表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/9

ハッカー集団AVOID

 格上のモンスターを倒しまくり、俺たちはどうにか10までレベルを上げた。


「結構キツイな」


「これ、一旦ログアウトした方がいいんじゃない?」


 今まで毎日平均11時間、雇用後も最低8時間はプレイしてきた俺にとっても、かなり精神が削られる苦行だった。


「そうだな。今日のところは一旦撤退しよう」


「じゃ、また明日」


 ようやくVRヘッドギアを外し、俺はベッドから起き上がった。


 スマホを確認すると、運営からのメールが来ていた。


『ハッカーを倒し、強制ログアウトに成功した場合は、ボーナスとして8000万円を支払う』


 とのことだった。随分な熱の入れようだな。


 実際、国際ハッカー集団AVOIDについてネットで調べると、相当な悪党であることが分かった。金融機関はもとより、有名な決済サービスを停止させたこともあるらしい。不可解とされているのが、AVOID 自身は利益を得ようとしていないことらしい。過去のどのハッキング事件においても、電子マネーや金品、金融資産が盗み取られた痕跡はなかったそうだ。つまり、被害ゼロ。


「なんのためにそんなことを?」


 俺は思わず呟く。


 国際社会から共通の敵と見なされるリスクを犯してまで、何を成し遂げたいのか? まさか、自分のITスキルを誇示するためではないはずだ。


 ドラゴニア・マスカレードに、わざわざプレイヤーとして入り込んだ理由も気になる。なぜ、そんな手法を取ったのか?


 おそらく、この二者は同じ理由によるものだ。


 わざわざオンラインゲームを選び、プレイヤーとして潜伏した理由は、AVOID の真の目的に通じているはずだ。


「なんにせよ、ワクワクしてきたな」


 どんなチートを使ってくるのだろうか? ゲーム空間にいる以上は、無茶苦茶なチートはできないはず。それならば、ラスボスの俺たちで十分対抗できる。


 サラリーマンゲーマーであることに変わりはないが、退屈な雑魚狩りよりはよっぽど楽しめる。


 俺はさらなる冒険に心踊らせ、眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ