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Episode of Siroma 4

※ この回だけ、シロマ視点となります。



「とうとう最後まで来たね、シロマ。」


「はい、遂にここまで来れました。ラビさんとの契約も、これで終わりですね。」


「そうだね、僕と契約してくれてありがとう。君は立派な時空少女だったよ。」



 10個目のグリムワール攻略が終わり、最初の契約の通り、ここでラビさんのサポートは終わりです。

 最後のグリムワールだけは、一人で戦わななければいけない。



 思い返すと、今から3年前。

 ラビさんこと、ラビッツと出会ったのは最初のグリムワールの世界でした。


 

 最初の世界に行った時、本当は怖くてしょうがありませんでした。

 だって、草も、虫も、鳥も、卵も……全てに気持ち悪い顔が付いていたんです。

 

 動物達に、元々顔があるのはわかるのですが、それが人間と同じ表情をするものですから、気持ち悪くてしかたありませんでした。

 そして、みんな私に気さくに話しかけては、私を騙そうとしてくる……。



 本当にあの世界は怖かったです。



 でも、ラビさんがいてくれたおかげで、なんとかその恐怖に耐えれました。

 そして騙されずに進むことができたのです。

 あの世界に行く前に、ラビさんをサポーターに選んで、本当に良かったです。



 それでも最後だけは、もう無理だと諦めましたんですよね……。

 今思えば、あれも懐かしい記憶です。



 そう、あの時……クイーンとの戦争……。



 せっかく味方になったはずの人たちが、次々と裏切り、そして、最後にはラビさんと私しかいない。 

 完全に積んでいた状況で、ラビさんは言いました。



「僕と契約して、時空少女になって欲しいんだ。そうすれば、僕は、君の願いを一つ叶えることができるよ。」



 私は、その不思議な言葉を信じて、ラビさんから力をもらい、時空少女になりました。

 そして、その力を使い、魔女であった女王を倒し、一つのことわりを得ることができたのです。

 その弊害として、記憶にモヤがかかってしまい、元の世界の記憶を少し失ったみたいですが、問題ありません。

 

 だって、私の目的だけは、絶対に忘れませんから。

 私がこの世界に来た目的、それは……



 この世界の穢れを全て浄化し、本に潜む魔女を倒す事



 これさえ、忘れなければ、後は些事に過ぎません。

 そしてあれから3年。

 長かったですが、私の戦いもこれで最後。

 


 最後の本の名はーーナイト オブ ヴァルプルギス



 これこそが、10個目の理を知った事で現れた、最後のグリムワール

 ここの世界の魔女を倒せば、私の目的は果たされます。

 


 とはいえ、やっぱり一人で戦えるか不安ですね……。



「大丈夫。シロマならできるよ。そんなに不安そうな顔をしないで。」



 最後のグリムワールを前にして、未だに踏み出せずにいる私。

 するとラビさんは、私の心を読んだのか、そういって励ましてくれた。



「はい、ですが……やはり、最後となると緊張してしまいます。それに、ここからは私一人ですし……。」



「心配しないで、シロマ。どんな事があっても諦めなければ、必ず君の夢は叶うよ。そして、もしこの先、君が望まない運命が待っていたとしても、君なら変えられる。滅びも、嘆きも、全て君が覆すんだ。そのための力が、君には備わっているよ。」



 ラビさんは、そう言いながら、赤いビー玉のような目で、私を見つめた。

 そしてその言葉を受け、勇気が湧く。



「はい、いつも励ましてくれてありがとうございます。わかりました、どんな事があっても諦めません。それでは、行ってきます。」 



 こうして、私は遂に、最後のグリムワール【ナイト オブ ワルプルギス】のページを開くのであった。





 そう言えば、私が最初に叶えてもらった願いってなんでしたっけ……

 

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ( ゜∀゜)・∵ブハッ!! [気になる点] ここでまさかの、まどかマギカですか~♡(笑) 明らかにQBらしきもの居るし…( ゜∀゜)・∵ブハッ!! [一言] 素敵な小説ありがとうございます…
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