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二人の会話 その4

1941年12月、日本


岡本晃司と園田一花は、これまでの会話を踏まえて、さらに憲法改正について深く議論する

ことになった。

戦争や軍事、そして日本の未来についての考えを共有し合う中で、二人は憲法に対する考え方を

掘り下げていった。


一花が口を開いた。「先ほど憲法改正の話が出ましたが、改めてその話を続けてもいいでしょうか?」


晃司は笑顔で頷いた。「もちろん、いいよ」


一花は慎重に自分の考えを述べ始めた。

「私は九条2項の削除論者なんですけど、先輩はどうお考えですか?」


晃司は即座に答えた。

「俺は九条の1項も含めて、全部削除すべきだと思ってる。そしてそれだけじゃなくて、

 陸海空軍の保持を明確に憲法に明記することが必要やと思うね」


一花は同意しつつ、自分の見解を補足した。

「先輩がおっしゃっていた通り、戦争の放棄とは侵略戦争の放棄であって、それは世界の

 ほとんどの国が憲法上定めているものです。

 でも、陸海空軍の保持を明記しないと、自衛隊違憲論のように、軍隊の合憲性が

 不確かになってしまいますよね」


晃司は頷きながら続けた。

「そうやね。政府解釈によれば、九条1項が否定しているのは『国権の発動としての戦争』と

 『国際紛争を解決する手段としての武力行使』だけや。

 だから自衛権までは放棄してない。でも、憲法学者の多くはこれを勝手に解釈して、

 全ての戦争を否定するって言ってるんやな」


一花もその点を理解していた。「はい、それは知っています」


晃司はさらに詳しく説明を続けた。

「日本国憲法は国連憲章を元に作られた憲法で、国連憲章51条では、加盟国は武力攻撃を受けた場合、

 自衛権を持っているって定めてるよね」


「ええ、それも知ってます」と一花が頷いた。


「そもそも『自衛権』っていう概念しか世界には存在せんのや。個別的自衛権とか集団的自衛権なんて、

 もともとないんよ」と晃司は補足した。


一花は微笑んで、「もちろん、それも知ってますよ」と応えた。


晃司は感心した様子で、「なかなかいい線いってるな」と褒めた。


一花は笑顔で答えた。

「ルームメイトが憲法学も得意で、法律全般に詳しいので、よく教えてもらっているんです。

 憲法学についてはよく議論するんですよ」


晃司は興味を示した。

「へえ、そうなんや。俺のルームメイトも憲法に詳しいから、その二人が議論したら面白い

 かもしれんね」


「先輩のルームメイトの方も憲法学が得意なんですか?」と一花が尋ねた。


「そうなんや。憲法学だけじゃなくて、他の科目も俺よりずっと成績がいいんや」と晃司が答えると、

一花は「それはすごいですね」と感心した。


晃司は再び九条に話を戻した。

「憲法九条1項も削除すべきってのは、ルームメイトとも意見が一致してるんやけど、

 俺の理由はもっと単純や。

 そもそも九条なんて憲法に明記する必要がないって思ってるんよ」


一花は興味深そうに尋ねた。「どうしてですか?」


晃司は真剣な表情で説明を続けた。

「日本は、元いた時代の日本国憲法下でも、今の大日本帝国でも、さらに言えば十七条憲法の時代から

 他国を侵略したことはない。

 これから先も、日本が他国を侵略することはないやろう。

 そして、もしおかしな政府が誕生したとき、九条があると自衛戦争や制裁戦争まで放棄する

 危険がある」


一花は深く頷いた。「確かにその可能性はありますね」


晃司はさらに続けた。

「世界中を見ても、憲法に戦争放棄を明記してる国なんて日本だけや。あのナチス・ドイツの後の

 西ドイツですら、九条のようなものはなかった。

 もちろんアメリカもや。

 だから、日本の憲法に陸海空軍の保持を明記しなければ、戦力の合憲性が不確かになる」


一花はその点についても共感した。

「陸海空軍の保持を明記することは、本当に大事ですよね。特に、ドイツにそういった条項がないのに、

 日本だけが憲法九条を抱えているのは、当時の人種差別が影響しているんでしょう」


晃司は頷きながら、

「その通りや。俺たちのいた国連、つまり国際連合は第二次世界大戦の戦勝国が名前を変えただけの

 ものや。

 日本とドイツに対する『敵国条項』は残されたままだったし、それを消す提案にも多くの

 戦勝国が反対した」


一花は同意しながら、

「確かに、連合国と国際連合は、英語ではどちらも『United Nations』ですもんね。

 そして、私たちのいた世界では、国連は次第に中国の影響下に置かれ、傀儡化していました。

 時間が経つほど、その影響力が増していくでしょうね」


晃司は苦笑しながら、

「WHOも完全に中国共産党の私物やし、国連もそのうち中国のものになるかもしれん。

 アメリカや他の国は新たな国連、第二国連のようなものを作る動きもしていたけどね」と答えた。


一花は改めて自分の意見を述べた。

「憲法九条は、日本人の中でも忌々しく思っている人が多かったみたいですね。私もその一人です。

 だから、九条2項の削除と陸海空軍の保持を憲法に明記するべきだと思っています」


晃司は賛同しつつ、

「そうやな。自衛隊と軍隊の違いは、ネガティブリストとポジティブリストの違いや。

 軍隊は『これだけはやってはいけない』というネガティブリストで運用されるが、

 自衛隊は警察と同じように『これとこれしかやってはいけない』というポジティブリストや」


一花はその違いを理解しつつ頷いた。

「確かに、自衛隊はそういう制限がありますね。災害時でも、緊急車両のように信号無視すら

 できなかったと聞いています」


晃司は真剣に続けた。

「有事にそんなことしてたら、戦争なんかできへんやろ。だからこそ、俺は憲法改正を進めて、

 最終的には日本独自の憲法を作り上げるべきやと思ってるんや」


一花が少し慎重に言葉を選びながら話し始めた。

「その方向性が難しいですよね、憲法改正にしても、それをどう実現するか…」


晃司は即座に答えた。「模範はアメリカ合衆国憲法でええやん。それが一番の手本やと思う」


一花は驚きながら尋ねた。「もしアメリカが反対したらどうします?」


晃司は自信満々に笑みを浮かべた。「その可能性は低いね。少なくとも名目上は」


「どうしてですか?」一花はさらに突っ込んで尋ねた。


「そら、アメリカが公に自分の憲法を真似されたら、否定するなんて危険やから、なんも言えんやろ」と

晃司は軽く笑った。


一花は納得したように頷いた。「確かに、それは言えませんね」


晃司はさらに話を続けた。

「それどころか、2、3の近隣国が反対して騒ぎ出したら、アメリカが『どういうことや!』って

 言うくらい都合が良くなるわけや」


「そうですね、確かに…」と一花は感心した様子で言った。


一花は再び話を戻す。

「一旦話を戻させてください。九条1項を含めて九条全部を削除する目的について、

 先輩は具体的にどう考えているんですか?」


晃司は少し考えた後、真剣な表情で答えた。

「まず、憲法改正とは別に、あの時代において、台湾と尖閣諸島が取られ、次は沖縄、その後九州、

 そして日本本土が侵略される危険があった。

 それを防ぐためには、国防予算をGDPの1%から最低でも2%以上に増やして、

 軍備を強化する必要がある。

 それを前提にして、九条2項の削除後、九条全体を削除し、陸海空軍の保持を憲法に明記する」


「それで、軍隊がしっかりとした法的基盤を持つということですね?」一花が確認する。


晃司は頷きながら続けた。

「そうや。それで軍隊がちゃんとしたものになったら、まず北朝鮮に出動して、拉致被害者を

 奪い返す。

 そして、核ミサイル基地や北朝鮮軍を殲滅する必要がある」


一花は慎重に反論した。

「ただ、その場合、日本の軍隊に犠牲者が出る可能性もありますよね」


晃司はそれにも答えた。

「だからこそ、同時に北朝鮮の核ミサイル基地を先制的に破壊する必要があった。

 それに中国が日本に対して核をロックオンしていたこともあり、

 そのミサイル基地も排除せなあかんかった」


一花はさらに踏み込んだ質問を投げかけた。

「日本が核兵器の実戦配備をする理由は何でしょうか?」


晃司は明確に答えた。

「日本国民が核や化学兵器の脅威から守られるためや。それが一番の理由や。

 日本が核兵器を持つことで、敵国に対して抑止力を持つことができる」


一花は理解しながらも複雑な表情を浮かべていた。

「確かに、日本国民の安全を守るためには必要かもしれませんね…」


晃司はさらに具体的なビジョンを語った。

「それだけやなくて、21世紀版の大東亜共栄圏を復元するためにも、日本が率先して他国を

 引っ張る必要がある。

 ウイグルやチベット、南モンゴルの解放を行い、中華本土では民主主義勢力を支援して、

 共産党に対抗するんや」


一花はその意見に驚きつつも、興味深そうに聞いていた。

「そのような考え方に対して、左派や中国、韓国の人々は『日本が侵略行為を繰り返している』と

 批判しますよね。

 南京大虐殺なんかが典型的な例ですけど」


晃司は苦笑しながら答えた。

「あれはとんでもない話や。中国が主張する南京大虐殺は、30万人の民間人が殺されたって言うけど、

 当時の南京の人口は20万人しかおらんかった。

 どうやって30万人も殺すんや?しかも日本は戦闘員しか攻撃してない。

 これが文化の違いやから、あの話は全部中国のプロパガンダや」


一花は頷きながら同意した。「確かに、本当にそうですね」


一花は話を進めた。「満州についてはどう考えますか?あの時代では人権問題はありましたか?」


晃司は少し考え込みながら答えた。

「俺の知る限りでは、満州についての人権問題はあまり聞かなかった。でも満州は、

 日本にとって重要な防衛拠点やった。

 朝鮮戦争が起こったのも、満州の重要性がわかったからや。だから、満州を解放する必要があった」


「朝鮮半島も同じですね?」一花が確認する。


晃司はあまり気乗りしない様子で言った。

「まあ、朝鮮半島はあんまり関わりたくないけど、中国の脅威が増してきてたから、

 無視できんかったわけや」


一花はさらに国際法に焦点を当てて尋ねた。「その場合、国際法が問題になりますよね」


晃司は少し考えた後、

「確かに国際法は重要やけど、共産主義国が侵略行為をしてきた以上、正当防衛や国際法違反を

 正すための行動は認められるべきやと思う。

 それを根拠に、満州やその他の地域を解放することは可能や」と答えた。


一花は納得しつつも、複雑な感情を抱えながら「難しいところですね」と言った。


晃司は笑顔で話を締めくくった。

「実際には、大日本帝国憲法の復元を目指す動きもあったんや。俺たちがこの時代にいる以上、

 この世界をどうにかしないといかん。

 そして、勉強の機会を作りながら、この時代の日本の人々に触れて、

 実際の国の姿を知るいい機会かもしれん」


一花は笑顔で

「本当にそうですね。この時代、日本はまだ戦争に負けていない。

 私たちにできることはまだあるかもしれません」と答えた。


彼らの会話はまだまだ続き、未来の日本、そしてこの時代の日本についてさらに議論が深まっていった。


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