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【ライブ感】地味令嬢、無能扱いされたので自由に生きます。【イケメン】  作者: 雪見クレープ
第1部 地味令嬢、無能扱いされたので自由に生きます。
22/22

第22話 戦いは続く

第1部はここまでです。みなさんの応援があれば頑張って続きを書きます!

 耳元で囁く低い声。

 エドワウの瞳が、私を捕らえて離さない。


「お前は、どこに逃げても無駄だ」


 ——ダンッ!


 突然、何かが大きく響く音がして、私は飛び起きた。


「……っ!」


 息が荒い。

 鼓動が速い。

 額には じっとりと汗が滲んでいた。


 私は ベッドの上にいた。


「夢……?」


 心臓の鼓動が少しずつ落ち着いていく。

 けれど、まだ手のひらには、 エドワウの存在の名残が残っている気がした。


(あれは夢だった……それだけ)


 私は王宮を抜け出した。

 ルイスとアレクセイとともに王妃の陰謀からも、エドワウの執着からも逃げきった。


 それなのに、なぜ……


「姉さま!!」


 小さな足音が駆け寄ってくる。


「ルイス……?」


 私が呆然と彼を見つめると、弟はぱあっと安心した顔を見せた。


「よかった、起きたんだね! 悪い夢でも見てた?」

「……少しね」


 私は苦笑して、額の汗を拭った。


 ◆◇◆


「ミレーユ、起きたのか」


 支度をしてからダイニングに入ると、アレクセイがテーブルの前で腕を組んでいた。

 ルイスがすでに席に座り、パンを頬張っている。


「随分寝てたな」

「疲れていたのよ」

「……だろうな」


 アレクセイは私をじっと見つめる。


「それにしても……お前、寝言がひどかったぞ」

「——え?」


 スプーンを落としかける。


「何を言ってたの?」

「名前を呼んでいた」


 アレクセイは、少し不機嫌そうに眉を寄せた。


「俺の名前じゃなかった」

「………………」

「エドワウ、だったな」


 心臓が跳ねる。


「……違うわ」

「嘘をつくな」


 アレクセイは 私の手を強く握った。


「ミレーユ、お前の心はまだ王宮にあるのか?」

「そんなこと——」

「なら、今すぐここで誓え」


 彼の 青い瞳が真剣に私を見つめる。


「お前は、自由になったんだ」

「………………」


 私は、答えられなかった。


 心の奥に、まだ あの金色の瞳の残像が揺れていたから。


(本当に、私は自由になれたの?)


 ◆◇◆


 王都では、ライナスがまだ残っているはずだ。


 彼は、私たちを逃がすためにエドワウと戦った。

 無事なのだろうか……?


 それだけじゃない。


 ルーカスやセバスティアンも、王都にいるはず。


(彼らは、どうしているのだろう)


 王妃の陰謀は、まだ終わったわけではない。

 エドワウが 私を迎えにくる日が来るのかもしれない。


 その時、私はどんな答えを出すのだろう?


 それは、まだ——誰にもわからない。

読んでいただきありがとうございます!


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今後ともよろしくお願いします。

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