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エッセイ

【新社会人応援エッセイ】〜ストレスを効率的に発散するための、正しい『壁』の殴り方〜

作者: 幸田遥


 運悪くブラック企業に勤めてしまった。上司がブラックだった。仕事内容が合わない……。


 仕事が始まって数週間、もうそろそろ仕事に慣れてきたと同時に、いろいろなストレスによって体に変化がきている頃だと思います。私の同期も、後輩も体調を壊したのは4月の半ばでしたし、まぁ、要するに、新社会人になって数週間から1ヶ月が危ない、ということですね。


 取り返しがつかなくなる前に、正しいストレス発散の仕方を学びましょう。それでもダメなら、無理をしないで転職しましょう。大事なのはあなたの『命』です。




 さて、私は、中学生の頃から壁を殴り続けております。言わば『壁殴りのプロ』みたいなものです。もちろん、壁を殴らない時期もありましたがね。中学時代と大学院時代、あと最初の職場では、ひたすら殴っていましたね。

 個人的には、大学の建物の壁が、一番殴り易かったです。つるんとしたコンクリートの壁だったので、壁が壊れる心配もなく、手にも優しい壁でしたのでね。今思えば、あの壁のおかげで私はこうやって生きているのです。



 前置きが長くなりましたが、本題です。

 あくまでも本エッセイは、正しい『壁』の殴り方のエッセイですのでね。その方法を伝授いたします。




0 壁を殴る前に

 ムッとした、イラっとした時に、壁を殴る前に、一つできることがあります。それは、『足の親指に力を入れる』ことです。

 まぁ、正直な話、これでなんとかなることが多いです。私も、この方法を身につけてからというもの、割と落ち着けるようになりました。どこかの本で読んだので、それを引用すべきなのですが、10年以上も前のことですので、本のタイトルも何も覚えていません。申し訳ないです。

 とりあえず、壁を殴る前にこれをやってみてください。



 さぁ、『足の親指に力を入れる』ことでは感情が収まらなかったのなら、仕方ありません。壁を殴りましょう。ただ、『壁を殴りたい』と思ったあなたは、すでにこちら側の人間です。一人で悩まないで誰かに相談しましょう。


 もちろん、殴らなくて済むのなら、殴らない方がいいです。もちろん、壁を殴るときは全て『自己責任』ですよ。




1 壁の選び方

 結論から言いますと、『コンクリートの壁』の一択です。

 コンコンと叩いてみて、中に空洞があると感じた場合、その壁は候補から外してください。絶対に殴ってはいけません! 壁の奥に空間のない、がっちりと強固なコンクリートの壁を選びましょう。柱に近い方が頑丈だと思います。

 目的は、壁を壊すことではなく、ストレス発散のために壁を殴ることです。壊れない壁を選ぶことがポイントです。

 クロスや土壁、木の壁などは絶対に殴ってはいけません。


 殴る壁は、普段からチェックして、決めておきましょう。例えば、動物だって、う○こをする場所は決めています。そこいらところかまわずにう○こをする訳ではありません。そして、あなたはヒトです。ヒトとしての『尊厳』を持ちましょう。どの壁を殴ってもいいわけではありません。きちんと、ヒトとしての『尊厳』を持って、殴る壁を決めておくのです。



2 力加減

 すでに、足の親指に力を入れる方法を試しているはずです。それでも感情を抑えきれなくて壁を殴るわけですので、理性のある手加減などできるわけがありません。そうです、力加減は、『全力』という選択肢しかありません。


 一方で、力を抑制できるとすれば、それは自己防衛の『本能』と、野蛮なことをしたくないというヒトしての『尊厳』だけです。理性ではもうコントロールできませんが、ただ、どんな状況になってもヒトとしての『尊厳』は大切にしましょう。

 あなたは優秀なヒトです。ヒトとしての『尊厳』を持っているはずです。



3 殴る時の注意点

 腕を振り抜かないように注意してください。『バンッ!!』と大きな音がなるように、拳を壁の上でバウンドさせるようにして殴ります。大きな音を出した方が気持ちがいいので、大きな音を出せるようにしましょう。わかりにくい例えで申し訳ありませんが、二重○極みの一撃目の衝撃波を広く出すような感じで『バンッ!!』です。この時、間違っても二撃目を出してはいけません。タイミングが悪ければ壁が粉々になってしまうかもしれませんので。



4殴り終えた後

 壁を殴った後は、『アァァァ〜〜〜!!!』とでも叫んでおきましょう。声を出して、拳の痛みに耐えると同時に、ストレスを発散するためです。

 このとき、もし、壁を殴っているところを誰かに見られた、もしくは、叫び声を誰かに聞かれたなら、それも何かの縁です。それで何かが変わるかもしれません。自分の中に全てを溜め込まずに、外に吐き出しましょう。もしかしたら、それがきっかけで、もう次に壁を殴らなくてもよくなるかもしれません。


 殴り終わった後しばらくは、拳が痛いはずですので、痛みに耐えながら気持ちを抑え込みましょう。よくできました。あなたは、上司を殴らずに、壁を殴って、ことなきを得たのです。命を粗末にすることなく、被害を拳だけに抑えたのです。立派です。




 注意点はこれだけですね。あとは補足です。


 壁殴りとしてのプロになるための大事な心構えは、


『どんな壁でも殴れるのがプロではない。プロは、壁を選び、壁を壊さず、そして、拳も壊さない。プロとして続けていけるものこそが、プロだ』

です。


 怪我をしない、壁を壊さないことがプロの壁殴りとして大切な心構えです。



 でも、もし万が一、いずれかを壊してしまった場合は、以下を参考にしてください。



5 万が一、壁を壊してしまった場合

 ぶっちゃけ、壁が壊れたくらいなら、全然なんともないです。さっさと自分が壊した壁の修理費を払いましょう。もちろん、自己責任ですよ。

 一方で、最悪の事態を考えてもみてください。最悪の事態は、電車に飛び込んで自殺ですよ。壁を殴っている時点で、電車への飛び込みは選択肢として遠くに見えてきていますからね。あるかもしれない遠い未来です。でも、電車を止めた賠償金は、壁一枚の修理費とは桁が違います。そんな最悪の悲劇を起こすくらいなら、その前に、是非、壁を殴りましょう。

 まぁ、壁は壊さないに越したことはないですが、万が一、壁を殴って、壁を壊すような事態になったなら、会社に修理費を支払って、そして、その会社を辞めましょう。それが、いいきっかけになるでしょう。飛び込み自殺をするより、はるかにマシです。



6 万が一、拳を壊してしまった場合

 他人を怪我させるのと自分が怪我をするのでは意味合いが全く異なります。たとえば、上司がムカつくからといって、上司を殴れば、あなたは犯罪者です。でも、あなたが勝手に壁を殴って、あなたが勝手に自分の拳を壊した場合、あなたがアホだと思われるだけです。むしろ、同情してもらえるかもしれません。自分の感情がどうしてもコントロールできなかったとしても、最悪、壊すのなら自分の拳にしましょう。上司ではなく壁を殴りましょう。自分の拳が壊れた時は、そういう時です。会社を辞めましょう。右手を怪我するくらい、死ぬより断然マシです。




最後に

 壁を殴るくらいでストレスが発散できるなら安いものです。私はこれまでに、数えきれないほど壁を殴ってきました。幸いにして、壁を壊したこともありませんし、拳を壊したこともありません。これが私のプロたる所以です。

 前の職場では、週に何回殴ったかわからないほど壁を殴っていましたが、今の職場に転職してからは、一度も壁を殴ることなく平穏な日々を過ごしております。そして、今、昔怒りを込めて壁を殴っていたこの手で、このエッセイを書いております。このエッセイを通して、ブラック企業で苦しむ人を一人でも減らすために。



 このエッセイを通して伝えたいのは、『命を粗末にしないでください』、ということです。生きていればいいことがあります。壁を殴って済むのなら、壁くらい殴りましょう。もちろん、他により良いストレス発散方法があるのなら、それを使いましょう。正直な話、壁殴りは最後の手段です。ここまで読んでくれた読者様に言うのもアレですが、できるなら殴らない方がいいですよ。

 また、過度のストレスに耐えて頑張るよりも、自分に合う、より良い職場を探すのも選択肢の一つです。大丈夫です! 生きていればなんとかなります! くれぐれも無理はしないでください。




 最後までお読みいただきありがとうございます。何かと辛い世の中ですが、無理をしないで上手に息抜きしましょう、そして、上手に生き抜きましょう。


 では、また。


将来のために何かスキルを身につけておきたい方には、『ノルウェー語』がオススメです。毎日ちょっとずつ読むだけで、将来役に立つかもしれません。

笑いが欲しいあなたには、『魔法少女マンゴ☆スチン』もオススメです。

★★★★★以下にリンクがあります。★★★★★


今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

幸田遥


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i520952
秋の桜子さまよりいただきました。
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i488219
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i471546
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[良い点] 私も上司を殺してショーシャンク刑務所に無期懲役をくらっている未来があったかもしれません。 それに比べれば転職した今は、とても安定した生活です。ストレスもありますが些細なものです。 殺さなく…
[良い点] 活動報告に書くよりも、こっちに感想書かせていただきます。 大変面白かったです。 試しにコンクリを殴ってみました。 うっかり二撃目を加えてしまい、完全に粉砕してしまいました。 僕の場合…
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