「いい人になりたい」「……なれたら、いいね」5
「それいいな」
「いいってことはわかるんだね」
「話しにならん」
「そうかな」
「あいつってああゆうところあるだろ」
「同調します」
「あいつはあれだからな」
「同調します」
「ああゆう奴とは友達になれない」
「本人に伝えてきましょうか?」
「あれはいかん」
「あれとは?」
「話しの流れでわかるだろ?」
「だれのこと?」
「おまえの友達のこと」
「は?」
「あれはいかんよ」
「それにしよう」
「いや、それにしよう」
「いや、それがいい」
「いや、それじゃなきゃ嫌だ」
「じゃあ好きにすれば?」
「いいの?」
「いいんじゃないでしょうか」
「そう言われると心配になってくる。やっぱり止めようかなあ」
「なんじゃそりゃ」
「あれはダメだ」
「じゃあなにがいいんだ」
「あれがいい」
「そのためにはどうしたらいい?」
「各自で考えたらいい」
「考えれなかったら?」
「それはダメだ」
「だれがダメなの?」
「おまえがダメだ」
「だれがいいの?」
「そういう問題じゃない」
「じゃあどういう問題なの?」
「あいつは失敗した」
「失敗は成功の元だよ」
「違う。失敗は失敗の元だ」
「じゃあ成功は?」
「成功は成功の元だ」
「そうなの?」
「失敗は繰り返されるが、成功の仕方をわかっている人は成功し続けることができる」
「初めて知った」
「失敗が成功の元なわけないだろ」
「そんな馬鹿な」
「これをあの時間までにできるか?」
「わかりません」
「わかりませんじゃない。絶対にやれよ?」
「わかりません」
「わかりませんじゃなくて。できるかできないかを聞いてるんだよ」
「わかりません」
「話しにならん。もういい」
「いいんですか?」
「これをあの時間までにできるか?」
「はい。わかりました」
「おいやってないじゃないか。嘘をつくなよ」
「怒鳴らないでください」
「おまえがいけないんだろ。できないことをできるって言うから」
「できるとは言ってません」
「できるって言っただろうが」
「あいつ変わってるよな」
「そうかな」
「ああ。変わってる」
「いやもう変わったと思うよ」
「ん」
「いや。だからもう変わったと思うよ」
「ごめん。意味わかんない」
「謝んないでよ。どうした?」
「そのときはよろしく」
「よろしく?」
「よろしく」
「ん? よろしくってどうしたらいいの?」
「それがわかんないの?」
「うんぅん。そのときもわかんない」
「あのイメージと違う」
「どの?」
「あの小説のアニメ化された主人公の声が全然合ってないんだよ。観る気なくすわー」
「なんでイメージを一致させる必要があるんだ? そんなアニメつまらないだろ」




