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第5話《奇跡》

 俺がスマホを手に入れるちょっと前。

 気分転換に外に出ていた。街は活気づいていて、人々は往来する。街の中心には、時計塔があった。よし、登ってみるか。

 ━━━ちょっ、ちょっ、待って待って。ひ、人に揉みくちゃにされて‥‥‥ヤバい、たどり着けない!

 よし、こうなったら(瞬間加速)を使って空に逃げよう!


「(瞬間加速)、発動」


 俺の姿が掻き消え、空へ大ジャンプ‥‥‥あっヤベ、どうやって着地しよう!?

 ‥‥‥ヤバいヤバい!落下スピードの減速?屋根に着地?それとも‥‥‥このまま空をとぶ!そのための魔法は‥‥‥もう創った!


「(天駆・零)起動!さあ‥‥‥フライアウェイ!」


 空を駆け、俺は第二歩目を踏み出す。このまま時計塔に侵入する。

 とりあえず屋根に着地する。

 ‥‥‥この街━━━いや、この世界は綺麗だな。禁断症状を無視すれば素晴らしい世界だと感じる。だからこそ、この世界を楽しみたいと思って━━━!?

 街の外に子供!?危ないぞ!?つーかなんか襲われてる。急いでいかないと‥‥‥いや、魔法で先に飛ばして追い付く!


「アイスアロー!届け!続いて天駆・零、起動!」


 ━━━これでッッ‥‥‥いや間に合わないな。


「ならッッ!!(瞬間加速)連続起動!」


 これなら間に合うだろ!‥‥‥よし、まずは矢が当たった。俺が届くまで数十メートル。あと‥‥‥もう一歩!


「くらえや!とっととぶっ飛べ!」


 俺は渾身のライダーキックを叩きつける。獣らしき何かは吹き飛んだ。


「おい、大丈夫か!?とりあえずさがってろ!」


 子供は怯えているように見えるが関係ない。俺は前を見据え、警戒する。

 影が立ち上がる気配を感じる。なら━━━速攻で魔法を叩き込む。


「《百重詠唱》━━━(アイスアロー・ハンドレッド)、連続して、(フレイムアロー・ハンドレッド)」


 狙いは適当、とにかく弾幕をはって避けれない攻撃をぶつける。

 このタイミングで(レールガン)の装填を開始。


 俺は片手を突き出す。手の中に氷が生成され━━━その形は歪な銃を造る。グリップはしっかりとしているが、その先━━━銃身は二つに分かれ、真ん中には空洞が出来ていた。

 そう、これが改良したレールガン。両手を媒体にするのは隙が大きいため、片手で扱い、なおかつ連発できるようにしたものだ。


 俺は銃を構える。いつでも撃てるように、トリガーに指を添え、『眼』を使う。その名は━━━《鑑定眼》、《鷹の目》。

 絶対に逃がさないよう、眼を凝らす。だから気付けたんだろう、


「チッ。何故見つからない?鑑定して探しているはずなんだが‥‥‥いやまさか!」


 いる場所は━━━俺の背後の子供の後ろか!

 魔法は━━━当てずっぽうじゃ子供にあたる。なら‥‥‥


「《剣製》ッ!おいチビッコ!しゃがんでろ!」


 振り向き、安全を確認したら‥‥‥一瞬映った獣に、横薙ぎを放つ。

 手に鈍い感触が走る。それは、獣を裂いたものだと思った。


「はぁー、はぁーッ。おい、大丈夫だったか?」


 子供の安否を確認する‥‥‥どうやら傷は無いようだ。


「うん、ありがとう‥‥‥と、言うのが普通の人だろうけど、君には‥‥‥僕の一人芝居に付き合ってくれてありがとう。お礼に僕の世界に招待するよ」


 なに?一人芝居だと?つか、目の前が輝き出したぞ!?反射的に目を閉じ━━━光が収まり、俺が目を開けると、白の世界が広がっていた。


「なっ━━━」


「驚いてくれたね。ようこそ、僕の世界へ。僕は改変神ワールゼルア。僕のゲームをクリアした君には、プレゼントを与えよう」


 まさかあのチビッコが神様だったとは。しっかし、ゲームねぇ‥‥‥まあ、楽しかったしいいか。


「んで、プレゼントってなんだ?」


「ああ、何でもいいよ。そう、何でもね」


 なっ!マジかよマジかよ!!何でもいいだと!!なら━━━


「スマホだ!スマホを回収してきてくれ!あとオプション付きで!」


「ええ?そんな程度で良いの?最強の武具や、無敵のステータスでも良いんだよ?」


「いや、これで良い。あと、オプション忘れんなよ?じゃあ、俺のスマホを取ってきてくれ。」


「わかっ━━━まって?スマホを取ってくる?どういうこと?」


 あー。この違和感に気付けたか。とりあえず無視。


「地球にある蒼馬蓮のスマホを取ってきてくれ‥‥‥これでいいか?」


「はいはい、そういうことね。じゃあ‥‥‥《権限》〜存在改変〜」


 そうして、俺の目の前に、前世で見慣れたスマホが現れる。

 暗証番号を入力し、俺のものか確認する‥‥‥ゲームのダウンロード、壁紙、アプリの配置も俺のものだな。


「よっしゃあ!!やっとスマホを手に入れた!‥‥‥こんな奇跡も起こるもんなんだな。あっそうだ。神様、ありがとう」


「いや?これはゲームの報酬さ。感謝されることはないよ。それで?オプションだったかな。それは決めないの?」


 ああ、一番大事なことを忘れていたな。


「オプションは、まず、充電が必要無いようにしてほしいな。あと、ネットワークへの接続と、料金の無料化」


「オッケー。すぐに改変するね。そうだ、まだ何かオプションつけれるよ?」


 おっ、それはありがたいな。オプションか‥‥‥課金、マップの追加、通貨変換、通販の使用‥‥‥結構いっぱいあるな。


「なら、通貨を日本円にする機能、ゲームの課金機能、通販の使用と言ったところか?」


「欲が少なくない?君の行動からすれば、もっとお願いしてもいいんだけどな‥‥‥」


 この神様、俺と価値観が違うのか?‥‥‥いや、俺らゲーマーの価値観がおかしいのか。

 俺は鼻で笑う。


「はっ。ゲーマーなめんな!俺らはゲームできりゃそれでいいんだよ!」


 おっと、神様がドン引きしてるや。顔がひきつっている。


「き、君、やっぱりおかしくないかな?ゲーマーってなんなのさ‥‥‥はい、これで良いでしょ?」


 ゴマだれゴマだれ。念願のスマホを手に入れたぞ!‥‥‥泣き出しそうだ。


「本当、本当にありがとうな、神様。俺‥‥‥貴方と出会えてよかったよ。じゃあ、またいつか。」


「またいつかって‥‥‥また僕に会うとかどうしてそう思うのさ」


 んー、なんでだろうな。俺もわかんねぇや。でも、やっぱり俺のカンが次があると、囁いている。


「そうだな‥‥‥カン、かな?じゃ、ありがとな」


 それだけ言い、俺はこの空間から出る。そして━━━俺は、家の庭で寝ていて━━━その手には、スマホがおいてあった。

 これはきっと、神様が贈ってくれた奇跡。だから━━━俺はゲームを始める。


 ━━━━━

 あー。ああ━━━ッッ!!やっぱログボもらうだけでも気分がスッキリするな。

 んー‥‥‥父さんと母さんにしばらくゲームしまくるために修行を休むことでも伝えるかな。


 俺は家に入る。


「父さん、母さん、ちょっと話があるんだけどー!」


「「なにかあったの(かー)」」


 両親がやってくる。


「ちょっとね。しばらく、修行をサボっていい?」


「なっ!正気か?1日ならまだしも━━━しばらくだろう?その間は何をするんだ?」


「それは‥‥‥今日、じつは前世の遺物を手に入れてね。それでそれを使いたくて」


「‥‥‥よし、ならいいだろう。だが、食事には出るんだぞ」


「うん、わかった‥‥‥あっ、実はさ、俺━━━発狂するかもしれないから気を付けてね。」


 まあ、ゲームは久々だからなあ。発狂しても仕方がない。


「おい、まて!発狂とはなんだ!信じて良いんだろうな!」


「うん、それは大丈夫。それじゃあ、また〜」


 俺は部屋に戻り、スマホを起動する。ゲームは何をやろうかな?


 ━━━━━

 ‥‥‥軽く色んなゲームをやったが、全体的に、俺の反応がかなりいいし、体も思ったように動くが‥‥‥音ゲーは、精度が悪くなったし、カンや目が多少鈍っているようだ。

 だが、フルコン率は上がった。まあ、それもフルスペックでゴリ押しただけなんだが。

 ‥‥‥こうしてみりゃわかるが、ステータスの恩恵は凄いな。前世と比べればかなり凄いだろう‥‥‥俺の前世が貧弱モヤシだっただけですね、はい。ああ、運動しとけばよかった‥‥‥

 そんな事より、反応が良すぎると逆にタイミングがずれることがわかった。おそらくだが、タイミングがジャストすぎて、機械が反応するときはもう少し遅れているんだろう‥‥‥これから戦闘をするにあたって割と問題かもな。攻撃を避けれなくなりそうだ。


 ━━━━━

 さて、意外な問題点も見つかったし、そこを念頭において、これからの修行も努力していくか。

 あっ、そうそう。あと三年後に、職業選定とステータス確認をするらしい。職業‥‥‥ね。俺はなんなんだろうな?出来れば『魔法剣士』になれればいいんだが‥‥‥。


「まあいいや!ゲームだゲーム!‥‥‥ヤッベランイベ始まってやがる!急がねえと!」


 そして、三年が経過する━━━━━


 ━━━━━

「‥‥‥ふぁ〜っあっ。気持ちのいい朝だな。」


 今日は俺が10歳になる日。両親の厳しい修行を越え、無事に生還した。

 ‥‥‥そんな事より、まずは家族に挨拶しにいくか。


「父さん、母さん、リサ、おはよう。」


「うむ、おはよう。そうだ、誕生日、おめでとう」


「あら、おはよう。おめでとうね」


「兄様、お誕生日、おめでとうございます!私、とても嬉しいです!」


「うん、リサ、ありがとう。父さん、母さんもありがとう」


 やっぱり、この家庭は暖かいな。だから━━━絶対に失うわけにはいかない。


「で、今日は選定の日だよね?どこでやるの?」


「言ってなかったな。この街の教会だ‥‥‥朝食を食べてから行こうか」


「了解。それじゃあ、いただきます」


 俺は朝食を食べ━━━━教会へ、思いをはせ、ぽつりと呟く。


「俺の職業‥‥‥か」


ついに登場!主人公の妹さん。


『リサ・エイプレイ』


今作主人公、フィーレンの妹。兄のことは『兄様』と、呼ぶ。

シャイニー&クリエイトファンタジー(略・シャイクリ)のヒロインで、ゲーム本編では、〇〇の〇〇により、兄を残して、学園に進学。そこでゲーム主人公に出会い、学園生活を楽しむ。

━━━━━が、フィーレンのせいで、色々イベントが崩壊し、リサルートが潰される予定。



ここまで見ていただき、ありがとうございました。

次回をお楽しみに!


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