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冷蔵庫の女  作者: 第六感
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008

あらかじめ話が通っているから入れるのだ。大人の世界にまだまだ詳しくない僕にはよくわからない縦割り行政をとりあえず憎んでみた。

しかし二十を超えておいて「大人の世界」って。子供っぽいことを考えていたものだ。

 さっきと逆の順路で僕と籐子は郵便局に入っていった。業務は止まっていて利用者はすでにみんな帰っているようだった。

 エスカレーターの稼働音がうるさいくらい静かな空間で全員の目がこちらを向いた。

「視線が痛い。誰だお前って思われてそう」

僕たちはぼそぼそと小声でしじまを割った。

「そりゃあ、第一発見者でーす、っていうわけないだろ? 何も言わないだけでみんなわかるさ」

「だ、第一発見者でーす……」

 絶句。そんなことを言う人間がいるものか。しかし案外籐子の内心ではまさにそんなことを言うような心境だったのかもしれない。今にして思えばという話だが。

「近しいものの犯行が殺人の80%だからね。ぎすぎすするのも当然さ。堂々しておいでよ」

確かに籐子は人にアドバイスをするだけのことはあって堂々した立ち居振る舞いは堂に入ったものだった。

「近しい者の犯行。郵便局員に近い人」

まるで一人を名指しているようなものじゃないか


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