



「なんだい、ぼうや。そんななまくらしかないのかい? ほら、このナイフ使いな。」 



 指を切る事も出来ない俺に、ルルーは一本のナイフを差し出した。 



「はい、ありがとうございます! って、痛っ!」 



 さっきと同じ感覚で指を切ると、切れ味が全然違って思わず深く指を切ってしまう。 


 思いの外、指から大量に噴き出る俺の血液。

 その光景を見て、顔が青ざめていく。 



「馬鹿ね。切り過ぎよ坊や! ほら特別に布を貸してあげるからちゃんと止血しなさい。」  


 俺は、直ぐにルルーが差し出した布で指をきつく縛って止血する。 

 今までこんなに出血したことが無かったから正直物凄く焦った。 

 ルルーが布をくれなかったらヤバかったな、俺の精神が……。


 ルルーに感謝だ。 



「たびたびすいません、ありがとうございます。」 


「落ち着いたかい? 坊や。それじゃあ、冒険者カードを確認するさね。」 



 ルルーに言われて、俺は血塗られた冒険者カードを確認する。


 サクセス 16歳 戦士 

 レベル1(総合25)

 力   5 

 体力  5 

 素早さ 5 

 知力  5 

 幸運  5  



 俺、よっわ!!



「まぁ、最初はそんなもんさね。これで登録は済んだからレベルでも上げてきな。最初は誰もパーティを組んでくれないだろうけど、どうしても仲間がほしかったらあたしに言いな。仲介料さえくれれば募集はするさね。」 



 ルルーさんは、初心者の俺に細かく説明してくれる。いい人で良かった。



「色々とありがとうございます。ところで、クエストとかはないんですか?」 


「そこの張り紙に書いてあるやつがそうさね。まぁほとんど残っちゃいないよ。坊やはまず、レベルを上げるさね。」 


「わかりました! では行ってきます。」 


「あ、ちょっとまちな! 一応言っとくがね、魔物を倒して出た魔石はちゃんと拾うさね。ここで交換してあげるから。」 



 ふむふむ、魔石交換はここでできるのか。

 よし、魔物を倒したらまずはここだな。 



「はい! ありがとうございます。」 



 こうして俺は冒険者ギルドの登録を済ませ、魔物が出現する大草原に向かうのであった。


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