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07 恐怖


 ノルシェなら、まだ大丈夫。


 いかにいちゃついてこようが、所詮は童顔少女体型。


 私より多少は胸部が成長しているが、我慢出来ない訳では無い。


 だってノルシェだし。



 問題はアイネだ。


 アイネのファンはあのロイさんの村での大乱闘参加者連中だけでは無い。


 老若男女幅広い支持層から愛されている。


 その全年齢対応型ぴっちぴちボディが、一日中休む間も無く甘やかしに来るのだ。


 両親やあの仲間たちからたっぷりの愛情を与えられて育ったアイネ。


 優しく真っ直ぐに育った彼女はその責任感を遺憾無く発揮して、


 優しく真っ直ぐに私を甘やかす。


 どうも先日の高熱事件を自分の責任と感じているようだ。



 私は本当はアイネに言いたい。


 そういうことをされても全然嬉しく無い、と。


 あのミラクル健やかボディが好意100%で迫ってきたら、即座に全面降伏していただろう。

 

 今のアイネのように責任感だの義務感だの余計なバイアスが掛かった状態で甘やかされても、


 正直全く嬉しくないのだ。



 ではなぜそれをアイネに伝えないのか。


 無駄だからだ。


 クロイ先生によれば、私は正常では無いということになる。


 正常で無いと判断された者の叫びは、真っ当な健常者の耳にも心にも届かないのだ。



 とても、怖い。



 このままでは私は私で無くなるだろう。


 唯一以前と変わらぬ態度で接してくれるマクラを、


 心からの感謝を捧げながら抱きマクラにすることだけが、


 かろうじて自分を失わない命綱だった。




 そして、その危うい日々は終焉を迎える。


 すでに異例の長逗留となっていた宿に、


 あの人が尋ねて来たのだ。



 癒しの最終兵器こと、



 リノアさん、襲来。



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