姉ちゃん離れ
キルismはやくも行き詰ってしまった。。。
結構エグく、重い話にしようとしたらどうしようかって、そんなときにネタとは関係ないネタを思いついたのがこれです。
読んでくださると嬉しいです。
僕には姉ちゃんがいる。僕は14歳、姉ちゃんは26歳。
そんな姉ちゃんは共働きで忙しい親に代わって、僕の面倒を見てくれていた。そんな姉ちゃんが大好きだし、僕が姉ちゃんっ子である原因なのだ。
小さいころからの口癖は「僕ね!大きくなったら姉ちゃんと結婚するの!」今もはっきり覚えている。世の弟諸君はこれを見てどう思うだろうか、黒歴史、消したい過去、首の後ろがかゆくなる。僕ははっきり言える。まったく、微塵も、これっぽっちも恥ずかしくない。だって今でもそう思ってるから。でも、現実は厳しい。日本では姉弟の結婚はできない。この現実を知ったのは、僕が中学に上がったときだ。小学校から友達だった奴に「涼太は、将来どんな夢あんの?」と聞かれたのがきっかけ。
「姉ちゃんと結婚する」堂々と、何の悪びれもなく、はっきりと答えた。笑われた。友達は大笑いしながら、「涼太、姉弟で結婚できないよ。」と返されたとき、頭が真っ白になった。視界がフェードアウトした。
今思えばこれを話したのが、大樹でよかった。もし他の連中に話してたら入学早々いじめにあっていたかもしれない。今じゃこの現実を受け入れてはいるけど、姉ちゃんとずっとに一緒に居たい。その気持ちは変わらない。
そんなシスコンな弟の物語だ。
「涼太ぁ、ごはんだよー」
家中に姉ちゃんの声が響く。この声で僕の一日が始まるのだ。両親が共働きで家にいることが少ないため、基本的な家事は姉ちゃんがこなしている。姉ちゃんは26歳で、医療事務の仕事をしている。僕を起こして、朝ごはんを食べさせ、自分の弁当をつめて、出勤する。これがテンプレート。
「じゃっ、食べ終わったらお皿、お水に浸しといてねぇ」手を振る姉、返す僕。
言われたとおりに、食べ終わった食器を水に浸して制服に着替え、家を出る。学校へ向かう途中で大樹と合流し、一緒に学校に行くのがこの一年間変わっていない。大樹が聞いてきた。
「涼太さ、好きな女子とかいないの?」
「えっ!?」
「クラスにさ、好きな女子とかいるだろ?」僕が困った顔をすると大樹は思い出したように言った。
「まさか、まだ姉ちゃんと結婚したいって思ってんの?」
図星だった。黙り込む僕に大樹が追い打ちをかける様に言った。
「さすがにさ、中学生にもなって姉ちゃんにべったりはやばくね?」
これだけは言われたくない言葉だった。理解不能な言葉が僕の胸に重く突き刺さった。
…思考停止…
どうやって学校についたんだろう。大樹はあの後一人で永遠に語ってたのか。そんなわけはないんだろうけど、大樹の言った一言から学校につくまで意識が無いなんて思いもしなかった。
結婚するなら姉ちゃんがいい。
子供のころにそう思うのなら自然なんだろうけど、中学生になってそれを言葉にするのは難しい。意中の相手に告白するとき、一世一代のプロポーズみたいなものじゃなくて、周りが異常者を見るような気がするから。頭の中ではわかっていたのかもしれない。姉離れしなきゃいけないことを。いつまでも姉ちゃんに甘えていられないこと、姉ちゃんと結婚できないこと。
読んでくださってありがとうございます。
おまけパートも別に投稿しますね。そちらもお願いします。