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実姉4
実姉夫婦は、数年に1回、引っ越しをする癖があった。姉婿の仕事先は変わらないのに、である。ひどいときは、数ヵ月に1回引っ越しをした。
ある日、実姉が我が家の近所に引っ越しすることになり、買う家を見にきた。
同行していると、実姉が
「頭金を貸してくれ」
近所になることだし、と、それまでの実姉からの仕打ちを忘れて、頭金200万円を貸してやった。一応、念書を書いてもらった。
それから数年が経った。姉婿の姉が亡くなり、姉婿が資産を相続した。貸したお金が返ってくるとばかり思っていたら、それから数ヵ月経っても、電話一つ寄越さない。
仕方なく、催促に行ったら…
「おまえ、呆けたのか?」
と言われた。
借金した覚えがないと頑として言い張る実姉。
念書を見せると、実姉は顔色を変え、慌てた様子。実姉は、念書を書いたことを忘れていたのだ。
その後は、貰った、とか、言い張る始末。
しつこく言うと、やっと返してくれた。
しかし、その後、実姉(きょうだいの年長者)は、実兄、実弟たちとの大事な相談事のとき、私を村八分にするようになった。