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異なる世界で見つけた○○!  作者: 珈琲に砂糖は二杯
第二章《右折と左折と直進と》
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第9話 『○○→異性!』


「武器を持って嬉しさあまってな感じで、こうやって仕事ってか……。

モンスターとやり合う事になったわけだけど、質問があるんだが?」


「いいぞ?どうした、怖くなったか?」


「ずばり言うね?まぁ、その格好悪い……けども、うん。

いやさ!さっきも改めて言ってたじゃないか……、鍛えた兵士でもってさ?

俺はそういった事はしていない。うん、多少鍛えてはいたけど、そういう目的でじゃないしさ」


「はっは、いい事を教えてやろうか?

モンスターと戦う上で最も重要な事だ……、怖がれ。恐れろ。逃げたいと言う感情を決して捨てるな。

これが絶対的に必要だ、いいか?忘れるな、脳みそに刻み込んでおけ」


~ルクーツァは南門へと向かっていた歩みを遅くした、そして語りだす~


「いや、それは普通誰でも思うって……。

そうじゃなくて、どうやったらモンスターと戦えるのかってことをね?」


~加藤はその言葉に納得できないのか、困ったような顔をして更にたずねる~


「今いった事がその答えだ。言ったはずだ。

ヒトは、弱い。モンスターとやり合えば負ける、これが普通なんだ。

その普通を崩すために人間は武器をより良いモノにしようとし、他のヒトは己の得意とする戦う術を他のヒトへと伝えて、更に昇華させている。

こう言えば簡単だ、だがソレがどれだけ困難な事か分かるか?

そしてその困難をどうしてヒトは未だ乗り越えようと出来ていると思う?」


「それは……」


「怖いからだ、恐れているからだ、より安全な場所を築きたいからだ。

そして、モンスターと戦う事をするヒト等が強くなれる理由、それもまた同じ。

いいか、そう感じる事を……思う事を恥じるな。

要はソレを忘れない事、そして怖いと、逃げたいと感じる自分を恥じず、恐れないことだ」


「……俺がモンスターを怖いって思う事を恥ずかしく思わないで、恐れない?」


「そうだ、確かに屁理屈かもしれない。

だが、そう思っている事を恐れなければ、ヒトは立てる。一歩前へ足を進められる。

たとえ、大型モンスターの眼前であろうとな?

いいか、決して忘れるな!お前はそうなるな!恐れを恐れるな!恐れを捨てる事こそ恐れろ!」


「わ、わかったよ……、うん。忘れない」


「……、そうか。

すまないな、ついつい熱くなってしまった……」


「ははっ、いいよ。大事な事だからね。

言っちゃ悪いけど、この前の話よかよっぽど大事な事だからね、こと命に関わる事だしさ?」


「そうだな、とは言え先の話だって大切なんだからな?

……さて、そろそろ南門に着くな」


「そうらしいね。遠くに見えるしさ、ってかさっきの話だけど。

結局の所、怖がるな、恐れるな、逃げるなだよな?」


~彼らの言うとおり、少し離れた所に以前この街に来たときと同じような門が見える。

恐らく、そこには同じく斡旋所からの仕事を負った者がいるのだろう~


「はっは、そうとも言えるかもな。だが、それらを克服するための理由、根拠が大事なのさ。

モンスターは自分よりも弱いから怖くない。

これはダメってことだな、そうは思うなよ?まぁ、時と場合によるんだがな」


「そうだよな、特に逃げるなってのは難しいって。

勝てない相手で逃げられるなら逃げたほうがいいに決まってる」


「いいぞ、逃げ癖は嫌われるが、逃げるという選択肢を持つ者は強い。

ほら、もう到着だ。暫くすればいきなり実戦だな?だが、流石にモンスターを見た瞬間に逃げようとはしてくれるなよ?」


「ぬっ、失礼な!俺が逃げるとでも!?」


「…………」


「ふぅ、流石ルクータだ。その目には敵わないよ……。

はい、逃げる事を考えていました、この話を切り出したのも止めにしない?って提案しようかと思っての事です、はい」


「うむ、だが残念。今回については逃げ道はない。

俺が後ろにいるからな?絶対に逃がしはしない……絶対だ」


「ナニソレ、言葉とか教わってる時にもうっすら思ったけどさ。

ルクータってスパルタ?百とか何千で何万に突っ込めとか言っちゃう?」


「なんだそれは?だが、強ち間違いではないな……。

時には大型モンスターであろうと少数で足止めしなければならない時もある。

これは本来は間違いだな、決してやってはいけない事だ……リーダーがその決断を下すのであれば尚の事。

正に逃げなくてはいけない場面と言える。

だが、そうしなければ守りたいものを守れない時もあるって事さ」


「うっ、そう言われるとあの古典映画が伝えたい事を考えさせられる……。

って違うわ!はぁ、いいやもう……ってあそこにいるヒト達がそれじゃないか?」


「それ?……あぁ、仕事仲間だな。

ははっ、そうだな。さっきから怖がらせる事ばかり言っているが、オレがいるんだぞ?

安心しろ、カトーは基本見ていればいいんだ、お前の分もオレが働くさ。

……すまない!遅れてしまったかな?」


(見てるだけって……)


「おぉ?おたくが最後かなぁ?

ふぅむ、確かに……これで全員揃ったようですなぁ」


~ルクータは全身を鎧で包まれた小柄な男に話しかけている。

身体的にこれと言った特徴が無い所を見るに、人間のようだ~


「それでは、お二人も着た事ですし、4人組を作って頂きますかなぁ。

と言いたいのですがぁ、既に4組完成してましてなぁ?あそこの2人との組になりますぅ」


(話し方がイチイチうざいやつだ……)


「おい、カトー。何してる、いくぞ?挨拶は大事なんだからな?」


「あ、ごめん。はいはいっと」


~二人は組を組むことになる2人と言われたヒト達の所へと歩いていく。

近づくにつれて、2人は何か話しているのか声が微かに聞こえてくる、声色で2人が女性というのが分かった~


(うわぁ、綺麗なヒトと可愛い子だなぁ、今気がついたけど、この世界で女性と話すのって女将さんやラル以外だと初めてじゃね?

……あ、受付のヒトがいたか)


「すまないな、遅れたようだ。

オレはルクーツァ・シィと言う、今日はよろしく頼む」


「あ、俺は……」


「そして、こいつはヒロ・カトーと言って新米だ。

何分今日が初めてなんでな、色々と迷惑を掛けるかもしれんが、そこはオレがカバーするから心配いらない」


「……そんな感じです。よろしく……」


「あははっ、新人さんなんだ?よろしくね!わたしはレイラ!レイラ・…「すみません、この子も今日が初めてという程ではないんですが、新人なもので。

私は……」


「もうっ!エリってば酷い!わたしが自己紹介してる所だったんだよ!?

いっつもいっつも途中で邪魔するんだからっ!」


「……そう言う訳で、エリアスール・ラインと言います。彼女が言うようにエリとでも呼んで下さい」


~男2人の挨拶に返事をしたヒトは、やはり女性だった。

エリアスールと名乗る女性は背が高く、加藤より少々背が低く175cmあるかないかだろう。髪は金髪で背中まで伸びる程度の長さだ。

小柄な女性、レイラは150cm程度の身長で、笑顔が眩しい少女だった。

髪は茶、長さは肩口までで揃えられており、軽いウェーブがかっている~


「分かった、オレの事はルクーツァと、こいつは……」


(させるかっ!今度こそ俺がっ)


「俺の事はカ……「分かった!ヒロって呼ぶね!」


「あ、うん。好きに呼んでくれればいいよ」


「すいません、この子はこういう子なんです。

気を悪くしないで下さいね?」


「いや、全然そんな事ないですよ。ただちょっと元気ある子なんだなぁって」


「そうでしょ!わたしの長所なんだ!この前なんかね、アンリちゃんが雷が怖いーって泣いた時もワタシがお話したら泣き止んだんだよ!わたしと話してると怖くなくなるって!それでねっ」


「ははっ、その話はまた後で聞かせて貰おうかな?そろそろ行くようだからね?」


「えへへっ、ごめんなさい。それと、約束だからね!終わったらお話聞いてね?それと、ルクのお話も聞きたいなぁ」


「ルク……、あぁ約束だな。

さて、そこで俯いて肩を震わせている小僧。置いていくぞ?」


「ははっ、悪いって!機嫌直してくれよ!なんか可愛いなって思ってさ?

どうしよ、俺も今度からそう呼んだ方がいい?ってか呼ぶ?」


「ほぅ、いい度胸だな?ヒロちゃん、今度から俺はそう呼ぶとしようか?」


「…………」


「……すまん、流石に自分で言って恥ずかしくなった」


「いいんだよ、ヒトなんだ。そういう事だってあるさ。

男として言おう、今の事はお互いに忘れよう……」


「ヒロ?ヒロちゃんって呼ばれたかったの?えっと、ごめんね?

そう呼んだ方がいいなら……」


「こぉらぁ、いつまでやってるんだぁ?もう他の組は門外で待ってるんだぞぉ?」


~鎧の男が言うように、他の組は既に門外で同じ組となった者達とそれぞれ装備などの確認を行っているようだった~


「すまん!スグに行く!」


(危ない所だった、まさかあの妙にいらつく声の持ち主に助けられるとはっ)


「ほら、レイラ。行きますよ」


「うん、ヒロも。追いてっちゃうよ?」


「っと、はい。行きますよ」


~4人は門の外へと向かう。

モンスターへと向かっていくのだった~


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