マトリョーシカ
西暦20XX年
ロボットの生産技術が
発達して手のひらサイズの
マイクロ・ロボットが
生産された。
マイクロ・ロボットは
高度な人工知能を
備えていた。
身長15センチ程の
大きさのロボットは
頭の天辺から爪先まで
完璧に人間を模写して
製造されていた。
そんな小さなロボットの
役割は何だろうか?
体が小さいのだから
エネルギー消費が少ない。
そもそもロボットの
本来的な役割は
人間に代わって
労働することである。
小さなロボットは小さな
作業しか出来ないのだから
その特徴を一番に活かせる
作業とは何であるか?
ロシアの伝統的な玩具の
マリョーシカを御存じか?
マリョーシカは
だるま型の人形で
中身が空洞だ。
マリョーシカの中身は
マリョーシカ。
マリョーシカを開けると
一回り小さな
マリョーシカが入ってる。
マイクロ・ロボットの
役割は更に小さな
ロボットを生産すること。
大量生産された
マイクロ・ロボットが
一番にしたことは
ロボット工場を
立ち上げることであった。
建築資材を加工して
工場の建物を建てて
その中にロボットの
生産ラインを整えた。
マンションのリビング程の
広さの工場の敷地内で
無数のマクロ・ロボットが
働き回ってロボットを
生産している姿を
見ていると自分が
巨人になった気分がする。
マイクロ・ロボットが
営む工場から更に小さな
ロボットが生産された。
工場の前に整列する
ロボットの身長は
1センチ程の大きさだ。
マリョーシカの感覚で更に
小さなロボットを生産して
小さなロボットが更に
小さなロボットを作る。
町の診療所
鼻水を垂らした男の子が
裸の胸に
聴診器を当てられている。
医者「ただの風邪だね
注射したら直ぐ治るよ」
数万体のナノロボットが
子供の腕に刺さった
注射針から
体内に注入される。
究極的に小型化された
ロボットは人間の体内で
菌やウィルスを退治する。
ナノ・ロボットのお陰で
人類は、ありとあらゆる
病原菌やウィルス癌細胞を
退治して平均寿命が
飛躍的に伸びた。
おわり




