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44  集会と命名式

〜報告〜

前話で節目となる10万字を超えていました。

今まで読みに来てくださった方、感想や評価、ブックマーク登録をしてくださった方、誤字脱字報告をしてくださった方々。

誠にありがとうございます。

感謝表明が遅れてしまい申し訳ございません。

今後とも面白いと思っていただけるような作品を執筆していきますので、ぜひ読みに来てくださると嬉しいです。

 思念共有を獲得して分かったことだが、Lv.1から100%の共有はできないみたい。

 ちょっとした感情がうっすらと理解できる感じ。

 ぶっちゃけたことを言うと、今の段階だとスキル【読心術Lv.4】を併用しないとほぼ使えない。

 ゴミ? 違う、ゴミくない。


 今まで頑張って貯めたスキルポイントで「ゴミを習得しちゃった」そう思ったけど、大器晩成型のスキルなのかもしれない。

 認めるのは癪だけど森さんみたいに。

 今ではまぁそれなりだけど、初期の森さんまじで何も知らないポンコツスキルだったし。


《……》


 昔はだよ森さん。

 だから拗ねないでね。


 私は2本のプチマンドランに視線を移す。

 あれから程なくしてもう1本の方も誕生したけど、なんというかあれだよな。

 気がつくと私は2本のプチマンドランの頭をポンポンと撫でていた。


 嬉々の感情が伝わってくる。

 ()い奴め。

 でも切り替えなくちゃ。


 さっ、じゃあ植物衆の第一回集会でも開こうか!


 私はプチマンドラン達に初めての指示を出した。

 株分けして植えた種達8個を一箇所に集めるように、と。

 正しくは種は動けないから植え替えてという指示を出した。

 それも言葉ではなくイメージ、プチマンドランと種を私の脳内でイメージ再生した感じだ。


 2本のプチマンドランは私の指示を理解したのか、千鳥足ながらももくもくと作業をし始めた。

 根を傷つけないように優しく掘り返し、指示した位置に植え替える。


 当然、私も見ているだけでなく率先して動いた。

 トップに座して指示だけを出す指示廚にはなりたくないというのもあるけど、私がやったほうが早く済むから私はテキパキと動いた。

 私が全てをやるんじゃ彼らは成長しないから、いい見本になるようにという意も込めて。

 だって私はお母さんだからね。




 整列は私を中心に弧を描くようにして並べた。

 端にはプチマンドランを立たせ、集会準備完了。


「ゴッ」


 私は軽く咳払いをして胸を張り、思念共有を始めた。


 まず初めに、初めまして。

 私が君たちの親だから、カシラとか御袋とかって呼んで欲しい。

 (こんくらい格好つけるのは別にいいよね)


 君たちは私が発足させた『植物衆』の栄えある一期生である。

 そして植物衆の目標はただ一つ。

 この殺伐とした場所を樹海という名に相応しい植物の楽園にすること。

 今、この樹海には命に関する危険がそこらじゅうに転がっている。

 無論、同族殺しも存在する。

 秩序も規律も存在しない、それがここ樹海。

 はっきり言うが私たちは超弱い。

 だからこそ群れる。

 群れて自分の居場所は自分たちで守る。


 とりあえず、今いるここが私たちのシマになるから。

 ここから徐々に勢力を拡大して、いずれはこの樹海を私たちの手で植物の楽園へと作り替えよう!

 ……いや、私たち同族(植物)以外からしたら地獄にしよう!

 雑草のようにしぶとく生き残って、最後には勝利の美酒を浴びようじゃないか!

 ここに、植物衆結成を宣言する。

 戦乱の世よ、我らが天下人じゃーっ!




「「……」」




 プチマンドランと種は私の演説を聞き終えると首を傾げていた。

 感情は困惑。

 理解してないなこりゃ。




《解:是》




 やっぱりな。

 私も喋ってて気持ちよくなっていたけど、思い返せば恥ずかしいことをぺちゃくちゃ言っちゃってるし。


 と、とにかく頑張って生き延びよう!


 私は簡潔にまとめて子供達に伝えた。

 簡潔な言葉なら通じたのか、納得してくれたみたい。


 はぁ、何が天下人だよ。

 なんか黒歴史が一つ増えた気がしなくもないけど、森さん以外はわかってないしいっか。


 んじゃ、命名式に移行しようかな。

 いつまで経っても種だのプチマンドランだの言うのもあれだし。

 ……いや、一気に命名できる気がしないわ。


 正直に言うと種たちに関して言えば、外見だけだと見分けがほぼつかないし。

 指揮官階級のプチマンドラン2本にだけ名前をつけようかな。

 種達は進化をした個体につけていく感じで。


 この2本は元々私の左腕と右腕だった。

 今はもう生え変わったけど、そう言った意味では……。

 あと、外敵を払うという意味も込めて。


 元右腕を阿形(あぎょう)、元左腕を吽形(うんぎょう)ということにしようかな。




《告:命名に成功しました》

《プチマンドラン、個体名阿形(あぎょう)を取得しました》

《プチマンドラン、個体名吽形(うんぎょう)を取得しました》




 よし。

 これからよろしくね、阿吽。


 阿吽と名付けられた2本のプチマンドランは私に対して膝をつき、そして頭を下げた。

 それを見習うように種たちも綿毛をクネっと折り曲げた。

 私の脳内再生のイメージを受け取ってくれたのか、イメージ通りに頭を下げる子供たちに気分がよくなる。


 こりゃいい。

 クセになりそうだわ。

 今まではこんな目立つようなことしてこなかったし、というか目立つことを避けていた節まである。

 それなのに、ね。


 まぁ、虚しいかな子供たちは私の分体だから100%私の遺伝子なんだけど、それはそれってことで。


 じゃあ早速子供達の強化、レベル上げをやっていこうかな。

 私レベルになれば、介護プレイをしてあげられるはずだし。

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