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極秘任務

「本当に、倒したんだな」


【ドラゴニア・マスカレード】運営会社とは、二代目ニズヘグとしてプレイヤーを倒し続ける限り、雇用関係は継続するとの契約を結んだ。


 旨すぎる話だが、ラスボスを倒したプレイヤーが出現したと分かれば、ゲームの知名度も上がるし、課金額も上がる。十分に投資は回収できる見込みなのだろう。


「覚悟していたとはいえ、退屈だな」


 ラスボスの一角となった俺のもとに訪れるのは、まともな毒対策もしていない雑魚ばかり。骨のない連中だ。


 これで1日8時間拘束されるんだから、なかなかにキツい。サラリーマンの辛さが少し分かった気がする。


 平日夜間と休日の昼間はラスボスを務めなければならない。ゲーム好きとはいえ、そろそろ飽きてきた。


 とはいえ、途中で投げ出しては年俸4000万円は日割りでしか支給されないので、ここは辛抱だ。


 果たして、これが本当に俺のやりたかったことなのだろうか?


 会社員のように、雑魚プレイヤー狩りをこなすだけ。かつてのようにゲームを楽しむことも、熱中することもない。無機質で単調な毎日。


 一生分稼いで引退し、その後で好きなだけゲームを楽しめばいい。そう割り切ってもいいが、やはり今を犠牲にするようなやり方は辛かった。


 そんな中、仮想空間上で運営からの呼び出しを食らった。指定の場所に転移すると、女戦士のプレイヤーが立っていた。ついでに、俺もプレイヤーだった頃の見た目に戻っている。


 どういうことだ?


「いまやドラゴンロードの座を継承した【シスイ】どのと【バロンヌープ】どのに、依頼があってお呼び立てしました」


 天井から声が聞こえる。誰が喋っているかは分からない。


「【ドラゴニア・マスカレード】は、国際ハッカー集団AVOIDからサイバー攻撃を受け、不正にログインされました。運営側からの削除処理も一切受け付けませんでした。しかもステータスを全て限界値まで上げています。お二人には、彼らを討伐してほしいのです。他のドラゴンロードの座に手が伸びる前に」


 極秘任務っぽくてなんだかかっこいいな。


「ドラゴンロードに変身できる能力を受け継いだまま、お二人にはプレイヤーとしてこの世界に紛れてもらいます。そして、ハッカーどもを討ち果たしてください」


 これは面白くなってきたな。色々と疑問はあるが、やってやる。

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