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異なる世界で見つけた○○!  作者: 珈琲に砂糖は二杯
第三章《ワカシとセイゴとメジマグロ》
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第7話 『○○→橋渡!』


「そうじゃない……、いいか? 剣を振るっているつもりかもしれないが、お前は剣に振られている」


「えっと、こう、かな?」


 この街に着いてから2日経っていた、加藤は他の面々を避けるように過ごしていた。正確には彼女達とずっと一緒にいるアーダに会うのが恥ずかしいだけなのだが。

 とにかく、そんな状態の加藤相手であっても、鍛錬は欠かさず行われていた、そして鍛錬の時だけは常の彼であった。


「分からんかの、小僧? 良いか、お主は別段、腕力が無いわけではない……寧ろあるほうじゃろう。そうなってしまっておる原因は腰じゃよ、引けておる」


「いやぁ、なんか怖いっていうか? 危ないもんだからさぁ……。つい、な?」


 デイリーの言うように、少々腰が引けていた。とてもではないが、剣を振るう者の姿には見えたものではなかった。


「まったく、木剣ではそれなりに出来ていたというのに、真剣になった途端にこれか? いいか、この鍛錬は剣を己の一部にするためでもある。これが何を意味するのか分かるか?」


「えーと、強くなるため、だろう? というか木剣で、もっと戦い方を練習、いや修行した方がいいと思うんだけども」


「違う、いやそうなんだが、今求めたのとは異なっている。正解は、共に戦う仲間を得るという事に繋がるんだ」


 ルクーツァは、そう言う。だが加藤は以前の事を思い出して反論をした。


「は? 俺はぶっちゃけ剣使えないけど、ルクーツァがいるだろう? それにさ……」


「ほっほっほ、小僧はなまじ考えが柔軟なだけあって気付かんのじゃろう。良いか、基本戦いとはモンスターとのものじゃ、以前のお主のようなものは例外なんじゃよ。その際にがむしゃらに剣を振るう……今のお主に出来る剣もまた1つの在り方、それはそうじゃ。だが、それでは他の者を傷つけるかもしれないとは思えぬか?」


「あぁ、そっか。剣を持つなら……ちゃんと振るえないと、確かに……」


「そのためには、敵を倒すための動きではなく、まず第一に剣を振るえる事が大事。そして振るえるという事は、それはつまりモンスターと戦える事に繋がる。焦る事はない、お前は着実に強くなっているさ。木剣を握らせたのは、握りを覚えさせるためだけなんだ、すまんな」


「あー、うん。いや、いいよ。それに真剣にビビってた俺が情けないだけだしな? でもやっぱり怖いんだよなぁ、だってこの前ちょっとカスっただけで血が出たんだよ、いやー本物なんだよな」


 そんな雑談を交えながら、剣を振るう。

 とても剣を振るう者の姿には確かに見えないかもしれない、しかし戦おうとする意思は確かに、弱弱しくもあるが以前よりかは増している事が見て取れる姿だった。


「ふふっ、頑張っていますね。あ、デイリー様に何か言われたのか、足が地に着いてきましたね……。カトーさんの足腰の地力は侮れません、一気にモノにするかもしれませんね?」


「んー、でもなぁ……やっぱりデイリーやルクみたいには見えないね。やっぱりヒロもまだまだだよっ」


 そんな青年を遠めに眺めている女性たちが居た。

 エリアスールは加藤の変化を見て取って喜び、レイラは雲の上の存在と比べてまだまだだと笑う。


「あの者は、私達の護衛なのだろう? 正直のところ、それほどの腕には、というかとてもでは無いが護衛と言える人物には見えないんだが」


「そうですわね、カトウと言ったかしら? あれではウチの新兵にも劣りますわ、見ていて腹が立ってくる立ち振る舞いですわね……」


「あははー、そうだねぇ。ヒロじゃ、ボクの妹にも勝てなさそうだよ」


 その言葉に答えるのは、それぞれ異なる種族の女性たちだ。

 勿論、その中には加藤が会うのが恥ずかしがって避けていたアーダもいた。


「んっ……あまりカトーさんの事を見縊らない方が良いかと思いますよ。ああ見えて、デイリー様にルクーツァ様といった本物の武人が見込んだ逸材なんですから」


「そうだねぇ、わたし達は別にそういう意味で言ったわけじゃないよ? ヒロは初めての討伐で中型のロイオンが出ても、自分に出来る事を冷静に考えて、わたし達に言えるくらい強いヒトなんだからね?」


 先ほどまでは、情けない姿を微笑みを浮かべながらも笑っていた彼女達。

 だが他の面々にそれを言われる事とそれは何かが違うのだろう、棘を含んだ言葉を投げつける。


「これは……いや、失礼した。別段、馬鹿にしているわけではないのだよ。ただ少々、な」


「馬鹿にも何も、アレを見る限りではそうとしか言えませんわね。しかし、あれほどの者が見込んだ、というのが確かであれば認識を改める必要を感じますわね?」


「うはー、ロイオンに会っちゃったの? ボクも有るんだけど、怖いよねぇ……最初の頃なんて後ろで縮こまるくらいしか出来なかったんだけど」


 その言葉を聞いて、あるヒトは驚いたように謝罪をし、あるヒトはそれでも意見を変えなかった。

 それでも、言いたい事をいった事で溜飲が下がったのか、それ以上言葉を重ねることはしなかった。


「しかし、面白いものですわね。見てみなさい、こんな数十分にも満たない時間で、既に剣を振るう事が出来始めていますわね」


「当然だよー、毎日のように木剣でやってたからねー。コツさえ掴めばアッと言う間じゃないかな?」


 そう、加藤は遠く離れた彼女達ですら目に見えるほどに剣を自分のものにし始めていた。

 レイラが言うように、正確にはそれなりの時間を掛けて身に着けていったものを真剣でも行えるようになっているだけなのだが。

 そうだとしても、やはり異常な速度で習得していっている。

 言語にしても、身体能力にしても、そして剣でも加藤は成長が著しく早かった。

 強くなるため、大人という理想へ近づく事については、誰よりも貪欲なためかもしれない。


「ふっ、ふっ、ふっ……」


 そして場面は加藤達に戻る。

 加藤は剣を片手で横に薙いでいた。

 少なくとも長い付き合いである、この短剣は恐れなくなったため、ルクーツァにイメージできる振るい方をしてみるように言われてのことだ。

 そう、エリアスールが領主の館で教えてくれたモノをイメージしていたのだ。


「悪くない、だがダメだな。あれは振るうだけではなく、動きも同時に行う事で意味がある。それに加えてあれは槍の動き、その短剣といえる間合いの得物では、それ以上に難しいものだぞ。まぁいい、いいか? こうだ、っ!」


 ルクーツァは実際に教えたエリアスール以上の動きを見せて、加藤に教える。

 その動きを見逃さないように、先日アーダに見惚れてしまった時以上に釘付けになって見つめる。

 鍛錬の時、教えてもらう際の加藤の目はいつもそれだった。


「えっと、まず得物を後ろに回して、その遠心力で体を後ろに流す。その瞬間に得物を振るって、同時にその反動でより遠くへ離れる、か……確かにこの剣だと難しそうだな」


「ほっほ、確かにの。じゃがお主には盾がある……違うかの? そして盾を持つ事を許す筋力がお主にはある。どうじゃ、ここは1つ苦手な戦い方ではなく、お主の好むやり方を1つ教えてやろうかの」


 先ほどまでは、戦い方ではなく振るい方だと言っていた大人達。

 それが今では戦い方を教える事に夢中になっている、どちらが教えるかを目線を介して喧嘩しているのだから、喜ぶべきか、悲しむべきか。


「いや、得意な事は後からでいいだろう。まずは苦手としている事を身に着けるべきだ、最初にそちらをやれば、こちらが身に付かなくなるぞ」


「分からぬかの。例えそうだとしても、これを極めれば最早恐れるものなど無くなるというものじゃ。ほれ、何も問題はなかろう?」


「あのさ、どっちでもいいから……。早く次は何するか言ってくれない? それとも俺、走り込みでも行って来ていいのか?」


「……いや、走り込みはいいだろう。盾を持った素早い動きというのを教える事にしたからな」


「うむ、お主の長所を存分に生かした戦い方じゃの? いや、これはワシも楽しくなってきたわい」


 楽しむ獲物に逃げられては堪らないと、すぐさま妥協を互いに認めてそう言い放つ。

 それを受けると加藤は盾を構えて、次の教えを待っていた。


「良いか、盾とは以前言ったが、敵を殺すモノと心得よ。来るもの全てを防ぐものではない、避けられるものは避ける事も肝要。そのためには素早い移動も重要になる」


「だが、ただ素早く移動するのでは盾の意味が失われてしまう。だからオレ達が徹底的に……」


 ――――

 ――――

 ――――


 こうして、名の無い街での2日目が過ぎていった。

 そして日が明けて、サックルへと向けて旅立つ日がやってくる。


「皆、準備は良いかの? 特に小僧、忘れたものなどないかの?」


 全員がそれぞれ馬に跨り、サックル方面の門へと集まっている所だ。

 そこでデイリーは最終確認をし、最後には加藤に笑いを浮かべて質問した。


「今回は大丈夫だよ……、ほんとに」


「そうだな、昨日の夜は必死に確認をしていたからな。これであれば何も言えなくなってしまうところだろう」


 加藤の肯定の言葉を受けて、デイリーは出発する事を全員に告げる。

 先頭を行くのは、新たに加わった女性たちの付き人達だ。

 その彼女達を守るように、後方にはデイリー、ルクーツァ、加藤の3人が続く。


「なぁ、一番先頭にどっちか行かなくていいのか? エリアスールさんが、一応それを纏めるって事になってはいるけども」


「ほっほ、確かにそうかもしれんの。じゃが、エリアスールはあれで中々のものなんじゃぞ? まぁ、ワシやルクーツァには劣るのは仕方の無い事とは言え、他のものよりは十分やれるじゃろうて」


 加藤は、先頭と最後尾には力ある者が付くものという事を以前教わっていた。

 だからこそ質問したのだろう。

 それにデイリーはエリアスールの後姿を眺めながら、若干喜色を含んで答えた。


「あー、うん。そういやエリアスールさんもかなり強かったんだったな……」


「何を落ち込んでいる。当然の事、というよりもお前はこの中で最弱だ。そんな事は承知の上だろう? そしてそんな事はすぐにどうでも良くなる事だ」


「ほっほ! その通りよ、ワシらが鍛えるのじゃぞ? レイラお嬢様や他のお嬢様方には失礼かもしれぬが、スグに追い抜かすじゃろうて。サックルへと戻ったら本格的に出来ると言うものじゃ、いや楽しみでならんのぉ」


「本格的? 今までのはなんなんだ? 昨日だって戦い方を教える! って言ってたじゃないか、あれはなんだ?」


 デイリーの言った言葉に疑問を持ったのだろう、加藤はそう尋ねる。

 そしてやはり嬉しそうに彼らは答える。


「サックルの屋敷での時に言っていなかったか? 簡易なモノを教える、そう言った」


(そんなん言ってたか? というか今までのは簡易な、簡単なものだったのか?)


「まぁ、屋敷に着いたらすぐに分かる事じゃて。だが安心せい、今までの事は別に無駄ではありゃせんからの?」


「無駄とか言われたら俺は普通に泣くぞ?」


「なぜ泣くのかな? 私の見た限り貴方は着実に強くなっていたよ。昨日の短時間だけだが、それだけで無駄でない事は分かった」


 そう、加藤の何気ない呟きに反応したのは、少しばかり前を他の女性達と進んでいたはずのアーダだった。

 その事に気付いた加藤は、急に静かに、丁寧な言葉遣いをし始める。

 と同時に、ルクーツァは哀れんだような笑みを浮かべ、デイリーは面白くて仕方が無いという満面の笑みを浮かべている。


「あ、その……ありがとうございます。いや、でも俺なんでまだまだですから、これからも頑張らないといけないと」


「そうだな、貴方を見ていると私ももっと頑張らねばという思わずにはいられない。あぁ、別に武というだけではない。私の領分は本来そこではないのでね」


「そうなんですか? 竜人のヒトは武術が凄いって聞いた事がありますけど」


「嗜み程度さ、もちろん父上などはかなりのモノなんだがね。私はどうにも体力が無いようで、もっぱら頭を動かすのが得意でね。そうそう、武と言えば……」


 ――――

 ――――

 ――――


 加藤は、こうしてぎこちなく、しかし徐々に普通に、彼女と話し合いが出来るようになっていく。

 そうして日を越していく。


「食べないなら、わたしが貰うね? 焦げちゃうと勿体無いし!」


「あっ、それボクのだよ! レイラ、なんでボクのを取るの? それならボクにも考えがあるんだからね……あっ焼けてる!」


「待てやっ! それは俺の肉だっ、さっきレイラに言ってたのはどうしたんだ? というかレイラにニーナ、良いか……良く聞けよ? そもそもだ、お前ら肉を焼いていないだろうが、俺が空いているスペースに置いているんであってだな……」


 ――――

 ――――


 時にご飯時に戯れる事もあれば。


 ――――

 ――――


「何故、あのカトウは走っているのかしら? 馬も別段なんとも無いでしょうに、それにデイリー様方は何故笑っているの?」


「ふふっ、まぁこれもカトーさんなりの強くなるために必要な事だそうですよ。事実として、ここに来る道でも同じ事をしていましたが、今はその時より長く突いて来れていますし」


「うん、そうそうモンスターが現れないだろうとはいえ、街道で、か。体力以上に精神力を鍛えられそうだ」


 ――――

 ――――


 ルクーツァとのいつもの可愛い喧嘩の末の情景を見せたりと。

 加藤が意識するまでもなく、彼女達には加藤という存在を知って貰っていった。

 そして名も無き街を出発して7日目の夜のこと。



「ほっほ、人数が増えたので多少遅くなるかと思えば。小僧のお遊びのせいで遅れたくらいじゃったの?」


 そう、明日にはサックルへと着くだろう距離を稼いでいたのだ。

 そして多少、前よりも時間が掛かってしまった理由は加藤にあった。

 喧嘩の末の走りこみを一度だけではなく、ほぼ毎日やっていたためだ。


「いやぁ、まぁそれは悪かったよ。なんていうか、そう! ルクータのせいなんだっ!」


「何を言う、オレは別に強要した覚えはないがな? 勝手に走ると言い出すのはいつもカトー、お前だろう」


「そうだねー、ヒロってばいつにも増してやる気出してるっていうか。ねぇ、エリ?」


「そうですね……」


 加藤達がいつものやり取りを始めたのを横目で見つつ、レイラはエリアスールへと問いかける。

 しかし、エリアスールは焚き火の火加減を見る事に集中しているのか、素っ気無い返事を返すだけだった。


「でも、ヒロは体力っていうか、うん。なんか凄いね? 毎日結構走ってたよねぇ、ボクには出来そうにないよ」


「走りこみだけでそう言う評価を下すのは早合点では無くて? それに、走り終わった後は馬の上で眠っていたんですのよ、まったく……仮にもわたくし達の護衛という事を分かっているのかしら」


 そう、加藤はそれなりに長い距離を走っていた。

 そして休憩時を境に、今度は愛馬ぐんそうに跨ったまま眠りこけるという、なんとも言えない醜態を晒していた。


「確かに、護衛としては失格も良い所かもしれないな。だが、彼の役目は大きい……、そのおかげで私達はこうして会話を持て、お互いを知っていけるのだからな」


 アーダが言う事は事実だった。

 彼女達の会話のネタは、ほぼ常に加藤なのだ。別に彼が魅力的だからといった理由では断じて、ない。

 そもそも彼女達は、それなり以上の理由を以ってこの場にいるのだ。


「確かに、それは否定できませんわね……」


 それは当然不用意に話してはいけない事を胸の内に抱えている事に通じる。

 つまり相手にも容易に話し掛けられないのだ、自分の事は最低限しか言えず、相手を探るような言葉は言えない。

 そして来る時のレイラ同様、不安を大なり小なり感じてもいた、それを紛らわせる術を求めてもいた。


「そうだよね、ボクとしてもヒロを見た時は疑問に感じたけども……。うん、いてくれて本当に助かったよ」


 そのために相手個人を、話せる相手を知りたい、だけどそれは出来ない。挨拶程度しか本来は出来なかったはずなのだ。

 そこにいるのは本来、レイラなど同等の存在。そしてデイリー、ルクーツァと言った御付の武人だけのはずだったのだ。


「ん? 何話してるの? わたしも混ぜてよー」


 しかし、そこに加藤がいた。さして今回の件については重要ではない、だが信頼はされているヒトがいたのだ。

 格好の獲物だろう、最初は警戒しつつだったが、デイリー達も何も言わない。

 女性達は、不安を薄めるであろう、気を逸らせるだろう会話のネタを逃しはしなかったのだ。


「いや、彼の事を少しな……。いてくれて本当に助かった、と言うだけの話さ」


 アーダがそう言いつつ、加藤の方に目線を向けた事で、エリアスールを除いた女性陣が全てそちらを向いた。

 鍛えたからなのか、なんとなくなのか、その時話題のヒトが振り向く。


「うぉ!? 皆してこっち見てるからビビったよ……てか、なんかあった? あったならルクータ達に報せて来ようか?」


 的外れな事を言いつつ、若干心配そうな顔色の加藤。

 加藤は決して魅力的な男でもなければ、何か特別な力を有しているわけでは無いかもしれない。

 だが、その何も無いという事が時には誰かの、何かを守る事には必要な事なのかもしれない。

 幸か不幸か、加藤はこうして特別何もせずに、彼女達に受け入れられていったのだ。

 そして彼の存在のおかげで、彼女達は徐々にとは言え、本来手にする事の叶わない、友好を育んでいけているのだ。


「いいえ、何もありませんわ。というか、そのくらい察せませんの? そんなだから貴方は一兵卒にも劣るのです」


 そうエイラが先んじて言うと、女性陣は加藤に興味を失ったように目を逸らす。

 その事に驚きながらも、加藤は律儀に返事を返すと、目を離していた隙に何事かしていたルクーツァを見つける。


「えぇ……、いや、あーうん。何も無かったならいいんだ、ってルクータ! 何俺の荷物に石入れてんだよっ!」


「はっはっは、とうとうバレてしまったか。いやなに、どうせ明日も走るだろうしな、重石を増やそうと思ってな?」


 加藤は、帰りの道では荷物を背負って走っていた。

 そこへルクーツァは徐々に重石を入れていっていたのだろう。


「うぉ! 気がつかなかった、今までも入れてたのかよっ!」


 そして加藤は翌日、重石が増えた荷物を背負って走ることになる。

 そしてやはり途中でバテて、愛馬ぐんそうの背に身を預けることとなるのだ。

 加藤が目を覚ます頃、そこには約2週間ぶりとなる『サックル』の街が見えてきていた。

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