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【第三章】『第三十八話』その表現は痴愛を示す


「なんか意外だなって。隊長ってこういう人がタイプだったんだ」

「えっ?タイプってなんの話を」

「だって隊長はクレアさんのこと相当気に入ってそうだったから。よっぽど好きなんだろうなって」


 ついさっきまで普通に会話していたのに、急にレオンの言葉を理解するのに時間がかかった。気にいっている?好き?誰が誰を示す言葉なんだろうか

 レオンは目を丸くしながら不思議そうに私をみている。


「クレアさん?」

「なっなに言ってるの。そんなことあるわけないじゃない!絶対ないわ」

「えっそうなんですか?だってわざわざ護衛を付けさせるなんて普通はしないでしょう」

「それは・・・私が呪いを解くとされている魔女だから。ただそれだけのことよ」

「ん~そうかなぁ?」

「そうなのよ!ジェラルダ様に限ってそんなこと・・・。それに護衛だって所有物と見なしている物を他人に遊ばれたくないからってだけよ。ジェラルダ様って乱暴でプライドも高い方だから」

「だからそれが隊長の愛情表現なんでしょう?あの人が優しくしたり甘やかすなんてできるわけないじゃないですか」

「っ…もっもう!これ以上変なこと言わないで」


 レオンが余りにも突拍子もなくおかしなことを言うから身体に変な汗をかいてしまう。

 好きって、好きってそんなこと。ジェラルダ様が思うわけない。いつもいじわるばかりしてきて昨日だって・・・。


―――お前が望むまでもうキスをするのはやめておいてやるよ。


 その言葉を思い出すとドクンと心臓が跳ね上がった。そんなことあるわけない。


「そういえばさっきのユーネスト様はどうのような方なの?レオンと折り合いが悪そうに見えたけど」

「オレとというより隊長と折り合いが悪いんですよ。まぁだから結果としてオレもってことか」

「ジェラルダ様と?でもブリオッシュ国王陛下の実弟ということはジェラルダ王子にとって伯父にあたるのよね?近しい間柄なのにどうして」

「細かい事情はオレにもよくわかりませんけど。ここだけの話、国王陛下亡きあとその座をユーネスト副隊長が狙ってるらしいですよ。国王陛下はご容態が優れませんからね」

「なんて不謹慎なの。仮にそうなったら最有力はローリオ王子ではないの?」

「いいえ。恐らくはユーネスト副隊長ですよ。そんなんだから隊長と副隊長は元々あまり仲が良くなかったらしいんですけど。半年前の隊編制でそこに追い打ちをかけるように亀裂が入ったってわけです」

「隊編制?」

「あれ?聞いてないですか?」


 耳を傾けていたレオンの言葉に思わず馬をなでている手が止まった。


「ジェラルダ様が近衛隊の隊長に任命されたのは半年前です。それまでは微妙なバランスで保っていたジェラルダ派とユーネスト派の関係もその件で一気に険悪となった。本来ならば王家直系の方は近衛隊隊長にはなれません。だからみんなユーネスト様がなると思っていたんですけど・・・。前隊長の判断でジェラルダ様が隊長に任命されたんです」

「どうして前隊長はそのような判断を・・・」

「それはジェラルダ様は王家といえど、その剣術はもちろん銃の扱いから柔術に至るまで群を抜いているお方だからに決まってます!百年いや千年に一人の逸材といっても過言ではありません!オレはジェラルダ様に憧れて近衛に志願したんですから。そう言う奴は貴族や平民問わず多い。だからクレアさんお願いです」


 レオンが突然両手を握ると真剣な眼差しをしていた。


「隊長の呪いを絶対解いてくださいっ。お願いしますっ!」

「そっそんなにすごい人なのね・・・ジェラルダ様って」

「当然ですよ!現在のパルタナスに置いて事実上の一番の軍力者は隊長なんです。隊長なしではこの国の防衛は護れません。それにグレイマン前隊長のお墨付きなんですから」

「グレイマン・・・前隊長?」

「そうですよ。あっそか今クレアさんの監視役ってグレイマン前隊長だったんだ。グレイマンさんの家系は代々王家に仕えているんですよ。だから王家からの信頼も厚い。今回のジェラルダ隊長就任でユーネスト様が大人しく引き下がったのも実はグレイマンさんが関わってるって話ですし」


 隙のない人だとは思っていたけど・・・。まさか近衛隊の前隊長だったなんて。

 そういえば昨日ジェラルダ様の口振りがグレイマンさんを知っているように感じたのはそのせいだったのね。それにしても私は知らないことが多すぎるわ。王家のことも国のことも。


「レオンは色々知っているのね。私なんて数か月この城にいるのに全くだわ。知りたいことはたくさんあるはずなのに・・・」

「オレの情報収取くらい大したことないですよ。まぁ貴族出身なのでその辺りに関しては知ってる方かもしれませんけど大半は書物からの情報ですよ」

「でも私もこれでも一応は王家の書物室を借りて色々読んではいるのよ。でも中々自分の求めているものに出会えなくて」

「王家の書物庫か~あそこに置いてるものはわりとお偉い方の添削が入っているから当たり障りのない内容になってるんですよね。・・・わざと隠されているのもあるだろうし。秘匿事項であればそうせざるおえないこともあるでしょう。でも情報は確かなんだから探せば見つかるかもしれないですよ。もっと視野を広めて探してみたらどうですか?」

「視野を広げて・・・」


 確かに『死の魔女』も『ウロボロスの呪い』についても王家は隠している。それをわざわざ見つけやすいところに置くとは考え難い・・・。


「ってごめんなさい!今オレごときが偉そうな言い方でしたよね」

「そんなことないわ。私ももう一度探してみる。そうだ、レオンも一緒に来てもらっていいかしら」

「はい!もちろんです!」

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