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冷蔵庫の女  作者: 第六感
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僕{おはよう}

僕{昨日はよく眠れた?}

僕{今日の体調はどう? 泊まれそうかな}

これはその前日の連絡風景だ、おはよう。死体発見フェーズ後の話? それは君が知っている通りのことだから割愛させてくれ。くれぐれも僕が嬉々としてかのような行為に出たものとは思わないでくれよ。無限の後悔にさいなまれながら手を付け、やり遂げ、現実逃避しているんだ。ぜひとも万感の思いをくみ取ってくれ。やはりこれは僕の内面を語る旅なのだから。

確認になるが、(もちろん結局のところ共有できないので僕の考えを確認してもらうだけの時間になるが)僕と被害者の関係は交際相手を殺害したことになっているかな。交際関係は一種の契約関係であるってのはもう当然のこととして(さすがにこの辺の理論はもうおさらいしない)その終了はどこにあるのだろうか。

まずは合意解除だね。双方の合意によって契約を解除、将来に向かって無効にするんだね。

一方的に行われる解除もあるよね。「他に好きな人ができた」「飽きた」「仕事に専念したい」とかとか。債務不履行に基づく解除だね(断言)。相手方が自分の望むことができなくなったから解除するというわけだ。

不貞行為とかもこの類型ということで、問題はいつ解除の効果が発生するのか。到達主義ですよ。

申し込みと承諾なら承諾の到達したとき。催告なら定めた期間が経過したとき又は期間を定めなかった場合相当の期間が経過したとき。

あてはめよう。被害者が「わかれましょう」というやいなや

ズブリとのどに。

気道にあいたもう一つの口から漏れる言葉は聞き取れる内容ではない。

よし。

普通に考えて当事者の一方の死亡をもって当然に終了するよね。

でも刺した時点では「死んでない」から問題ないか。

「殺す」とは絶命させること。正しくは絶命に至らしめる行為のことだ。つまり「死んだ後には殺す行為は存在しない」。「殺す以前に解除される」「死亡した時以降に殺す」の二種類に帰着したようなのでご報告します。

そして僕は完全に回避したってことで。

おかしいな。僕の内面の真実を語るために始めたはずなのに言い訳みたいになっている。

仲睦まじい地点に戻らなければいけない。




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